「あにぃ、学校いこっゥ」
いつもの朝。衛はスポーツシャツに短パンといった格好で、朝食を食べている兄に抱きついた。
「わっ、衛、危ないよ!」
コーヒーをこぼしそうになる兄。これも毎日のことだか、衛の抱きつきぐせはなかなか治らない。
「ほらほら、あにぃ〜!」
急かす衛。そろそろ出発せねば遅刻してしまう、そんな時間になっていた。兄は残ったトーストを一気に口に入れコーヒーで流し込むと、衛を連れて家を出た。
「じゃあね、あにぃゥ」
駅前まで来ると、いつも衛はうんと背伸びして兄の耳元でそう囁き、学校へと走っていくのだ。兄は駅から電車に乗って学校に行くが、公立の小学校に通う衛はそうではない。兄と衛は毎朝そこで別れ、互いの学校に向かうのだ。
「今日は学校が終わったら、あにぃと何して遊ぼうかなぁ?」
そんなことを考えながら夏の日差しの中、衛は学校へと急いだ。
・
「衛ちゃん、一緒にドッジボールしよー」
「うん、いいよ!」
球技は得意という訳ではないが、身体を動かすのは好きだったので、衛は昼休み女のコと遊ぶより男のコと遊ぶ方が多かった。
「いっくよー!」
運動場ではしゃぐ衛。しかし、それをよしとしない者がいた。
「なによあれ、男のコとばっかり仲良くしてさ。」
「多摩坂くんは皆のアイドルなのに、許せないよね。」
「吉井くんも衛ちゃんのこと、好きらしいよ。奈々子ちゃん、可哀相・・・」
衛と同じクラスの、女のコたちだった。
「一度取られる悔しさ、教えてあげたいよね。」
うーん、と唸る女のコたち。その中の一人、長い髪をした女のコが提案した。
「あのコね、すっごいブラコンなんだって。だから可憐たちで、お兄ちゃん、とっちゃわない?」
「どうやってやるの? 可憐ちゃん!」
クラスで一番可愛いと噂され、男のコからの人気は抜群。さらには常に周りを思い遣る性格が女のコたちにも評判がよく、みんなから好かれていた女のコ、それが可憐だった。
「いい考えがあるの、今日の放課後、あのコのお兄ちゃんのおうちに行きましょ。」
優しい微笑みは、どこか影を帯びていた。
・
ピンポーン♪
可憐を先頭に、女のコたちは衛の家にやってきた。衛が放課後男のコとどこかに遊びにいったのを見ていたので、可憐たちは堂々と衛の家を訪問した。
ピンポーン♪
「まだ帰ってきてないのかしら、お兄ちゃん。」
今日は諦めて帰ろうか、と皆が思った時である。ちょうど衛の兄が帰ってきたのだ。
「あれ? ひょっとして、衛のお友達?」
「え、あ、その・・・」
兄の顔を見た途端、可憐は言葉につまった。心臓が高鳴り、上手く言葉がみつからない。それは緊張のせいではなかった。
「衛、まだみたいだね。中に入って待ってていいよ。」
可憐たちは居間へと案内され、兄はお茶でも出そうとキッチンに行った。
「可憐ちゃん、どうしたの? いつもの可憐ちゃんらしくないよ?」
顔は真っ赤にし肩を小刻みに震えさせる可憐がいた。誰の眼から見ても様子がおかしい。しかい女のコたちがそのことを追及する間もなく、兄はお盆の上に大量のコップとジュースを持って戻って来た。
「きゃ〜、お兄さん、ありがとう〜!」
「私、手伝います〜!」
みんな可憐が前もって指示していた通り、めいっぱい可愛いところを披露する。
「へー、小学生なんて子供だと思ってたけど、みんな可愛いね!」
「やだー、お兄さんったらお上手ー!」
数人の女のコに囲まれてイヤな思いをする男なぞ、そうはいない。兄はすっかり、彼女たちとのお喋りに夢中になった。
「可憐ちゃんって言うんだ。」
兄も、女のコたちの中で一番目立つ可憐に興味を持ったようだ。
「えと、その・・・」
可憐はしどろもどろになりながらも、一生懸命兄の質問に答えてゆく。そうこうしてると、一人の女のコが言い出した。
「お兄さん、クーラーないんですかぁ? 暑くなってきちゃったぁー」
「ああ、ゴメンね。今、修理中なんだ。」
にやり。女のコたちは一斉に、そんな微笑みを浮かべた。
「じゃあお兄さん、私たちとお風呂場で水浴びしませんかぁー?」
「えっ、えええ―――っ!?」
兄は一応反対したが、女のコたちが口々に賛成、賛成と言ったので、仕方なく付き合うことにした。
・
「はいはいはい、みーんな脱いじゃって入りましょ!」
いくら兄が男といえども、数人の女のコたちの力にはかなわない。お風呂場まで連衡され、あっという間にパンツまで全部、脱がされてしまった。
「わ、わっ!」
慌てて股間を隠す兄。しかし女のコたちはそれを気にすることなく、次々と服を脱いでいった。
「あー、お兄さん、エッチなこと考えてるー!」
大きく膨らんだチOポ。無理もない、それなりに発育の進んだ小学生の女のコが何人も、周りで裸になっているのだ。
「あ、あのね、きみたち!」
しかしやたらと密着してくる女のコたちの肌が彼の思考を鈍らせ、とうとう彼は気持ちいいからいいか、という結論に至った。
「それー! きゃはは!」
シャワーから冷たい水を出し、女のコたちがきゃぴきゃぴ騒ぎ出す。しかしお風呂場だけあって狭く、兄は女のコたちにもみくちゃにされていた。
(あー、でも気持ちいいからいいかー。)
兄がぼーっとし出した頃、一人の女のコが質問を始めた。
「お兄さん、衛ちゃんのこと、どう思ってるんですかぁ?」
「衛のこと? そうだなあ・・・」
別の女のコが、お風呂場の外で録音を始める。後で衛に聞かせようというのだろう。
「みんなに比べたら、かなり子供っぽいよ。」
「それってぇ、ガキってことですかぁ?」
「うん、それそれ!」
お風呂場にどっと笑いが起こる。更に質問は続いた。
「あのぉ、衛ちゃん、お兄さんのこと異性として好きだって、知ってましたぁ?」
「え? なにそれ?」
女のコたちがみんな、ニヤニヤとしながら兄をみつめる。
「衛ちゃん、学校でいつも『あにぃとキスするんだ、結婚するんだ〜』って言ってるんですよぉ〜!」
真っ赤な嘘。衛は心の中ではそう思ってはいても、決して他人の前で兄への気持ちを明かすことはなかった。
「ほんとなの、それ? 気持ち悪いなあ」
兄の本音だった。もちろん、普通ならそう思うだろう。
「そうですよねー、きゃはは!」
女のコたちが質問を終え、また笑い出した時だった。
「うっ!?」
突然、兄の身体がビクンと跳ねる。一番敏感な部分を、誰かが触ったのだ。
「か、可憐ちゃん!?」
すっかり上を向いた兄のチOポを大事そうに撫でていたのは可憐だった。
「オチンチンって、エッチするとき使うんでしょ? こないだビデオで観た〜!」
「あ、一緒に観たよね、それ。ひひひ、お兄さん、気持ちイイんでしょぉ!」
周りの女のコたちが彼を茶化す。兄は必死に否定したが、しかしその否定もそう長くは続かなかった。
「はぅっ!?」
チOポの先端を、生暖かくそして湿っているような、不思議な感覚が包み込んだ。
「はん、んむ・・・」
可憐が細い眼で先端をみつめながら、舌をめいっぱい出してそれにからませる。そのまま可憐は兄のチOポを呑み込んでしまった。
「きゃーきゃー! 可憐ちゃんってば、すごぉい!」
「お兄さん、よがっちゃってカワイー!」
じゅぽっ、じゅぷっ、じぷっ!
「す、すごい音ぉ・・・」
女のコたちが見守る中、可憐は丁寧に、ゆっくりとしかし強くチOポを吸い上げた。そのたびに兄は吐息を漏らしてしまう。
「か、可憐ちゃん、ダメだよ・・・やめなさい」
「あ、お兄さんってば、ガマンしてる!」
必死になって快楽を感じまいとする兄。しかし周りの女のコの無邪気な言葉が、彼をより快楽へと滑りゆかせる。
じゅぷ、じゅぷ、じゅぷっ!
「ん! んむ! んう!」
可憐が徐々にスピードを上げる。舌が上手に動くことはなかったが、加減がわからず必要以上に唇でサオを締め上げ上下したことがよい刺激をチOポへと与え続けた。
「可憐ちゃん、頑張って!」
「お兄さんもすごい顔して頑張ってるよ、ファイト!」
更にチOポを大切そうに頬張る可憐の顔が、兄の欲望を煽り立てた。
「可憐・・・ちゃん、もっと舌、動かしてみて?」
「きゃあああ〜〜〜ゥ」
もっと気持ちよくなりたい。彼の頭はそのことだけでいっぱいになり、可憐に舌の動きを求めた。
「んっ、んんっ、ん・・・」
「はあっ! い、いい、気持ち、いい・・・」
可憐の頭を両手で撫でながら、兄はチOポにおくられる刺激に集中した。そして間もなく、絶頂の影が忍び寄ってきた。
「はあ、はあ、はあ! か、可憐ちゃん、イっちゃうよ!」
がしっと両手でチOポを含んだ可憐の頭を股間へと押しつけ、彼は可憐のノドに先端を直接当てるようにして精液を発射した。
「! っ!」
可憐が一瞬、大きく眼を開いた。突然の熱い液体にビックリしたのだろう。
「オシッコじゃないよ、精液って、いうんだ。可愛い女のコがそうやってくれると出ちゃうんだよ。」
兄は可憐の顔を股間に押し付けたまま、放そうとしまい。
「汚くないから、呑んで?」
可憐は眼を閉じ、喉をうごめかした。
ごくん・・・ごく・・・
何かが可憐の喉を通ってゆく。兄はその様子をまじまじとみつめると、ようやく可憐の頭を解放した。
「きゃーきゃー! お兄さん、エッチー!」
「可憐ちゃんってば、きゃ〜〜〜〜〜ゥ」
沸き立つ風呂場。兄はこれ以上彼女らと共にいるともっと凄いことをしてしまいそうだったので、彼女らに帰ってもらうよう言うのだった。
「あ、ごめん。夕飯の支度、しなくちゃいけないんだ。」
「え〜? あ、じゃあ私たち、手伝っちゃいますぅーゥ」
「でも、君たちのご両親も心配するだろう? また来てもいいから、今日は帰ってくれる?」
さすがにクラスメートの兄というだけの彼に迷惑をけるわけにもいかない、と思ったのだろう。女のコたちは服を着て、次々と玄関へと集まった。兄も服を着て彼女たちを追う。
「お兄さん、また遊びにきちゃいますね!」
「うん、いいよ。でもその時は、先に連絡しておいてね。いないかもしれないから。」
「はぁーい。それじゃ、おじゃましちゃいました〜☆」
女のコたちがダンゴのようになって帰っていく。しかし兄は、その中の一人、可憐だけを引き止めた。
「なにかななにかな、お兄さん、アヤしいよね〜。」
「可憐ちゃん、先に行ってるね。うふふ☆」
女のコたちの興味のまなざしが消えたところで、兄は可憐に言った。
「ねえ、よかったら今度、一緒にデートしない?」
「あ、あの、私、小学生なのに・・・いいんですか?」
「小学生なんて、関係ないよ。僕はロリコンって言われても気にしないから。」
小学生でも関係ない、そう言ってくれた兄に、可憐はますます惹かれた。
「は、はい。ぜ、是非!」
そして兄もまた、可憐に惹かれたのだ。
二人はデートの約束をすると、その日はそのまま別れた。それから数分後、衛が帰ってきたのだった。
・
「あにぃ・・・ひぐっ、あにぃ・・・」
泣きながら帰ってきたのだろう、衛は顔をぐちゃぐちゃにしたまま玄関をくぐり、兄のもとへ向かった。何十回もの挿入により衛の股間は感覚を失い、歩き方はぎこちない。それでも必死に、衛は兄がいる筈のキッチンへと向かった。
「ああ、おかえり、衛」
どことなく機嫌のいい兄が衛の帰りを迎える。今日の夕飯はてんぷらのようだ。
ジュジュー・・・
「おそかったね。」
衛の方を見ることなく、てんぷらを揚げながらそう言った。衛は兄の側により、抱きつき、その胸の中で泣きたかった。しかし以前てんぷらを揚げている時に抱きついてものすごく怒られたことがあったので、衛はそのままテーブルについた。
「ああ、そうだ衛。」
「なぁに? ひっく、あにぃ・・・」
てんぷらを揚げる音が、衛の嗚咽を覆い隠す。兄は衛の泣き顔に気付くことなく、言い放った。
「衛は僕とキスしたいとか、結婚したいとか考えてるようだけど・・・」
「えっ、あにぃ、どうしてそれ・・・」
「そういうことは気味が悪いからやめなさい。」
気味が悪い。その言葉が何度も衛の頭の中を往復した。
「あ、あに」
「お皿出して。もうすぐできるよ」
衛は混乱しながらも、食器棚から皿を出そうとした。その時衛は、流し台に置いてある大量のグラスに気がついたのだ。
誰かが来た。衛があんな目に遭っていた時、兄はここで誰かと楽しくジュースを飲んでいたのだ。
しかし、衛を追いつめるモノはそれだけではなかった。食事中は兄に小さな恋人ができたことを知り、翌日はクラスメートの女のコたちに兄の本音を聞かされ、そして放課後、男のコたちにまた呼ばれていってしまうのである。
「昨日のこと話したらさ、みんなもやってみたいんだって。」
「いいでしょ、衛ちゃん?」
衛が断る間もなく彼らは衛を連れ、再び旧校舎へと向かった。
ちょうどその頃、兄は可憐に会いに学校の前に来ていたのだった。