捨て犬ヨーコ様

「ぐふっふぅ〜!」

 いつとも知れない時。どことも知れない小さな部屋。窓のないところをみると地下だろうか。小さな電灯だけが部屋の中を照らす。その部屋の中には一人の男と、吊るし上げられた少女がいた。

「ひくっ、あにぃ、たすけて・・・・」

 少女の名は衛といった。ショートカットでスポーツが大好きな、元気な女のコ・・・の筈だった。しかし今、衛は両腕をそれぞれ荒縄で縛り上げられ吊るされ、身動きできない状態にいた。相当長い間そうやって縛られていたのだろう、強く縛られた腕は変色し、首から脇にかけて大量の脂汗が流れている。

「あにぃなら、ここにいるじゃないかぁ〜い・・・ぐふっ。」

 目をそむける衛の顎を抑えその顔を覗き込む男。邪悪な笑みを浮かべたこの男は本名を明かすことなく、かわりに「G」と名乗るだけだった。

「違うよぉ、ボクのあにぃはそんな・・・うっ!」

 Gがぐいっと縄を引っ張る。腕がより強く締められ、衛が苦痛の声を漏らす。

「たすけてよぉ、あにぃ・・・あにぃ!」

 かすれた声ながらも、必死に兄を呼ぶ衛。だが、いつまでたっても兄が来る気配はない。残酷な現実がそろそろ衛の心を侵食し始めていた。

「君のお兄さんはねえ、君が邪魔だから僕に押し付けてきたんだよ。」

 淡々とそう言いながらGが衛の身体に左手を伸ばす。そしてまだ満足に膨らんでいない衛の胸の先端を片方を、強くひねり上げた。

ギュウウウ!

「痛い! やめて、やめてよぉ!」

 衛が身体を廻してGの手から逃れようとする。しかし腕が縛られている為に思うように身体が動かず、ひたすらに乳首をつねられる。

「ぐふっ、君はねえ、他の妹たちに負けたんだよぅ。彼は自分が可愛いと思った妹以外は皆僕に押し付けてきてねぇ・・・ほぅら、その隅をみてごらん。」

 Gが乳首を離して衛の頭を掴み、部屋の一隅へと衛の顔を向ける。

「ひっ、雛子ちゃん・・・!?」

 灯かりがほとんど届かない場所に、もう一人少女がいた。衛以上に幼い顔と身体をした雛子は、裸の状態で部屋の隅に横たわっていた。

「雛子、聞こえるかい?」

「は・・・い、おにい、たま・・・」

 かろうじて聴き取れる程の声で、雛子は答えた。

「雛子、君の大好きなお兄ちゃんは、誰のことだぁ〜い?」

「ひな、このおにいたまは、おにいたま、ですぅ・・・」

 そう言いながら、弱々しい腕を上げGを指差す雛子。

「そんな、雛子ちゃん、違うよっ! ボクたちのあにぃはこんな奴じゃないよぉ!」

ぐいっ!

 Gが衛の顔を引き寄せる。そして鋭い眼で衛の瞳を睨み貫き、低い声で言った。

「お前は捨てられんだよ、あいつにねぇ! だからこれからは、僕が新しいお兄ちゃんになってやろうじゃないかぁ〜い!」

 ウソだ。衛はただ、Gの言葉を疑った。あの優しい兄が、こんな男に自分のことを渡す筈がないと。その時、部屋に備えつけてあった電話が鳴った。数回ベルが鳴った後、電話から声が聞こえてきた。

「やあミスター、いるかい?」

「なんだキミかぉ、どうしたんだい?」

 衛にとって、それは聞き覚えのある声だった。おそらく受話器を取らずとも会話できるのだろう、Gは衛の側に立ったまま応対した。

「兄チャマーっ、誰と電話してるんデスか???」

「兄くん・・・ご飯が冷めてしまうよ・・・」

 電話の向こうからいろんな声が聞こえてくる。

「ごめんね、すぐ済むから。・・・ミスター、ナンバー6とナンバー12も頼めるかい?」

「ああ、鞠絵くんと亞里亞くんだね。ふっふっふ、勿論オーケーさ。」

 交渉。衛たちの兄は妹たちをふたつの類に分けていた。側にいて欲しい妹と、必要ない妹に。そして衛は、必要ない妹として扱われていたのであった。

「じゃあ、あにぃがあの時ボクに微笑んでくれたのは何だったの・・・? どうして四葉ちゃんや千影ちゃんは今もあにぃとご飯食べてるのに、ボクはこんなところにいるの・・・?」

「そうだねぇ、非道い奴だ。だから今度は、僕がお兄ちゃんになって衛を可愛がってあげるよぉ〜、ぐふっ!」

 再び衛に手を伸ばすG。その愛情を感じさせない彼の手が、衛を更なる恐怖へと追いやった。

「いやっ、来ちゃやだ、やだぁ・・・!」

「ぐふっ、いいのかぁ〜い? じゃあ衛は、もうお兄ちゃんがいらないんだねぇ〜?」

 Gが手を納め、衛から離れ出す。

「えっ、あ、その・・・」

「奴は君のお兄ちゃんであることをやめたんだ。だから今、君は一人なんだよぉ衛ぅ〜。このまま君が一人でいるっていうのなら、僕は邪魔したりしないよぉ〜。」

 衛には兄がいた。世界で一番愛すべき人が。自分の支えとなる者が。

「やだっ、あにぃがいなくなったら、ボクはぁっ!」

 泣きじゃくる衛。極限状態まで追いつめられ、そこでGに提示された安息に彼女はしがみついてしまった。これも、Gがある程度予想してのことだった。

「じゃあ、僕が君のおにいちゃんになってあげるよ、衛ぅ〜!」

 Gがゆらりと衛の前に立つ。

「ほぅら、僕のことをお兄ちゃんって呼んでごらん?」

「あ、あにぃ・・・あにぃ〜!」

 衛は必死に彼をあにぃ、と呼んだ。そうすることで、彼女の心は安息を得たのだ。Gは彼女の言葉に少しばかり酔うと、衛の頬に手をさすらせながら彼女に言った。

「でもぉ、僕の言う事聞かなくちゃお兄ちゃんにはなってあげないからねぇ〜? ぐふっ。」

「うんっ、ボク、なんでもするよっ! だからボクのあにぃでいてよぉ〜!」

 腕を縛られていることも忘れ、衛が明るい声を出す。Gはようやく、彼女の縄を解いてやった。衛の腕はそれでも色が戻らず、衛にとっても腕の感覚がまだ戻ってはいなかった。

「じゃあまずは、コレをしゃぶってもらおうかなぁ、ぐふっ。」

 Gは服を脱ぎ、完全な裸体となった。股間に生えた巨大な大砲をみて、衛が驚愕する。

「あ、あにぃ・・・?」

「オチンチンをしゃぶりなさい、衛ぅ〜。」

 さあ、といわんばかりにGが腰を前に出す。だが、しゃぶれと言われて素直にしゃぶれる筈もない。

「い、いやだよ、あにぃ・・・」

「ふぅーん、じゃあ君は僕の妹なんかじゃないね。別の妹に頼むことにするよ、雛子!」

 妹じゃない、衛は兄にそう宣言されてしまった。ようやく手に入れた安息が崩れてゆく。そして衛にかわって呼ばれた雛子が、四つん這いになってゆっくりとGぼ側に近寄り、餌を与えられた犬のようにGのチOポを呑み込んだ。

「ぐふっ! 雛子は素直だね、僕の妹は雛子だけだね!」

 雛子がチOポを咥えたまま、舌を外に出す。ねちゃっ、と嫌な音を立てながら雛子の舌はGのチOポの下の面を往復した。

「はっはっはっはっ、まるで犬だね。そうだ、可愛い雛子にはいいものをプレゼントしてあげるよぉ〜、ぐふっ。」

 Gが足元から何やら拾い上げ、雛子の頭に被せる。下に垂れた動物の耳、仔犬の耳だった。

「んふぅ・・・んぱぁ」

 雛仔が顔を赤らめ、より懸命に兄のチOポをシゴく。喜んでいるのだ。その様子をみて、衛も雛子が羨ましくなってきた。

「あ、あにぃ、ボクもするよ!」

「ぐふっ、じゃあ衛、続きをしてごらん?」

 Gは雛子の身体を無慈悲に払いのけると、雛子の唾液で鈍い光を放つチOポを衛の顔へと近づけた。衛が恐る恐る舌の先をその先端に触れさせる。

「ぐふっ、いいねぇ〜!」

 衛がようやくチOポを呑みこんだところで、Gは衛の頭を両手でしっかり支えた。そして力づくで衛の頭を前後させる。

じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ!

「ん―――! んんん―――!」

「衛の頭は小さいから使い易いよ〜、ぐふっ!」

 衛の瞳から大粒の涙がこぼれる。そして少しでも歯を立てると

バシィン!

 と頭を叩かれ、お前なんか妹じゃないと言われた。衛はひたすら、兄のこの行為が早く終わることを望んだ。

「ふぅ、まだまだだねぇ。よし、衛のもっと狭いところに入れるとしよう。」

 GはチOポを衛の頭から引き抜くと、衛に四つん這いになってお尻をこちらに向けるように指示した。衛はようやく事が終わったと思い、素直にその指示に従った。

「おまんこはまだ短そうだから、たまにはこっちにしてみようかなぁ。」

キュウウゥ!

 Gが指で衛の後ろの穴を広げてゆく。

「あ、あにぃ!? なにするの・・・あぁっ!」

 衛が制止する間もなく、GのチOポが衛のアナルに侵入してゆく。

「ぐふっ、こっちは行き止まりなんてないからね〜、アナルがあってよかったねえ衛ぅ!」

「痛い、痛い痛い!」

 開ききった衛のアナルからは、滲む様に血液が流れ出した。GのチOポも伝って、二人の脚にその血液が這ってゆく。

「ん〜、とっても具合がいいよ、衛ぅ!」

 ずちゅっ、ずちゅっとチOポを出し入れしながらGが歓喜の声を上げる。しかし衛はただ叫び声を上げるのみだった。

「痛い、痛いよ、止めてよあにぃ!」

 床に上半身を倒し、Gの責めに歯を食いしばる衛。

「はっはっはっは、何言ってるんだい、衛ぅ。お兄ちゃんを気持ちよくさせるのは妹の務めだよぉ?」

「え・・・あにぃは、気持ち・・・いいの? ぐっ!」

 衛にとって、兄がこの行為を気持ちいいと言うのは心外だったのだろう。

「ああ、そうさ。お兄ちゃん、今とっても気持ちいいんだよぉ? ・・・それに、衛もがんばれば気持ちよくなれるんだよぉ〜!」

 ずぶっずぶっと音を立て、血液やら何やらわからない液体が衛のアナルの入り口で作りだされる。

「あにぃ、ボク、がんばる・・・よぉ、あにぃ!」

 衛が必死に叫ぶのを耐え、黙り込む。

「素直な衛は大好きだよ。」

 兄のその言葉が、衛に大きな安らぎを与えるのだった。

   ・

「鞠絵ちゃんはまだかなぁ〜、ぐふっ・・・ぐふふっ!」

 亞里亞、と呼ばれる少女を後ろから貫きながら、Gは連絡を待っていた。この亞里亞という少女もまた、実の兄に必要ないとしてGのもとにおくられた少女だったのである。順番にして、衛の次に来たもが彼女だった。

「あにぃ・・・」

 めずらしく、衛が兄を呼んだ。既に行為の最中にしか言葉を発しなくなった衛がだ。

「どうしたんだぁい、衛ぅ〜?」

「あにぃ、ボクは、ボクの番はもう来ないの?」

ビシッ!

 近づこうとする衛を、Gが手をあげる。

「僕も忙しい身だからねえ、この次に来る鞠絵ちゃんを可愛がってから、また可愛がってあげるよ。」

 衛の方をみることなく、亞里亞のお尻に視線を集中させてGは言った。その直後、衛は・・・

トスッ

「ぐっ、ぐふっ、衛、何を・・・」

 鋭いナイフがGの脇腹をえぐる。

「おまえなんか、ボクのあにぃじゃない・・・!」

ザシュッ!

 深く刺さったナイフを一気に振り上げる衛! Gは亞里亞と結合したまま、亞里亞の背中へとどさりと倒れた。

「兄や、どうしたの〜? 兄や、動いてくれなきゃ亞里亞、亞里亞ぁ〜」

 物言わぬ兄に言葉をかける亞里亞を背に、衛は数週間ぶりに外へ出た。

「あにぃ、ボクのあにぃ、どこにいるのぉ・・・?」

 既に深夜。衛は一糸まぐわぬ姿だったか、暗闇が彼女の放浪を他者から守った。衛はそのまま、街の灯の届かない公園へと入ってゆく。

「オイ、あれみてみろよ。」

「うっひゃ、なんだあの女?」

 公園の暗闇に潜んでいたホームレスたちがふらふらと辺りをうろつく衛を発見する。彼らにとって、女の肉壷などまず手に入れられない物。彼らは一気に衛を更なる闇に引きずり込んだ。

「ひゃあー、可愛い娘っこじゃなー!」

「げひひひ、誰が始めにイくんだ?」

「こいつ、もうチOポ出してるよ! ひゃはは!」

 ホームレスたちの無数の手が衛の肌を覆い隠す。しかし衛は抵抗することなく、ただ男達に質問するのみだった。

「ボクの・・・あにぃは・・・どこにいるの?」

「あん? 兄貴? へっへっ、なら、おいらたちが新しい兄貴になってやるぜぁー!」

 ホームレスの一人がそう言うと、衛は微笑んだ。他の男達も口々にそう言う。

「オレっちもきみのお兄ちゃんになってやるぜっ!」

「ワシもお兄ちゃんになってあげようかのぉ。」

 更に微笑む衛。

「わぁい、あにぃがいっぱいだぁ〜・・・これだけいたら・・・選べるよね。」

 ホームレスたちは、彼女の最後の言葉にもっと気をつけるべきだった。しかし彼らの頭には、最早目の前の衛を使って射精することでいっぱいだった。

「ほぅら、第1号!」

 ズブブブッと1本のチOポが衛の膣に侵入する!

「ワシだって負けんぞっ!」

 更にアナルにもチOポをつきたてられる。

「おお、アナルが随分広がっとるぞー。」

 Gの度重なる調教が、衛の身体を肉棒を受け入れ易い物へと変化させていた。そして下半身に初めて二本のチOポを挿し込まれた衛が身体をビクンとはねさせ、

「あにぃ、すごいよあにぃ! オチンチンがふたつもあるなんて、すごいよぉ!」

 と叫びながら下半身を動かした。チOポ二本で固定されてるにもかかわらず、衛の腰が大きく動く。

「おおー、慣れとるぞ、この娘、はぁあ!」

「フェラチオも上手いんだろ? ほらよっ!」

 別の男が衛の口にチOポをぶち込む。衛は

「はひぃ、はにぃ!」

 と声にならない声を漏らしながらも懸命にそれをしゃぶり続けた。

「もう1本! もう1本!」

 男達が口を揃えて言い、また別の男がチOポを衛の顔に近づける。衛は両手で咥えていたチOポと新しいチOポを束ねると、二本同時にその先端を舐め上げた。

「はぁ〜、たまらん! この娘、どこで開発されたんじゃあ!?」

「もう、ダメだっ、出る、出ちまうッ!」

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン!

 次々とチOポが限界を迎え、溜まるに溜まった精液を発射する。衛の口も膣もアナルも、すぐさま精液を溢れさせるようになった。

「次はおまんこ! おまんこさせろ!」

「あ〜もうみてらんねえ、オレ、このコの脚舐めよっと!」

「はあ〜、イクっ、イクっ、イクってばよぉ―――!」

 宴はそれから数時間に渡って続いた。

   ・

 翌日。その公園にはたくさんのパトカーが止まっていた。多くの警官が忙しそうに行ったり来たりしている。そう、昨夜、この公園で恐ろしい事件があったのだ。多くのホームレスたちが鈍器で殴られ、1箇所に重ねるようにして殺されているのが今朝早くに発見された。警察たちは付近への警戒と犯人の追跡を行なっているが、ホームレスの身元のほとんどが不明であったりする為、追跡に至ってはほぼ迷宮入り間違いなしだった。

 

「あにぃ、あにぃ・・・」

 一人の少女は今も兄を求めてさまよっている。

「あにぃ、どこなのぉ? 迎えに来てよ、あにぃ・・・」

 彼女がその後、望む兄に巡り逢えたのかどうかは定かではない。

 

 




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