真昼の情事/官能小説

  賄い付き下宿

                        蛭野譲二

   22.タイルの割れ目


  
 何時ぞやのアパートの水道修理以来、ちょくちょく綾さんから修繕事を頼まれるようになっていた。

 アパートは、外装を塗り直したとはいえ、それなりに年数がたっていたので、あっちこっち補修の必要があったんだ。

 何かあったらヤバいんで、配電系とガス周りには手を出さなかったが、それ以外のちょっとしたことは、俺の受け持ちになっていた。

 修理やアパートのメンテの手伝いをすると、五千円から一万円くらいの駄賃をくれるので、これは助かった。休み中にバイトをするタイミングも外していたんで、俺にはいい小遣いになったんだ。

 このバイトみたいなのは、この下宿に居る間中続いた。

 もう一つこれには、旨味があったんだ。

 テディーハウスは、あの家賃滞納の男が出ていってからは、住人は女の人だけになっていた。

 女性ばっかりだから、水周りや家電関係のちょっとしたことでも呼び出される。

 それまで俺は借家のシキタリみたいなモノを全然知らなかったが、「部屋に備え付けられてるものは、みんな大家の役目」くらいに思ってるんだ。

 流し台や立て付けの不具合は、当たり前のように言ってくるし、果ては蛇口のコマや玄関灯りのタマの交換まで言ってくるんだ。

 まっ、そのせいで、俺にとってはどうってことない用事が多く、結果出動回数が増えた分だけ小遣いになったんだけどね。

 修理に行くと役得みたいなこともけっこう有った。

 困ってることを直すために行ってるんだから、対応は丁重だったし、修理の人間には皆あまり警戒しない。

 修理の間、床を這うようにしたり脚立に載ったりして、普段、他人の家ではできないような位置から彼女等を見ることになる。

 すると、パンチラなんかは当たり前のように機会がある。高いところからだと、ブラチラもある。

 中には、お水のおねーさんらしき人も居て、ラフな格好で部屋に居るんだ。

 上はシャツ一枚なんてこともあり、ブラジャーどころか乳首まで見えたりする。

 当時ウブだった俺をからかおうとしたのか、椅子に座って、膝を開き気味にしたまま、なんてこともあった。

 俺が特に気になっていたのは、初めて水道修理をした麻美だ。

 彼女は割りと胸が大きいんで、オッパイとブラの隙間が空くようなことはなかったんで、乳首まで見えたことはなかったが、たいていブラのストラップくらいは見えた。

 けっこうなミニが多かったんで、パンチラの機会も多かった。

 俺の仕事に少しでも手助けしてくれようと、側に居ることが多かったんで、自然、間近でみるチャンスも多かったんだ。

 見せ付けるような仕草ではなく、隙があるのが男としてそそった。

 綾さんのミニスカにノーパン目撃という免疫がなかったら、本当に襲っていたかもしれない。


 あっ、いけない。何を話そうとしてたんだか忘れそうになってた。

 話は、アパートの方じゃなく、綾さんの家のことだ。

 地震があって一週間以内のことだったと思う。確かまだ学校は始まってなかった。

 珍しく、昼飯を綾さんと食べていた。

 「地震のとき綾さんに抱き着かれて嬉しかった」みたいな話をしたんだと思う。

 そしたら、綾さんが思い出したように言ったんだ。

 「あの地震で、お風呂場にヒビが入ったみたいなの。後で診てくれない?」。

 特に予定もなかったから、すぐにOKした。


 食後、一階に下りて行き、風呂場をチェックした。

 言われたように、タイルの目地の所にヒビが入ってる部分もあったし、目地材が欠け落ちているところも何箇所か見受けられた。

 ただ、ヒビが薄汚れている感じもあり、全部あの地震でヒビが入ったかどうかは疑問だった。

 「『床のヒビって水が流れ込むから、家が水吸って腐りやすくなる』って聞いたことあるわ」。

 側に居た綾さんがちょっと心配そうにしてたんで、少しじっくり調べてみることにした。

 洗面器に水を入れて、割れのある部分に少し水をかけてみる。

 確かに比較的幅の広めな割れ目は水を吸っている様だった。

 他の僅かなヒビもあるので一応チェックすることにした。

 ただ、このとき面白いアイデアを思いついたんだ。

 「ねえ、綾さん。水を垂らして吸ってるかどうか診てるんだけど、水だと透き通ってるし、陽の具合でキラキラして判り難いんだ」。

 「何か手伝えること、有るかしら」。

 もちろん、これは口からでまかせだ。でも、乗ってきてくれたんで、これ幸いってとこだ。

 「ええ、あのー、このヒビ割れに、ミルクかけてみてもらえませんか?」。

 「えーっ?牛乳ならあるわよ」。

 二人の間の会話で「ミルク」って言えば、牛乳のことじゃないなんてすぐに解ったはずだ。

 「牛乳じゃ白さが濃すぎるから判りにくいと思うんですよ」。

 もう、綾さんの頬は染まっていた。

 「それに『お乳捨てるの嫌い』って言ってたじゃないですか。これって凄く役に立つことなんだけど。お昼のときは、コップ一杯だけだったから、まだ十分出るでしょ」。

 「それはそうだけど、なんか、恥ずかしいわー」。

 そうは言いながらも、渋々ブラウスのボタンを外し始めてくれた。

 いつも夕食後にオッパイを飲ませてくれるときには、もうそれほど恥ずかしいって感じじゃなかったのに、このときの反応は、それと違って妙に面白かった。

 袷を広げると、いつものようにブラジャーからオッパイを引きずり出す。

 だが、カップの上からオッパイを出したもんだから、乳首がやや上向きになっていて、床に向かって母乳を搾るには、今一具合が悪そうだった。

 「それじゃあ、下に飛ばしにくいでしょ?。ブラの下から出したら?」。

 綾さんがオッパイを一旦ブラに仕舞う。

 「こうかしら?」。

 今度はカップの下に指をこじ入れ、ワイヤーの辺りをグイと掴むようにして一気に引き上げた。

 バシッと鈍い音がして、両方のカップが裏返る。いつもの見事なオッパイがブルンと揺れながら飛び出してきた。

 それと同時にブラジャーの中に入れていた丸い母乳パッドがハラリと落ちてきた。

 空かさず俺がそれを拾う。

 「なんか妙なモンが降ってきたなー」。

 両肘を突き出している綾さんの顔は、真っ赤になっていた。

 「やだー」。

 その見事なオッパイに俺が見とれてると、慌てて腕でオッパイを隠すようにする。

 こんな風に恥ずかしがる綾さんは、ツルツルのアソコを初めて晒したとき以来だった。

 ところが、腕でオッパイを押さえたからだろう。急に母乳が噴き出し始めたんだ。

 正面に居た俺の顔に見事に白汁がぶっかけられた。

 「綾さん、僕の顔じゃなく、床のヒビにかけてくださいよー」。

 「もー、知らないー」。

 頬をわざと膨らした綾さんは、えらく可愛らしく見えた。

 ひとしきり笑いを収めてからは、二人床に膝を突いて、本当に母乳で水漏れのチェックをしてみた。

 俺が拾った母乳パッドで、タイルの水気を取って、指で差し示す。そこに綾さんが母乳を搾ってかけるんだ。

 でも、母乳は思った方向になかなか飛んでくれず、俺の手はミルク塗れになっていた。

 それでも、上手い具合にかかると、ミルクで一瞬見えなくなったヒビ割れが、スッと見えるようになったりする場所も在った。

 それを綾さんにも見せて、一応は納得させた。

 「今日のところは床や壁を水で流しておいて、ちゃんと乾燥させた方がいいと思います。今日の内に必要な材料を買っておきますから、明日、目地を埋めますね。午前中にやれば明日の夜はお風呂が使えると思いますよ」。

 「後はいいから」って綾さんは言ったが、この後、二人で風呂場を洗った。

 もちろん別の狙いがあってのことだ。

 このとき綾さんは、濃紺のけっこう短めのスカートを穿いてたんだ。

 だから、狭い風呂場で、掃除をしてれば、絶対覗けるチャンスはあると思ってた。

 狙いは、的中した。

 最初はスカートの裾を気にしながら壁やなんかを拭いていたが、そのうちお構い無しになってきた。

 俺は、床の水気を取るために這いつくばっていた。

 隙を見て綾さんの方を見ると、しゃがんだ膝がルーズに開いている。

 ここの風呂場はけっこう明るくて、スカートの中もバッチリだった。

 俺の期待を裏切ることなく、彼女はスカートの下に何も穿いていなかった。

 少しよじれたような肌色の割れ目は、なんとも悩ましかった。

 「良く水気を取っとかないとねー」とか言いながら、けっこう楽しませてもらった。

 「もう、何処見てるのよー?」。

 掃除もほとんど終わりかけた頃、ついにスカートの中を盗み見てるのがバレちまった。

 「ワレメ」。

 俺は素っ惚けて、そう答えた。

 「床のじゃないでしょ。スカートの中のでしょ。もう、エッチなんだからー。せっかく掃除まで手伝ってくれたけど、今日は絶対何にもしてあげないからー」。

 また、ぷっと頬を膨らませて綾さんが言った。

 結局その日は、夕食後の母乳以外その後は本当に何にもなかった。

 だが、俺の本当の狙いは、翌日にあったんだ。



官能小説小説の目次ページへ  次頁前のページへ  次頁次のページへ


Copyright 2002 Jouji Hiruno
動画 アダルト動画 ライブチャット