目覚め助さん

 千影と魔界へ行ったを過ぎた頃だろうか。今までのぼくとは、何か違う気がする。四葉が、あとをついて来ているのも分かる。衛とのマラソンも大して辛くは感じない。なんだか、不思議な気分だ。春歌の動きも見える。あんなに、ボリュームのあった白雪の料理もぺろりと食べられる。今では足りないくらいだ。終いには、千影が、自分を見ているのまで分かってしまう。自分は、もはや人ではないのだろうか。


ある日、町を歩いていると、気配を感じた。どうやら、いつものように千影が自分を見ているらしい。

(いつも自分ばかりやられるのも癪だなぁ。)

兄は、公園のベンチに腰掛け、何か考える。30分後、何か閃いたのか千影の家に向かって歩き出した。


「千影―っ!!いるんだろ―?」

「やあ…兄くん、……なんだい?そんなに慌てて……まあせっかく…来たんだ…あがって…いかないか?」

「じゃあ、御邪魔するよ。」

「兄くん、ところで…、今日は…どうしたんだい?」

「千影、今日僕の事見てた?」と、目を見つめ、問い詰める。

一瞬驚いたのか、目を大きく見開いて言う。

「あ…兄くんは、どうしてそれを?」

普段は、見る事の出来ないような表情で内心穏やかでないのは、手に取るように分かる。が、そんな事を気にすら様子も見せず話しつづける。

「見てたのかい?」

笑顔で問い詰める。もっとも、千影にしてみれば、気が気ではない。もっとも、いつもとは違う兄の分囲気はとても不気味に感じるだろうが…。

「あ…ああ。」

腹を決めたのか、さらりと応える。それを聞くや否や、すっと立ち上がり、千影のもとへ歩み寄る。そして、千影の隣に座ると再び問い掛ける。

「どうして?」

しかし、千影は、恥ずかしいのか顔を桃色に染め下を向き黙り込んでしまう。それを見かね、千影の顎を親指と人差し指つまみ自分のほうへ向かせる。

「な、何を、ンッッッ!?」

一瞬、驚いたのか、抗議の声をあげようとする。しかし、ここで止めてしまうほど兄も出来ていない。舌を入れ口内を味わおうとする。戸惑いながらも、今までの夢が実現し嬉しいのか、積極的に千影も応える。

ちゅっちゅっ

室内に淫らな音が響き渡る。兄は、満足したのか口をゆっくりと離す。千影は、まだ名残惜しそうだ。理性を取り戻したのか、声をあげる。

「一体,どうしたんだい兄くん?積極的じゃないか。いつもの君じゃないみたいだ。はうっっ、あっ。」

首筋にそっとキスをしながら、両手で服の上からまだは大きいとも言えない大きさの乳房をゆっくりともみ出す。

「気持ち良いのかい?」

あくまでもいつもどうりに振舞おうとして、声を押さえようとするのだが、愛しい人の愛撫に体は素直に反応してしまう。心地よい愛撫に身を任せ、朦朧とする意識のなか千影は、思う。

(どうして…しまったんだい。兄くんは、第一、ふっ、ど、どうしてわ、私が…見ているのを…分かっ…たんだ?)

応えるそぶりも見えないず、服を脱がし終え、一糸まとわぬ姿にし、全身をくまなく愛撫していく。感じる所を開発していくのが楽しいのかねちっこく舌でなぞるように、両手でやさしく刺激していく。もちろん、肝心のところは未だ触れてはいない。

千影は、心地よい愛撫によって愛液が止めど無く流れ出し、愛しい人に触れられているからか、身体がどうしようもなく熱ってくる。無意識のうちに陰部を兄に擦り付け、それに気づいた兄は二つの頂きを刺激し始める。

「あっっ!!はん」

(なんなんだ?この感覚、じ、自分でするより…いい!!)

「なんだい?もう濡れてきてるじゃないか。」

そう、言い放ちながら。秘部に手をかけ刺激し始める。

「や…止めたまえ、あ、うっ…そんなところを…いっ…いじらないで…い、今なら、まだ…」

「今なら、なんだって?」

秘部のつぼみを人質に取り、尋ねる。

「み、見逃してあげよう。」

「う〜ん。こんなに濡らしてるけどいいの?」

その言葉に、恥じらいを感じ顔を真っ赤になる。どうやらこういう所は、年並みの少女らしい。兄の顔を見上げるといつものやさしい兄の笑顔があった。しかし、次の瞬間、悪魔のような笑顔を浮かべ下の蕾をきつく締め上げた。

「ふあ、ふあああああああああっ」

生まれて初めての絶頂は、無理矢理いかされ意識が途絶えた。

 

不思議な感覚に身を震わせながらも、目を覚ますと、べットの上に寝ていた。

「え〜と…私は…何を…?と言うか兄くん、なぜ…一緒にベットに…寝てるんっひゃっ!」

隣で寝ている兄からいきなり耳をあま噛みされ、声をあげる。

「そろそろ良いかな。」

と言うと、兄はベットに潜りまだ発展途上とも言える体に舌を這わせながら、ゆっくりと秘所に向かっていく。兄の狙いに気づいたのか、千影も抗議の声をあげる。しかし、そんなことお構いなしと言わんばかりに愛液を下から掬うように隅々までなめ上げる。

「はあ、ああ、あ…兄くん…あんっ」

兄は、いい頃合いだと感じ取ったのか、逸物を秘所にあてがう。

「あ、あにくん…ダメだ、私達は、もう…後戻りできなくなる…」

「千影と一緒なら…良いよ。一緒に堕ちよう。」

「…兄…くん………」

お互い濃厚なキスをし、濡れそぼる秘部にイチモツをあてがいゆっくりと挿入する。千影は、痛みをこらえ歯をくいしばる。そしてようやく…。

「千影、見てみな?僕達は、契りを結んだんだよ。」

そう言い、抱え起こし接合部を見せる。腰を動かすと瞬く間に現実に引き戻される。そう、千影は、いま犯されているのだ。挿れられ、もうしばらく時間がたってしまったのか痛みを感じることもなく、快感のみを感じることになる。

「んぁっ、ふっ、うんっ!」

腹の奥を突かれどう仕様も無いほどの快感が頭の中を駆け巡り、千影の精神をのみ込んでしまう。

「あ、あぁん、うっ、ふぁぁ、あんっ!」

(あ、兄くんスゴイ…じゃないか。き、気持ち…良すぎる。も、もう…)

「だ、だめだ兄くん。も、もう…」

何度目かの挿入の時に、腰に手を添え奥深く突き入れると千影の中で、真白いなにかが爆発し、どこかに飛ばされそうな感覚に襲われ、兄にしがみつき、潮を吹きながら絶頂ってしまう。

「兄くん!兄くん!兄くん!」

息つくことも無く腰を送り続けられ千影は、二度目の絶頂を迎える。ねっとりと絡み付く肉壁によって兄も限界が近づく。

「千影!!逝くぞ。」

「あっ、うぅん、はっ・・・ああっ!!…っくう」

ようやく、兄にも限界が来たのか白い塊を吐き出した。熱く白いしぶきに子宮の奥をノックされ恍惚とした表情を浮かべる。

 

ことが終わり、隣にいる千影の頭をそっと撫で、窓の外を眺め思う。

「千影、俺はいつまで人でいられるんだ……。」

しかし、千影は何も答えない。ただ寝息を静かにたてるだけ…

そして、兄も深い闇の中に落ちていった。

 




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