ワルプルギスの夜寺田龍彦様

 その少女は、舞っていた。

 少女は中央に六芒星のある円を書き、その中で舞っていた。

 二重に引かれた円の線。その間には、意味など到底理解できそうにない複雑な文字と奇妙な紋様がびっしりと書かれていた。

 少女は、拍子を取り、舞に合わせて詠っている。

 少女の透き通った声が闇を震わせていた。

  ――――我は主を求め、幾夜を巡る。

    主の名を誰が知る?主の在処を誰が知る?

    沙羅双樹の根に尋ねとも。

    フォーラントの公子に尋ねとも。

    海を巡り、風を渡り、幾星霜。

    主の名を誰が知る?主の在処を誰が知る?

    アルラウネに尋ねとも。

    時の翁に尋ねとも。

    冷たい闇の真ん中で、白い吐息が溢れ散る――――

 少女は詠い終えると、こちらを向き、一礼する。

 そして少女はただ一人の観客に向け、優しく微笑みかけた。

「やあ・・・・・兄くん、今夜はいい夜だね・・・・・。」

 星一つない夜の下、千影ちゃんは嬉しそうに語りかけてきた。

「ち、千影ちゃん。あ、あのさ・・・ここはいったいどこなんだい?」

 僕は辺り一面を覆う暗闇を見渡し、少し上擦らせ声で尋ねた。

「フフフ・・・・・ここは、『夜』の入り口だよ・・・・・兄くん・・・・」

 千影ちゃんはそう言うと、手を振り上げた。するとつむじ風が巻き起こり、辺り一面には無数の青い蝶々が現れる。

「うっ、うわっ!?ちょ、蝶々・・・青い蝶だ・・・・。」

 綺麗な蝶に一瞬見とれていた僕は慌てて驚きの眼差しを、千影ちゃんの方へ向ける。しかし、そこには千影ちゃんの姿はもうどこにもない。

いったい千影ちゃんはどこに・・・。

「フフフ・・・・・どこを見ているんだい?・・・・かわいい兄くん・・・・」

 どこか楽しげな色を含んだ千影ちゃんの声が僕の背後からする。

僕は声のした方へふり向くと、そこには―――なんと一糸纏わぬ千影ちゃんがいた。

「うっ、うわわわわわわわわわ!!?ち、ち、ち、ち、ち、ち、千影ちゃん!??」

 僕はこれ以上は出ないというほど盛大に絶叫した。そして慌てて後退ろうとしたが、足が絡まってしまい、そのままバランスを崩して、僕の身体は地面に尻餅をつくような格好となる。

僕は今、口の中はどんどん干上がっていくのがわかる。千影ちゃんから早く視線を外さなければいけない、そう思っているのに、僕は千影ちゃんの真っ白な双丘とその頂上にあるピンクの突起、そして淡い蔭りから視線を外すことができない。

「ち、千影・・ちゃん・・・あ、あの・・・い、いったい?・・・。」

僕は上手く回らない舌を懸命に動かして、なんとかそれだけを紡ぎだした。

しかし、千影ちゃんは僕の必死の質問には答えてはくれず、微笑みを浮かべながら、尻餅をついた格好のままの僕に一歩一歩ゆっくり近づいてくる。

ふと気がつくと、千影ちゃんの身体が、僕に覆いかぶさっていた。

「フフフ・・・・驚くことはないよ・・・・兄くん・・・・」

千影ちゃんは僕の耳元で、恋人がそっと愛の言葉を囁くように告げた。

僕は、素っ裸の妹に抱きつかれて驚くなというほうが無理だ!―――と言い返したかったが、舌は上手く回らない。

そんな僕を見て、千影ちゃんはフフッと笑う。そして僕の耳をぺロッぺロッと舐め、甘噛みする。

「あ・・・あ・・・ア。」

突然、脳髄を痺れさせるような快感が僕の身体を駆け巡た。千影ちゃんが僕に刺激を与えるたびに、僕はビクッビクッと身体を震わせた。呻き声を抑えても抑えても溢れてくる。

「・・・・兄くんの耳は・・・敏感だね・・・・」

千影ちゃんはそう言うと、耳をくすぐるように吐息をフッと僕の耳に吹きかけた。僕の身体は再び、ビクッと震えた。

「こ、こんなこと、・・・だ、駄目だ・・よ・・ち、千影ちゃん・・・」

僕はなんとかして千影ちゃんから逃れようと、必死に身体を動かそうとしたが、なぜだか身体がいうことをきいてくれない。

千影ちゃんは、不思議そうな表情を作っている。

「・・・兄くん・・・何が駄目なんだい?・・・」

「な、な、何がって・・・そ、それは・・・僕達は・・・きょ、『兄妹』なんだよ・・・。」

僕は必死になって、その言葉をしぼり出した。

千影ちゃんは、それを聞くと、フフッと笑った。

「兄くん・・・兄妹が愛し合っては・・・いけないのかい?・・・・」

「あ、当たり前じゃ・・ないか!」

僕は目の前の誘惑に負けないよう懸命になって言い返した。

「兄くん・・・『なぜ』駄目なんだい?・・・」

「そ、それは・・・え?・・・ええっと・・・」

僕は半分麻痺しかかっている頭で答えを探そうとした。しかし、答えはなにも浮かんではこなかった。

「兄くんは・・・・私が、嫌いかい?・・・」

千影ちゃんは悲しそうに目を潤ませた。

「ち、千影ちゃんが嫌いだなんて・・そ、そんなことはないよ!」

僕は慌てて否定した。

千影ちゃんはちょっと嬉しそうにし、微笑みを再び浮かべた。

「絶対にかい?・・・兄くん・・・・」

「う、うん。ぜ、絶対に・・」

僕の言葉がすべて紡ぎ出される前に、僕の唇は千影ちゃんの唇によって塞がれていた。

僕の目は大きく見開かれた。今、目の前には、千影ちゃんの顔が広がっている・・。

しばらくして、千影ちゃんは軽く火照った顔を上げた。

「兄くん・・・私は、兄くんが大好きだよ・・・・」

千影ちゃんはそう言って、今度はその細く白い指を僕の下肢の方へとやる。

「だ、・・駄目・・ち、千影ちゃん・・・」

千影ちゃんは僕の言葉を無視して、僕の一番敏感なところを優しくなぞっていく。下肢からやってくる淫靡な刺激は僕の脳髄を貫き、頭の中を真っ白にさせた。

「ク・・・は・・・あ・・アッ・・」

正気を、なんとか正気を保たなきゃ―――その思いとは裏腹に、僕の思考回路はじわじわと腐っていく。

「フフッ・・・・兄くんのココ・・・どんどん膨らんでくよ・・・・」

――ああ――視界が霞んで――。

僕の口から唾液が小さく糸をひいて垂れた。そして僕のアソコはズボンを突き破らん勢いにまで膨れ上がっていた。

「兄くん・・・・・・苦しいかい?・・・兄くんを、開放してあげるよ・・・・」

「―――や、・・やめ・・ち・・・・」

千影ちゃんはズボンのチャックを開け、手を潜り込ませた。

「は・あ・・・あ・・・アアアッ・・・。」

千影ちゃんは先端から僅かに先走り液が滲む僕のムスコを曝け出し、柔らかな指で僕のそれを幼子に触れるように優しく愛撫した。脳髄を貫く淫猥な刺激が走る。

「兄くんのは・・・・とても元気だね・・・・フフッ」

千影ちゃんは僕の股間にすっと自分の身体を沈めると、僕のペニスの先をぺろぺろと舐め上げていく。

「は・・あああっ・・・・・あっ・・・・。」

僕は恍惚に満ちた声をあげた。そんな僕を千影ちゃんは上目遣いに見て、さらに手を使って股間への刺激を与えた。僕の息遣いは激しさを増す。

「はぁ・はぁ・はぁ・・うっ、あ、ああっ・・・・で、でちゃ・・う・・・・や、やめ・・・。」

千影ちゃんは僕のモノを口に深く咥えた。

「うっ、ああああ・・・・・うっ・・・・」

僕は千影ちゃんの口の中へ、白く熱い粘液をほとばしらせた。千影ちゃんはそれをすべて飲み干してしまった。

「これが・・・・兄くんの・・・おいしい・・・」

そう呟くと、千影ちゃんは再び口に僕のモノを咥え、顔を上下に動かす。

「も、もう・・・・やめ・・・・」

僕の悲鳴にお構いなく、千影ちゃんはその行為を続けた。すると僕のモノは、再びその硬度を取り戻し、一気に熱く膨れ上がった。

「次は・・・こっちだよ・・・兄くん・・・」

千影ちゃんは、細い指を自分の股にある淡い蔭りにあてた。

「そ、それは・・・・・」

僕は必死になって、首を横に振った。

「フフッ・・・兄くんは、そう言うが・・・・こっちの兄くんは・・・・私の中に入りたがってるよ・・・・」

千影ちゃんは、僕のムスコを優しくなぞり弄ぶ。

「はうっ・・・・・」

千影ちゃんは愛液で濡らす自分のワレメを軽く押しひろげ、僕のアソコを千影ちゃんの中へ招き挿れた。

「ク・・・あ・・・・・」

挿入した瞬間、今度は千影ちゃんが破瓜の痛みに小さく呻いた。僕のペニスはズブズブと千影ちゃんの中へと沈んでいく。千影ちゃんの中は狭く、すぐにでも絶頂へ昇りつめそうだ・・・。

「兄く・・ん・・・・ハ・ハァ、・き、気持ちい・いかい?・・・・ク・・・・」

「ち、千影ちゃ・・・ん・・・も、もう・・・こ、こんなこと・・・」

僕の言葉は最後まで続かない。千影ちゃんは腰を揺らし、僕のモノへ新たな刺激を与え始めたからだ。

「や、やめて・・・ち、千影・・・ちゃ・・・も、もう、で、出ちゃ・・う・」

そう言った僕の思考回路はもはや完全にイカレかけていた。

「あ、兄くん・・・わ、私のむ、胸を・・・」

朦朧としていた僕の頭の中で、何かがはじけた。

僕は自分から快楽を求め、腰を振る。そして千影ちゃんの真っ白なマシュマロのようなオッパイに触れ、軽く揉んでいく。

「うっ、・・あ、兄・・くん・・・もっと・・・・もっと・・・・」

僕は千影ちゃんのピンクの幼い乳首を口に含み、赤ん坊がするようにちゅうちゅうと吸った。

「あ・・・ク・・」

千影ちゃんの喘ぎが僕の鼓膜を淫靡に震わせる。僕は貪欲に千影ちゃんを求め、腰の動きを速めていく。

「く・・・あ・・・・で、出る・・・・」

「あ、兄くん・・・は・・・私もっ!・・・・は・・で、でちゃ・・・う」

千影ちゃんは切なげな声を上げながら、背中を反らす。僕は、勢い良く妹の幼い膣の中へ射精した。

 

 

「・・・兄くん・・・兄くん・・・」

「・・千影・・ちゃん?」

頭が朦朧としていて、身体に力が全く入らない・・。僕は、いったい?・・・・何を・・?

気が付くと、僕は千影ちゃんの膝を枕にして仰向けになっていた。

「フフフ・・・兄くん、もうダウンなのかい?・・・」

僕が見上げると、美しい裸身を曝け出したままの千影ちゃんがいる・・・。そうだ、僕はさっきまで千影ちゃんと・・・・。僕の頭の中に、さきほどの淫靡な記憶が蘇る。

僕の頬が真っ赤に染まった。そんな僕を見て、千影ちゃんはクスリと笑う。

「兄くん・・・・身体を内側から元気にする秘術を、知ってるかい?・・・・」

身体の内側から・・・足壺マッサージ?・・・

「この前・・・呪術関連の稀覯本専門の店でね・・・そんな記述の載った本を見つけたんだよ・・・」

千影ちゃんの唇に艶かしい微笑みが浮かんだいる。僕は、なぜだかとても嫌な予感がした。

「どうだい・・・・試してみるかい?・・・」

僕は首を横に振る。

「兄くん・・・遠慮することはない・・・マッサージみたいなものだよ・・・」

そう言って、千影ちゃんは、服の上から僕の胸に指を這わせた。千影ちゃんの細い指の感触が布地ごしに心地よく感じた。

「兄くん・・・いくよ・・・」

千影ちゃんの指が、僕の服の布地を突き通した。

「く・・・ああああああああ・・・」

僕の身体がビクッと震えた。千影ちゃんの指は布地だけでなく、僕の皮膚を貫き、僕の身体の中へ沈んでいく。しかし―――全く痛みはなかった。

「さあ、兄くん・・・これからが本番だよ・・・・」

千影ちゃんは僕の中に沈めた指をゆっくりと動かし始めた。

「は・・・あ・・・・あああ・・・・ア・・・」

千影ちゃんの指の動きと共に、今まで感じたこともない刺激が、激流のように身体を駆け巡った。

千影ちゃんは、僕の心臓を子猫の喉をくすぐるようになぞり、肝臓を優しく労わるように触れ、背骨を激しく愛撫した。僕はその刺激が与えられるたびに、身体をビクンビクンと震わせる。

「眼球にもしてほしいかい?・・・・それとも脳がいいかな?・・・・」

千影ちゃんは嬉しそうに僕の喉を内側から撫でていく。

「やっぱり・・・ココが早く元気にならなくてはね・・・・フッ・・」

千影ちゃんは、指を一気に下肢の方へ走らせた。

「クっ・・・・は・・・」

僕の股間のモノは一瞬にして硬直した。千影ちゃんは、僕のムスコを内側と外側から刺激を与えていく。

「うっ・・・・ああああ・・・・・」

千影ちゃんの愛撫に弄ばれた僕は、天に向かって勢い良く白い粘液を発射させた。

「さあ、兄くん・・・・最後の仕上げだ・・・・」

千影ちゃんは僕のペニスから指を離し、再び僕の胸に指を這わせた。そしてゆっくりと心臓のあたりに細い指を置く。

「は・・・あ・・ち、千影ちゃん、な、何を?・・・・」

「見ていれば・・・・・わかるよ」

千影ちゃんは僕の胸に手首までズブリと指し込み、そしてゆっくりと引上げていく。引上げていく千影ちゃんの両手の中には――――ドクンドクンと波打つ心臓があった・・・・。

「ち、ち、ち、千影ちゃん!」

僕は思わず大声を上げた。千影ちゃんは、僕の心臓を大事そうに持ちながら僕を見た。

「兄くん・・・・そんな大きな声を上げたら・・・私は、驚いて兄くんの大切な心臓を落としてしまうかもしれないよ?・・・」

僕は、口を金魚のようにパクパクさせた。

千影ちゃんは、僕の心臓に指を這わせ、ゆっくりとなぞっていく。その瞬間、僕の身体を激しい淫靡な刺激に身悶えた。千影ちゃんは片手に僕の心臓を握り、もう片方の手で刺激を与えていく。

「は・・・・ア・・・ア・・・も、もうや・・・・め・・・・・ア・・」

僕は半分白目を剥くほどの快感に溺れ―――――そして気絶した。

千影ちゃんは、いとおしそうに心臓にキッスをして、呟いた。

「兄くん―――『ワルプルギスの夜』は始まったばかりだよ・・・・・」

 

 




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