感嘆の声を上げる
見事な物だ・・・けれど、彼になら分かる
エンドール・・・そこを訪れたトルネコは、当然のようにパフを売り払い
・・・・そして知った
エンドールの裏の部分・・それは
「国王に・・全て流れてますね」
こう見えても商人としては一流の才覚を有し、裏の世界に通じている・・それくらいは分かり
ならばこそ
「・・・一度、お会いしてみますか」
・・・トルネコは、豪奢な王宮へと・・足を向けた
それこそ、魔王達が集った瞬間
エンドールを苗床として、汚れ達が集まり・・そして、伝説は終焉を迎える
バルコニーに神官服の男が立つ
・・けれど、その傍らに転がる酒瓶は質素とは言い難く・・・酒瓶より多い女達が、床に寝そべる
「・・・」
そして・・眼下を見下ろす・・既に、国王は傀儡でしかない
ほとんどの兵は魔物が変身したものだ、けれど・・歴史にあったような馬鹿な真似はしない、昔魔物が兵士に変身したことがあってもその雰囲気で分かったらしいが
・・・人間が指揮している以上、最低限のことは守らせている
・・・人間の指揮・・・ピサロとの同盟、人の座で得た将軍の地位、その座で・・邪神官の地位にある人間は眼下を見下ろし
「クリフト・・おかしな人間が話がしたいと言ってきておるが」
言うのは、髭を蓄えた老人・・・ブライと言う名の、卓越した魔法使い
バルコニーには2人・・ブライとクリフトがいる・・本来なら、アリーナと言う名の姫を守護する2人だが
今頃・・そのアリーナは地下だ
「国王はどうしたんですか?」
「それがな・・裏門の見張りのモンスターがそのまま通してしまったんじゃ、今、地下の方にいる・・雰囲気がわしらに似てたとか何とか」
不穏な言葉
人間でありながら、自分達と同じ雰囲気・・・人より魔に近い性質を持つ者
それは極めて少なく・・けれど、それ故に同胞意識が目覚めやすい
「・・会いましょうか」
立ち上がるとそのまま地下へ下っていくクリフト
・・・魔王の側近と、トルネコの遭遇・・それは、勇者の伝説が崩れる瞬間
トルネコはクリフトと出会い・・トンネル工事へと着工し
そして、ライアンと名乗る流浪の戦士が・・同じく、導かれるようにエンドールへと訪れ
仲間に加わった
・・・そして・・・
最後の勇者達が、目覚める・・・
炎が巻き起こる
森深くの隠れ里・・そこで、外界から隔絶された営みを続けていた村・・そこが今、灰の中へ消え
「ほう・・」
ライアン・・魔族に属する戦士が笑う
眼前で・・剣を振るう女を・・エメラルド色をした髪を振り乱しながら斬りかかってくる女は、伝承にある勇者の性質によく似ており
ガキン
・・・けれどその剣は卓越した戦士であるライアンに容易く受け止められ、弾き飛ばされる
勇者が産み落とされると言う隠れ里、そこを・・・モンスター達は襲撃し
「くっ」
・・目の前には、肌も露わな鎧を纏った強い眼の女・・彼女こそおそらくは
「勇者か」
「ライアン・・殺すな」
指揮をしているクリフトの命令に頷く戦士・・・なるほど、まさか勇者が女だとは思わなかった
これでは・・殺すのは惜しい
「ピサロには後で謝っておこう」
「生け捕りにしろ」
言った瞬間・・ライアンの剣が無数に走った、瞬間的に十を越える打撃が・・女勇者の身体に叩き込まれ
「・・・・・・」
その変身が解けた、おそらくはモシャス
けれど、死んだならともかく・・意識が途絶えた今、変身は意味を為さず本来の姿を取り戻し
・・・炎に包まれた村でモシャスを使う女・・・勇者を守るべきにもかかわらず、勇者が斬りかかるのを止めなかった村人達
「・・偽物か」
そう判断すべきだろう・・けれど
「一応探せ・・だが、絶対に殺すな」
命じる・・理由・・簡単だ
・・・モシャスの解けた後には、愛らしい少女の姿
・・・やがて・・・倉庫の隅で震える女の勇者を、悪魔の目玉が発見し・・・その身体に、クリフトが呪いを刻みつけた
自分達との遭遇の記憶は消し・・・
勇者に、仮初めの自由が与えられ・・・
・・・シンシアは、魔族に捕らえられた
//なきごと/////
・・・・・・・・・・また1人・・辞めていく・・・
明日は休みのはずだったのに・・
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・・・飽田は反応が少ないとつくづく更新が遅れますので
ちなみに、レスはとことん遅いです
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