コポコポ・・・コオンッ
ししおどしの音が夜の闇を透き通る。十五夜の満月に一皿のようかん。
「兄君様、はい。」
それに春歌がたててくれたお茶が加わる。少しばかり肌寒い秋の縁側。熱いお茶が恋しくなっていたところだ。
「じゃあ、頂きます。」
僕は湯飲みを2回ほどまわすとちょん、と口をつけた。漆黒の前髪の向こうに、春歌の瞳が覗いている。
「美味しいよ、春歌。」
「本当に? よかったですわ。」
お茶はちょっとばかり苦みが強かったが、これから食べるようかんのことを考えるとちょうどよい気がした。僕はお茶を置き、早速ようかんをひとかけら口に頬張った。
「晴れてよかったですね、兄君様。」
春歌がそう言って月を見上げる。空には雲ひとつなく、いくつかの星までがくっきりと見えた。
「そうだね、綺麗だ・・・」
僕と春歌は二人して無言のまま、しばらく空を見上げていた。時折吹く風が縁側にいる僕と春歌を優しく撫で、お茶のゆげをさらっていった。
ズ・・・
春歌が静かにお茶を飲む。それでも彼女の瞳は月に釘付けだった。腰まで十分に届く程でありながら丁寧に手入れされた黒い髪。力強く月をみつめるりりしい瞳。そして肢体を包む白い浴衣。春歌は全身で月の光を受け止め、さもかぐや姫のように輝いて見えた。
「兄君様・・・?」
「あ、いや、なんでもないよ。」
僕の視線に気付いたのか、春歌がこちらに振り向いた。真っ直ぐ、長く伸びた髪がひるがえる。僕は適当にごまかしつつ、頭上の月へと眼を遣った。
「月、か・・・」
今宵の月は見事なまでに輝いていた。さすがに日本の空では月以外の星はほとんど見えないが、月だけははっきりと観ることができた。日本人が昔から親しんだ夜の光。これほど純粋にただ綺麗なだけの月を、どうして西洋の人は不吉だというのだろう。
月をみつめればみつめるほど、その円に吸い込まれてゆく気分になる。・・・そして、それが異常だと気付いたのは、間も無くのことだった。
「・・・・・?」
僕は再び春歌の方を見ようとしたのだが、身体が動かない。いや、動かないのはおそらく視線だ。僕の視線は完全に月へと縛りつけられ、顔を横に向けることができない。明らかにおかしい!
「は、はる・・・か・・・」
必死に春歌に助けを求めようとしても、はっきりとした声がでない。いや、声が出ているのかどうかも最早わからない、そんな気分だった。先程まで感じていたはずの茶の香りはピタリと感じられなくなり、縁側に座っているという感覚が下半身から薄れていった。ただはっきりしているのは視界、月を中央に見据えた僕の視界だけがただ、確実だった。
「兄君様、毎日お月様がこんな風に観れたらいいですね。」
春歌はまだ僕の異変に気付いていない様子で、月を称える。しかし、今の僕にとって月はこの上もなく恐ろしい物となっていた。
眼を逸らすことができない。眼を閉じることもできない。何かに強制されるように、僕は月を見つめ続ける。最早まばたきもできない状態で、僕の眼は次第に乾いていった。そこへ、月から一粒の光が落ちて来た。
「!」
光の粒はふたつに分かれ、僕の両目に入り込んだ。間近で一瞬観たその光は、銀色の雫のようだった。まるで目薬のようにそれは僕の瞳の上に広がり、僕の視界をしばし闇に包んだ。
・
「春歌、月は・・・綺麗かい?」
誰かが僕の妹にそう語りかけた。その声は直接頭の中に響いてくる、まるで僕自身が喋った時のように聴こえた。けれど、僕の視界には春歌以外に誰も映してはいない。
「はい、どんなに観ていても全然飽きませんわ。」
春歌は僕の方を向いてそう答えた。何かがおかしい。さっきから僕の身体は僕の意思とは違った動きをしているようだ。そして今、僕の意思とは無関係に僕の口は春歌と話している。そうなんだ、今僕の身体を動かしているのは、僕じゃないんだ!
「春歌、こっちへおいで。」
「えっ!? い、いいんですの? では・・・」
僕の身体は春歌を招き入れ、春歌の肩に手をまわした。春歌の顔がわずかに赤く染まり、顔を下に向ける。それから春歌は体重を僕の身体に寄せてきた。
「春歌、捕まえたよ。」
「兄君様?」
僕の身体は春歌が腕の中で安心しきったのを確認すると、突然春歌の身体をぎゅうぅと締めつけはじめた!
「はっく! あ、兄君様、どうし・・・痛い!」
春歌の華奢な身体が僕の両腕に締められてゆく。しかし僕の身体は春歌を締め続け、春歌は両手両脚をひたすらにバタバタさせた。あまりに激しい動きの為、春歌の浴衣がみるみるずれていってしまう。そして春歌の肩が完全にあらわになったその時だった。
ビクン!
僕は自分の下半身になにやら脈打つのを感じた。間違いない、僕のアレがどんどんと大きくなっている! 僕はこれから僕の身体がしようとしていることに恐怖し、全身全霊の力を込めて僕の身体に抵抗を試みた。しかし全身全霊の「全身」は、既に僕の意識の元にはないのだ。
「兄君様、やめて! 痛い!」
僕の身体はもがき苦しむ春歌を締めつけたまま、春歌を押し倒した。そして春歌の身体に体重をかけて抑えつけながら、左手で春歌の顔を上へと向ける。それから僕の身体は春歌の顔を真上から覗き込んだ。そして僕の瞳が一瞬曇り、間も無く一粒、ニ粒の銀色の雫が僕の瞳から春歌の瞳へと注がれた。
「きゃっ! あ、兄君様・・・?」
僕の身体はようやく春歌を解放した。しかし、春歌はなかなか動こうとしない。
「あ、兄君様、腕が、腕が動き・・・動きません!」
春歌は真っ青になり、顔を右に左に振る。さっきの雫の影響だろうか、春歌の両腕はピクリとも動かず、だらんと横たわっていた。
「兄君様、わたくしの腕は、腕は・・・!」
春歌が瞳に涙を浮かべ、僕の顔を見上げる。腕が全く動かないということがよほどの恐怖となっているようだ。僕は、いや僕の身体は怯える春歌に手を伸ばし、浴衣をはぎとった。
「い、いやあああ!」
動かない腕と僕の行為に恐怖を抑えきれなくなったのか、春歌が絶叫した。しかし、だからといって誰かが助けにくる訳でもない。僕の身体は春歌の浴衣をとると、浴衣と同じく真っ白な春歌のパンティを手にとった。
ビリビリリッ!
パンティの中央にラインを引くように、大きな裂け目がひとつ出来あがった。春歌のアソコが隠れることなく見える。僕の身体は春歌の下半身を持ち上げ僕の身体に寄り倒すようにして固定すると、春歌のおまんこを両手でで力いっぱい広げた。
「いっ、いやあぁ、痛い! 痛い!」
まだ経験のない春歌のおまんこに数本の指を入れ、思いきり外に広げる。綺麗なピンク色をした春歌のおまんこの入り口はぎゅうぅと伸び、膣内の肉をみることができた。すると僕の身体は春歌のおまんこから右手を離し、さっきから置きっぱなしにされていた春歌の茶器へと手を伸ばした。
コポコポコポ・・・
「ひっ、あっ、熱いっ!」
茶器を持ち上げた右手は、その中に残っているお茶を春歌のおまんこへと注いでいった。大分冷めた筈だが、まだ人の体温よりはずっと熱い。お茶は春歌のおまんこへと正確に流れ込み、間も無くおまんこからお茶が溢れだしてきた。幾筋ものお茶の線が春歌の身体を伝ってゆく。
「美味しいお茶はこうやって立てるんだよ、春歌。」
「いっ、や、やめて・・・兄君様!」
僕の右手は茶器をその辺りに置き茶を立てる刷毛を掴み取ると、それを一気に春歌のおまんこへと沈めていった。
ブチチッチチッ!
「あああああ―――――っっっ!!!」
刷毛が入った分おまんこからお茶がこぼれてゆく。そのこぼれてゆくお茶は、すぐにも赤く染まっていった。刷毛の侵入で春歌のおまんこからはほとんどお茶が無くなってしまったが、しかし、僕の右手は構わず刷毛を動かしはじめた。
グリ、グリ、グリリ・・・
「痛い、痛っ、あぁあっ!」
春歌のおまんこの肉が邪魔し、シャカシャカとはいかない。スピードも非常にゆっくりだ。それでも、僕の右手はひたすら速く、速く動かそうとする。
グリグリグリグリ!
「うああっ! あっ! あぁう!」
スピードがどんどん速くなってゆき、春歌のおまんこから赤い液体が溢れ出す。
「いいお茶ができそうだよ。春歌、味見させてあげるよ。」
僕の右手はちまみれになった刷毛をおまんこから引き抜くと、それを春歌のうっすら開いた口へと押しこんだ。
「んー! んんんーっ!」
「ふふふ、美味しいかい?」
春歌は刷毛を吐き出そうと必死になってもがく。しかし僕の右手が刷毛を更に奥へと押しこんでゆく。
「おっと、これではお茶が立てられないな。じゃあ、もう1本の刷毛を使うとしよう。」
僕の身体は春歌を寝かせると、左手でズボンをおろしチOポを取り出した。既に勃起しきったチOポはまっすぐに春歌のおまんこへと近づいてゆく。
「んんー! んんん!!!」
「よし・・・ん・・・はっ、はぁあ!」
先程の刷毛によって程よく広がった春歌のおまんこは容易くチOポの侵入を受け入れた。おまんこの中の肉がさきっちょを擦り、下半身から一気に力が抜けてしまいそうな、痺れるような快感が僕の中を走り抜ける。
「んっ! んんっ! んんんー!」
春歌は刷毛を咥えながら苦悶の表情を浮かべている。それでも僕の右手が刷毛を離すことはなく、チOポが抜かれることはなかった。
「良質の茶器だよ、春歌は・・・んっ!」
ヌルヌルした肉の壁がチOポをさきっちょから根本までぎゅう、ぎゅうと締めつける。良質の茶器・・・その言葉が何度も僕の頭の中を横断する。
「は、春歌・・・春歌!」
いつしか「僕」は春歌の名を呼びながら、おまんこの中でチOポをかきまわしていた。チOポを動かす度に春歌のおまんこは引っ張られ、春歌が んっ、と声を漏らす。僕は春歌がもっともがく姿をみてやろうと、刷毛を更に押しこんでやった。
「ん、んっ、ん、んん!」
「春歌ぁ、はぁ、春歌ぁ!」
チOポの感覚がどんどん麻痺し、抑えられなくなる。絶頂はすぐそこにまで近づいていた。
「はっ、はっ、はっ、春歌、もう、出そうだ!」
「ん―――! ん―――!!!」
春歌が全力で抵抗しようとする。しかし両腕は動かず、下半身は僕に責められ動かせない。春歌のできる抵抗とは、ただ首を左右に大きく振り涙を流すことだけだった。
「はぁー! はぁ、はああ―――!!!」
「ん――――――!!!!!」
ドルン、ドルン、ドルン!
とうとう僕は果ててしまった。僕の欲望が春歌の中へと注がれてゆく。その時、僕ははじめて身体の自由が戻っていることに気が付いた。
「う、うあ、は、春歌・・・?」
僕はチOポを引き抜くと、恐る恐る春歌の口から刷毛をとりだした。しかし春歌は何も語らず、一瞬僕を鋭く睨み、顔を逸らしてしまった。
「あ、僕は、違う、違うんだよ春歌・・・」
僕は春歌に必死に説明しようとした。しかし春歌は全く聞こうとしない。僕は仕方なくその場を去ることにした。
ふと気付くと、月はいつのまにか厚い雲で覆われていた。
・・・これで・・・一人目だね・・・
まだ・・・始まった・・・ばかり・・・
安心して・・・みんながいなくなっても・・・
・・・私だけは・・・側にいるから・・・
・・・兄くんの妹は・・・私だけ・・・