「アベル・・・」

胸にかけた赤い宝石を握りしめながら星を見上げる少女・・・年の頃16.7の艶やかな黒髪を持った少女だ

「・・・あなたはどうしているかしら・・・」

東方の民族衣装を纏い、外を眺めることのみを許された少女、囚われの自分・・・食事と入浴は魔物に行われ、排泄も1つ部屋で為さねばならない

こうして窓から外を眺めることも・・・空のはるか高見にあっては慰めにならない、一歩足を踏み出せばそこは上空1000mだ、飛空要塞・・・誰かがそう呼んでいた

「あら?・・」

けれどその眼に・・・大きな山が目に入る、そこを掠めて飛ぶようだが

「・・・」

だんだんと山が近付いてくる、要塞は針路をずらし、山のぎりぎりを迂回し・・・窓の目の前に生い茂る木々が目に入る

「・・これは・・・」

急いで部屋を見渡すとわらとシーツを抱えて窓へ走る・・・そして、大きく息を吸い込むと

「アベルッ」

叫んで一気に窓から身を飛び出した
 
 
 

「逃げた・・だと?」

「は、はい・・ガーゴイル部隊を出しましたので、すぐに見つかるとは思いますが」

「・・・何回目だ?」

「は・・・ええ・・・・3回目かと」

「どうやら自由を与えすぎたようだな・・・少し痛めつけるか」

「しかし、人間は脆弱ですからどれほど責めればいいのか・・・」

「確か変わり者の魔物が居たな、人間の女を陵辱する・・・キメラ部隊の一匹だったか」

「はぁ・・・おりますが」

「そいつに伝えろ、殺さないなら何をしても構わんと・・・実力もあったはずだ、軍団長の座もこの機に与えてやれ、他のキメラを使ってもいい」

「はっ・・」
 
 
 

「はぁ・・はぁ・・」

全身擦り傷だらけで森に座り込む少女・・・ティアラ

とっさにわらにしがみつき、シーツで身を包んだため傷は少ないが・・・打ち身が多い

「とにかく、出られたんだから、後は・・・」

「ギィィ、キィィ」

要塞から飛び出してくる空の魔物達

「早い・・くっ」

ひとまず要塞から逆方向へ走り出すティアラ、背中で束ねた黒髪が揺れ

・・・要塞から一際巨大な影が飛び去った、それは迷うことなくティアラに向かってくる

「何で?」

慌てて走るが

「ラリホーマ」

眠りへ誘う呪紋が身から力を奪う

「・・・なるほど、いい女だ、つまらん任務と思ったが・・・楽しめそうだな」

笑うと、ティアラを抱き上げる魔物、そのまま背中の翼をはためかせ

「戻るぞ」

周りの魔物達に指示を与える

そして・・・ティアラは投獄された
 
 
 

「う・・・」

目覚めは苦痛と共に訪れた、脚と腕・・・じんじんとした痛みが広がっていく

「ここ・・は?」

鈍る頭を振り払いながら、辺りに目を巡らすティアラ、今までの部屋とは違う・・・牢獄のような場所

「牢獄さ」

横から声が聞こえる、そちらに眼を向け

「ひっ」

声を上げて逃げようとする、けれど、そこから下がることは出来ず、腕と脚にまた痛み・・・両手両脚が鎖で壁に縫い止められている

「ああ、それがきついなら言ってくれるといい、すぐに緩めよう」

穏和な声で言いながら、それを片付ける魔物

慌てて目を背け

「ああ・・僕が怖いのか、まぁ当然だろうね、僕は変わった魔物だから」

けれどティアラが見ていたのは魔物の手の先

「・・・ああ、この肉塊が怖かったのか、大丈夫、もう死んでるよ」

言って笑い・・何かが潰れる音

「しばらくここに来なかったから繋いだまま忘れててね」

足音がティアラに近付いてくる、それに微かに眼を開き

・・・自分を覗き込んでくる魔物の顔

「きゃっ」

異常な魔物だった、今まで見たどんな物とも違う

基本は・・・ブルデビルだろうか、山羊に似た二本の巨大な角とコウモリの羽根、だが・・・顔はアームライオンのように獅子の物、腕も6本有り、それぞれ種が違う、鬣は途中から蔓のようになり蠢き、身体は人間のようにがっしりしている・・・毛皮に包まれているが

人間が獅子の仮面をかぶり、羽根と触手を生やし腕も増やした・・・そんな感じだろうか

「僕は変わり者でね、バラモス様は僕等を様々なモンスターの死骸と人間の赤ん坊を媒介に作ったんだ、最初、僕等の姿は人間の赤ん坊だったらしい、そして・・・僕等は人の街に捨てられた、見捨てられたと思ったさ・・・だが、人の街で僕等に与えられたのは忌み子としての迫害の毎日、毛皮と角のある化け物としてね・・・そして僕に魔物としての力の目覚めた日・・・バラモス様は僕達を迎えに来られた・・・魔物は人を忌み嫌うが同胞には寛容だ、人の血の混じった僕らをバラモス様は迎え入れてくれた、もし、人の姿のまま育てられれば・・・僕らは他のモンスターに殺されていただろう」

キメラ・・・バラモスの創り上げたその中でも特に人間的知覚を残した者が彼だった

多種能力を備えた、キメラ達の中でも特に優れた品種だ

「だからこんなに姿が変わって居るんだ、気にしないでくれ」

獅子の口から笑みと、優しい言葉が零れる、獅子の腕がティアラの顎を掴み

「バラモス様は君がお痛が過ぎると言ってね、ちょっと躾るよう言われたんだ」

言って笑う・・・狂気に

「僕を怖いと言った・・・人間の娘を」
 
 
 

ティアラ・・・黒髪黒眼の少女が牢獄に拘束されている、けれど、その中にあって・・・そもそも魔物に囚われながらもなお睨んでくる黒瞳・・・

それを握りつぶせたらどれほどの快感だろう、それが恐怖に染まる瞬間はどれほど美しいだろう

「面白い子だ・・君は」

顎を掴み眼を睨み付けるキメラ、目の前に獅子の顔が迫り

「その顔が何時崩れるか・・楽しみだよ」

笑うキメラ

「アベル・・」

呟き、微かに涙するティアラを眺めながら

「・・・」

四肢を拘束する物とは別に新たに鎖を数本用意するキメラ、その一本をティアラの尻側から太腿の横を通し、股にくぐらせる・・・

ティアラは白のスラックスと黄色い腰帯を巻いているが、その間に入る鎖・・・キメラはそれを鬣でティアラの頭の上のフックに両端を固定し

ティアラの胸の曲線を通って臍、そのまま股間・・・折り返し尻と背中を通って上に戻る鎖、それがわっか状に固定され・・・ティアラの足輪が外される

キメラの考えが理解できないのか不思議そうにするティアラ・・・そして、その足場が消え去った

「きゃっ」

突然の床の消失、それは即座に落下を初め

「あうっ」

ぎしっ

股間に鋭痛・・・足場が消え去り・・・股間の鎖が全ての体重を抱える、腕の鎖はちょうど緩む程度に固定され、何の役にも立たない

ぎしぎしときしむ鎖・・・それが股間にきつく食い込み

「くぅぅ・・・」

骨盤を強かに打ち付けたティアラが苦悶の表情になる

ぐらぐらとバランスの危うい身体・・・その脚に再び足輪、けれど今度は脚同士を短く固定する

「・・・良し、いい感じだな」

じろじろと全体を眺めていたキメラは頷くと足輪に重りを付ける

「くっ・・・あ、くっ・・い、いたい・・」

完全に股間に食い込む鎖、キメラは翼を1つ打つと飛び上がり、ティアラを固定する3本の鎖をフックから外すとさらに舞い上がる

「きゃああ」

突然のことと鈍痛に悲鳴を上げるティアラ・・・そのティアラを魔物達の集まる大部屋へ運ぶと、魔物達の眼の中、天井から吊すキメラ

「くう・・」

股間に食い込む鎖を忌々しそうに見るティアラ、そのティアラを眺めながら

「・・・1つ約束をしよう、お前が金輪際、アベルという男の名を口にせず、そのアベルを罵倒する言葉のみを吐くのなら、俺はお前を解放しよう」

ぎしぎしときしむ鎖、それがちょうど股間に食い込み

「・・誰が、そんなこと」

ギッと、ティアラがキメラを睨む、それに肩を竦め

全身をじろじろと観察する・・・前掛けのようになっていた腰帯はめくれ、白のスラックスの生地を巻き込んで鎖が股間に食い込む、膝を合わせ、何とかバランスを取るティアラ

「・・・まぁいい、すぐにその気になる」

言うと、ティアラの足の重りを弾く

「あくっ・・うう」

引きちぎれそうな脚の痛みと、何より股間への刺激に悲鳴を上げる・・・ご丁寧にも鎖はごちごつとずいぶん歪な造りだ

「何時まで耐えるかな」

腕の一本で重りを揺らし、周りの魔物に頼んで幾つか用意するキメラ・・・脚に蝋燭を、火が下になるよう結びつけ

「メラ」

火を点ける・・・火はかなりの勢いで、熱を伴いながら脚に向かい

「ついでだ」

キメラが足首に油を塗りつける・・・引火すれば・・・脚は焼け落ちるだろう

「・・・何処まで保つか、楽しみだな」

魔物達の哄笑が・・・響いた
 
 
 
 
 
 

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・・・飽田は反応が少ないとつくづく更新が遅れますので
ちなみに、レスはとことん遅いです
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