こっそり、こっそり・・・
足音を立てないようにして僕は台所の調査に向かった。胸のポケットにメモ張とペンを忍ばせ、左手に四葉に借りたルーペを握る。このルーペに何か意味があるのかはわからなかったけど、四葉が言うには「調査には絶ぇっ対必要デス!」と言って僕に手渡したのだ。
「フン フン フフン♪」
台所ではハミングしながら包丁を操る白雪がいた。いい加減ルーペが邪魔になってきたので僕はそれをズボンのポケットにしまい、台所の白雪に注目した。
紫色の髪を大きな黒いリボンでまとめ、髪の先はかわいらしい渦を形作っている。時々顔を横に向け、可愛い額と瞳を僕の方に向けてくれる。僕は白雪に悟られないように身を潜め、メモ張を取り出した。
(マーボードウフは・・・)
話は一週間前に遡る。
・
「にいさま、できましたの〜!」
白雪ができたてホカホカのお手製ハンバーグをテーブルへと運んできた。
「これ、ハンバーグなの?」
その時の僕といえば一人暮らし故、ハンバーグなんてスーパーで売ってるようなものしか知らなかった。だからお手製のハンバーグがこんな灰色で、こんなにいい香りがするものだとは思わなかった。
「正真正銘、姫特性のハンバーグですわっゥ」
料理好きの白雪がハンバーグだというのだから目の前の丸いものはハンバーグなのだろう。僕は白雪と一緒に席につくと、期待しながらそれを口に放り込んだ。
「・・・・・」
「にいさま、おいしい?」
僕は口に入れたものをちゃんと呑みこんでから答えた。
「・・・すごい、ものすごく美味しいよ!」
まさか手作りハンバーグがこれほどとは思わなかった。ほんのりついた焦げ目がかえってハンバーグの丸みを支え、崩れさせない。そして噛んだ時に歯と歯茎の間をつたってゆく豊かな肉汁。中は外側よりもずっと熱く、やわらかかった。
「ほんとに、これ、白雪ちゃんがつくったの?」
あまりの美味しさと驚きに僕の声も多少あらあらしくなる。白雪は僕のそんな様子に満足したらしく、更にお手製のソースを出してくれた。
「ソースもつくってみたのっ、おためしあれゥ」
そのソースがまたハンバーグの味を引き出すのに十分以上の味を持っていた。ハンバーグの味をそこなわない程度の薄さながらそこまで美味しいソースは、最早素人の僕にはどうやって作っているのか全く想像もつかなかった。
「もうスーパーのハンバーグなんて食べられないよ!」
「うふふ、にいさまったら♪」
手作りの味に感動しながら、僕はふと思った。
(僕もこんなのが作れたら・・・)
そうだ、こうやって自分でつくれたらスーパーで形だけのハンバーグを買うことはない。外食してお金を使いすぎることもない。
「姫、夏休みだから毎日つくってあ・げ・るゥ」
「ほ、ほんとに!? やったあ!」
僕は嬉しさのあまり小躍りした。白雪もそれをみてとても嬉しそうだった。しかし僕の嬉しさというのは白雪の手料理が毎日食べられる、ということだけでなく
(僕も料理を覚えられるかもしれない!)
というのも理由にあった。
・
と、まあそんな訳でこうして僕は毎日白雪の料理を観察している。しかし、こうしてコソコソと観察しているとまるで変な人だな・・・そう考えるとあまりいい気がしなかったので、僕は小声で自分を弁解してみた。
「さすがに兄が妹に料理を教わる訳にはいかないもんな。」
「四葉にはチェキの方法教わったのに?」
「!!!!!」
僕は驚きのあまり出ようとした声を必死におさえた。なんとか我慢したところで後ろを見ると、僕の背中にピッタリとチェキ娘がいた。妹の一人、四葉だ。
「よ、四葉ちゃん、いつからいたの?」
僕はできるかぎり小声で四葉に尋ねた。すると四葉は声をひそめて小さく笑いながら
「一週間前から毎日、四葉もこうしてたデスよ?」
と答えた。つまり、僕が白雪の料理をこっそり観察していた間、四葉はずっと僕の後ろにいたということになるのか? 一週間も気がつかなかったなんて、はたしてそれは四葉がすごいのか僕が鈍感なのか・・・
「兄チャマ、白雪ちゃんに頼んでちゃんと教えてもらうといいデスよ!」
四葉も声を小さくして僕に言う。
「いや、しかし兄としてはやっぱり・・・なるほど、ここでトウフを・・・」
僕は四葉に返事をしつつも観察を再開し、メモ張に書き込んでいった。
「兄チャマ、どうしてここから白雪ちゃんのお料理が見えるデスか?」
今度は四葉が質問してきた。たしかにここから白雪の料理を観察するには白雪の背中が邪魔だ。しかし僕は得意そうな笑みを浮かべて四葉に答えた。
「ふふふ・・・台所の各所にある鏡とこの鈴凛特製携帯望遠鏡(照明つき)のおかげさ!」
「・・・ビデオカメラつくってもらった方がよかったんじゃないんデスか?」
四葉の言葉が僕の心にクリティカる。
「うぐっ、そ、そう言われてみるとそうだな・・・」
言い訳が思いつかず、苦しくなってくる。そこへ更に四葉が追い討ちをかける。
「兄チャマ、四葉思うんだけど、白雪ちゃんからみれば鏡には兄チャマが映ってるんじゃないデスか?」
「あ・・・・・」
どうやら僕のこの穴だらけの計画は失敗したようだ――いや、既に失敗していたようだ。
「兄チャマ、まだまだ甘いデスね。」
僕は呆然としながら白雪の背中を見ていた。
・
「うふふっ! にいさまったら、面白いですの〜!」
夕飯を食べながら白雪は僕の告白を聞いて、箸を持ったままくすくすと笑った。
「毎日隠れて何をしてるのかと思ってたら、そんなことだったなんて。うふふ!」
さすがにこればっかりは笑われて当然だ。最早兄の威厳の「あ」の字もない。僕は潔く、白雪に申し出た。
「白雪ちゃん、お願いだ! 僕に料理を教えてくれ!」
僕は箸を置き、両手を合わせてお願いした。
「う〜ん、でもぉ・・・姫はにいさまに姫の手料理食べてもらうのがいいですの。」
「そ、そんな・・・」
と、そこまで会話が進んだところで、白雪が箸をおいて腕を組んだ。
「それに、姫はちょっと怒ってるの! にいさまったら、姫のことじゃなくて姫のお料理ばかりみてたんだもの!」
白雪が頬をふくらませて顔をぷいっとそむける。
「ご、ごめんよ、白雪ちゃん。」
僕が謝ると、白雪はすぐに正面を向いて
「うふふ、にいさまだから特別にゆるしてあ・げ・る・のゥ」
と言い、ウインクしてみせた。僕は料理を教えてもらえないことに納得できずにいたが、白雪のご機嫌をわざわざ損ねることもないと思ってあきらめ、白雪特製マーボードウフを口に入れた。
・
翌日の夕方頃。いつもなら台所からいいにおいがする頃なのだが、今日は白雪が台所で料理をしている気配がない。白雪が台所にいるのは確かなんだが、つい昨日までこっそり見学していたのがばれているので確認に行く気になれなかった。
「気のせい、だろうな。」
気のせいだ、と僕は自分に言い聞かせ、僕は居間のソファーに横になった。
それからしばらくして、台所の方から声がきこえてきた。
「にいさま、できましたわよ〜!」
夕飯ができたみたいだ。僕はソファーから身を起こすと、食事用のテーブルのある台所へと赴いた。
「・・・え?」
台所に入ったところで、僕の両脚が動きを止めた。
「うふふ、にいさまゥ 今日のは特別、デリシャスですわよゥ」
白雪が真っ白な可愛いエプロンに身を包んで近寄ってきた。僕が驚いたのはここだ。白雪はそのエプロンしか着ていなかったのだ。
「し、白雪ちゃん、その格好は・・・?」
「にいさまってば、そんなにじろじろみないでゥ」
僕の質問にまともに答えることなく、白雪は恥ずかしそうに両手でエプロンを覆いながら今度は離れていった。その際白雪が後ろを向いたので、可愛らしいお尻が見えてしまった。思わず僕の股間に力が入る。
「し、白雪ちゃん、あのさ・・・」
さすがにその格好は、と僕は白雪を諌めようとしたが、白雪は僕の言葉に返事をすることなく、何故かテーブルの上へと登って行った。
「あれ?」
ふと気がついた。テーブルの上にある筈の夕飯が、今日はない。そのかわりにいくつかの調味料と、エプロン一枚の白雪が乗っているだけだった。白雪はテーブルの上で正座をすると、エプロンの裾を握り締めながら僕の顔をまっすぐにみつめてきた。
「にいさま、今日のお夕飯は男の人の大好物ですわゥ」
そう言ってテーブルの上を滑るようにして僕に近づいてきた。そしておもむろにエプロンの紐をゆるめてゆく。
「どうぞ、おためしあれゥ」
僕は白雪のエプロンに手をかけると強引にずらし、白雪の胸をあばいた。まだ発達段階にありながらも吸いつくのに十分なその膨らみに僕の顔はダイブした。そして口を開くがはやいか舌を出し、白雪の左の乳首を舌先で舐めまわした。
「あぁん、にいさまぁ、ちゃんとシロップつけて・・・はんっ!」
白雪は身体をガクガクさせながらも手元のシロップのビンのフタを開け、中に入っているシロップを指先ですくった。それからそのシロップを右の乳首にべちょ、べちょと塗りたくる。僕は今度はそっちを舐めてやろうと思い、一度口を白雪から離した。
「にいさま、あーんしてゥ」
白雪がシロップまみれの胸を僕の顔に近づけてくる。僕は白雪の言う通り口を大きく開け、白雪の右の胸の膨らみにかぶりついた。
「はうっ! はあ・・・あっ、あぁっ!」
僕が舌を擦らせるたびにシロップは広がり、白雪の胸だけでなく僕の唇までもをベタベタにする。それでも僕はひたすらに舐めつづけた。舌とシロップに翻弄されながらも、白雪の乳首が勇ましく、ガッシリとしてくる。僕はテーブルの奥へと手を伸ばし、なにかしらの容器を手に取りフタを開けた。そして中に入ってるものを今度は僕が白雪のシロップまみれの胸に塗ってゆく。
「やあ・・・ん、にいさまぁ・・・」
白雪の大きく硬くなった乳首は、更に別のシロップの重みを加えられたところでまったくしおれることはなかった。僕はちょん、ちょんとその突起物をつついてやると、またそれを口に含んだ。
「にいさまぁ、美味しい?」
「んはぁっ、美味しいよ、白雪ちゃん!」
ボクはすっかりシロップだらけになった舌を白雪のお腹へと運び、おへそにシロップを塗ってやった。そしていよいよボクは白雪の股間へと視線を移す。
「白雪ちゃん、ちょっと待っててね。」
「はぁ、にいさま・・・?」
ボクは自分のペニスをハチミツにビンに沈めた。ハチミツの冷たさがボクのペニスを先端から包み込む。引き抜いたとき、ペニスはたくさんのハチミツを付着させていた。
「白雪ちゃんにも食べさせてあげるよ。」
ボクはハチミツによってかなり重たくなったペニスを根本で支えて白雪の股間に近づけた。
「きゃっ、冷たいゥ」
ペニスの先のハチミツが早速白雪のあそこに刺激を与える。勿論ボクのペニスは今もなおその冷たさの中にあり、それによってボクのペニスはひとりでにビクン、ビクンと跳ねていた。
「白雪ちゃん、あーんして・・・」
「あんゥ にいさまのえっちぃ・・・」
白雪は恥ずかしがりながらも脚をめいっぱい広げ、更に指であそこを広げた。ボクは中が見えるほどに開かれたそこへペニスの先端を突撃させた。
「あっ、あぁっ、やぁん!」
ハチミツのおかげで滑りがよかったのか、ボクのペニスはズブズブと白雪に入っていった。途中わずかな抵抗を感じたが、それも容易く突破できた。ボクはペニスを根本まで入れると、テーブルの上に白雪を押し倒す感じで寝かせた。
「はあ、はあ! おかしいな、食べてるのは白雪ちゃんなのに、なんだか美味しいよっ!」
ボクはペニスを包む快感に夢中になり、よりその快感を得ようとペニスで白雪をかきまわした。ペニスと白雪の繋がっているところからぶちゅっ、ぶちゅっと音を立ててハチミツが飛び出す。時々ハチミツは勢いよく跳び、ボクの身体にまで届いた。
「あぁん、にいさまぁ! にいさまぁ!」
シロップまみれの胸をゆっさゆっさと揺らしながら白雪が喘ぐ。テーブルも白雪の動きに押されてきしむ。そのテーブルがまるでお皿で、白雪はそこに乗っかったメインディッシュのようだった。
「あぁっ! イク、イクよっ、白雪ちゃん・・・もうすこしっ!」
「にいさまっ! ちゃんと、ちゃんと味わってぇ、最後まで! ふあぁ!」
ボクはペニスの動きを急激に加速させ、白雪の腰をがしりと掴んだ。
「し、白雪ちゃん、ごちそうさまああぁっ!!!」
「あっあっあああぁんゥ」
ビルッ、ビルッ、ビルッ・・・
ボクは白雪の中にめいっぱいクリームを発射するとそのまま白雪の身体に重なって倒れ込み、食後のデザートにちなんで白雪のおっぱいを深く咥えこんだ。しばらくは続いていたクリームの発射もやがてゆるやかになり、止まる。すると白雪は身体を上にずらしてペニスを引き抜き、今度はお尻をこっちに向けて言った。
「ふぅ、ふぅ、にいさま、野菜もちゃんと食べてですわゥ」
・
「やっぱり作るより食べるのがいいね。」
一週間後、僕はいつものように白雪に用意された食事を平らげると、ソファーで一服しながらそんなことを言った。すると白雪がお皿を片付けながら答える。
「うふふゥ 姫はそんなにいさまにお料理食べてもらうのが好きなのですわゥ」
白雪はそういって僕にウインクしてみせた。僕は白雪を茶化してやった。
「食べられるのが好きなんでしょ、白雪ちゃん?」
「もぉ〜〜〜ゥ」
白雪は顔を真っ赤にしつつも、棚から取り出したハチミツのビンを頬に寄せてにっこりと微笑んだ。