ある夕方、いつものようにちよは飼い犬の忠吉を連れて公園に散歩に来ていた。
成績が非常に優秀だったため10歳から高校に通っているが、体格は平均以下。大型犬の忠吉と比べると、忠吉の方が大きくすら見える。事実、忠吉はちよを乗せることができた。
「わっ! ど、どうしたの、忠吉さん?」
今日も背中に乗せてもらいながら散歩をしていたちよだったが、公園の中ほどまで来たとき、不意に忠吉は何かをみつけたようにちよを乗せたまま走り出した。
「きっ、きゃあぁっ!」
慌てて忠吉の毛にしがみつくようにして落ちるのは免れたが、ちよの両横で束ねた髪が激しく揺れる。振り落とされないようにするのが精一杯で、ちよには忠吉を止めることはできなかった。
「た、忠吉さん! いったいどこに…………きゃっ!」
言葉の途中、走り出したとき同様に忠吉が急停止して今度こそちよは忠吉の背から振り落とされた。
ドスッ、バサバサッ
幸い、忠吉は公園内の道を外れて緑の中を走っていたため、地面に生えていた草がクッションになって落下の衝撃は緩和されていた。
「いたたた……」
落ちたのがお尻からだったということもあり、ちよはすぐに草むらの中から起き上がる。
「ひどいよ、忠吉さん……」
打ったお尻をさすりながら忠吉の方を見ると、
ガッガッ
忠吉は地面に顔を寄せて何かを口に含んでいた。どうやらこれが目的だったらしい。
「だ、だめ、忠吉さん! 落ちてる食べ物なんて食べたらだめだよ!」
慌てて忠吉を止めるが、もうほとんどは忠吉の口の中に入ってしまった後だった。何か変な臭いのする饅頭の残骸のようなものがそこに残っていた。ちよには理解できないが、忠吉はこの臭いに惹かれてここまで走ってきたのかもしれない。
「でも、何なんだろう、これ?」
忠吉が食い散らかした残骸を見下ろして、ちよはふと疑問に思った。公園に作られた道からはだいぶ離れた、夕日もろくに見えない緑の茂る中だったが、あきらかにこれは人の手が加わったものだ。誰かがこんなところまで足を踏み入れて、偶然こんなものを落として行ったのだろうか。どうも不自然な感じだった。ちゃんとご飯もあげて、これまで拾い喰いなどしたこともなかった忠吉がこんなに反応したことも。
「た、忠吉さん、それじゃあ早く元の場所に戻ろうよ」
本当ならもうこんなことがないよう、忠吉をしっかりこの場で叱るべきだったのかもしれないが、なんかイヤな感じがしてちよは早くここを離れたくてそんなことを言った。
ゥ、ウゥ……
しかし、忠吉から返ってきたのは奇妙な唸り声だった。ちよを見上げるその目は、いつもの温和な印象の瞳ではなく、狂気じみたものに彩られていた。
「た、忠吉さん……!?」
ちよが忠吉の異状に気づいたときにはもう遅かった。
「わうっ!」
一声吠えると、忠吉はちよに襲いかかった。
「きゃあぁっ!」
飛びかかった勢いで、ちよは草の上に押し倒されてしまう。ちよの身体を前足で押さえつけた忠吉は、その腰の辺りにそそり立った下腹部のものを擦りつけた。
「な、何? やめてっ忠吉さんっ!」
ちよが制止の声を上げるが、忠吉は止まらない。欲情に狂った眼で飼い主の少女を見下ろすと、その滑らかな肌の顔を唾液に塗れた舌で舐め始めた。
「ひゃっ、わぷっ!?」
べろっ、ぺろっ……
反射的に目を閉じたちよの顔の上を、何度も舌が這う。すぐに顔中がベトベトになり、さらに首の辺りや服の襟のところまで忠吉の唾液は流れていった。
ビリビリィッ!
忠吉の舌がようやくちよの顔を離れたかと思った次の瞬間、突然忠吉はちよの服の端を銜えると、思い切り首を振ってそれを引き裂いてしまった。
「い、いやっ! やめてよっ! 誰か、助けてぇっ!」
ちよは悲鳴を上げ、助けを求める。しかし、ここは公園のかなり奥まったところにあり、人のいるようなところまで声はなかなか届かない。届いたとしても、もうそろそろ暗くなり始める時間だ。公園にいる人も少なくなっているだろう。
べろっ、べろっ
誰も助けに来てくれる人は現れず、忠吉の行為も止まらなかった。まだブラジャーもしていない裸の胸が服を破られたことで露わになり、忠吉はほとんど起伏のないその胸に舌を這わせる場所を移していく。
忠吉には胸の膨らみの大きさなど関係なく、まるでちよが自分のものだという証を付けるかのようにちよの肌に唾液をすり込み続けていた。
「ひ、ひどいよ……忠吉さん。ひっく……何で……ひっく……」
犬の唾液に塗れたちよの顔の上に、新たに涙の筋が流れていく。ちよの貧弱な力では忠吉を振り払うこともできず、ただ涙を流すしかなかった。
ビリビリッ!
再度服を引き裂く音が聞こえる。今度はスカートの裾を銜えて同じようにちよの身体から取り去ってしまった。子供らしいプリントの付いたピンク色の下着が露わになった。
ぺろっ……
しかし、すぐそれも邪魔に感じたのか、
ビリィッ
それすらもすぐに破り取られ、まだまるで毛の生えていない子供そのもののあそこが外気に剥き出しとなった。
「うっ……うぅっ……」
もう大きな声を出す気力もなく、か細い声で涙を流す。ちよが今身に着けているのは、腕と腰の辺りに残るもはや服としての機能をまるで果たさなくなってしまったその残骸と、靴と靴下、あとは髪を結んでいるゴムだけだった。
ごろんっ
「きゃっ、わぶっ……!」
突然、忠吉が前足を使ってちよの身体をひっくり返した。そのとき忠吉は一旦ちよの上から降りていたが、あまりに不意のことだったためにちよはその隙に逃れることはおろか、反応することもできず、ひっくり返ったときに土が口の中に入ってしまった。
「はっ……はっ……はっ……」
荒い息をつきながら、すぐにまた後ろから忠吉がちよの身体を押さえつける。ちよはまた逃げることができなくなってしまった。
「ううっ……」
しかも、今度は地面の方に顔を向けられ、忠吉に背を向けているため、忠吉の様子がわからない分だけ不安と恐怖が増していた。
「はっ……はっ……」
後ろからのしかかっている忠吉が、再度ちよに腰を擦りつけてきた。
「な、何っ……?」
これまでとは違う感触に、ちよは怯えた声を搾り出す。太ももの辺りに何か硬くてぬるぬるとしたものが当たっていた。
「えっ!? ひょ、ひょっとして……?」
高校に入ってから保健の授業で学んだ一場面が一瞬頭をよぎり、ちよの顔がすぅっと青くなっていった。
「はっ、はっ、はっ……」
ちよの頭に浮かんだ最悪の想像を肯定するように、忠吉はますます呼吸を荒くしながら腰の位置を少しずつずらしてそのぬらぬらした硬いもので何かを探していた。
「だ、だめぇぇっ! そんなこと絶対イヤぁっ! お願い、それだけはやめて、忠吉さん!!」
しかし、少女の必死の言葉も犬には通じはしない。狂ったように尋常でない興奮を示していれば尚更だった。
メリメリ……
ようやく目的の場所を探し当てた忠吉は、一本の筋でしかない無毛の秘所をこじ開けるように一物を突き入れていく。
「い、いやっ! やめてぇ! 痛い! 痛いいぃ!!」
ちよの口から苦痛の叫びが上がる。そして、忠吉の一物がちよの処女膜に突き当たって一瞬前進が止まった次の瞬間、
ブツッ
「うわああああああぁぁぁ!」
最大の激痛に、最大の悲鳴が上がった。
「はっ、はっ、はっ……!」
最大の障害を破った忠吉は、本能のままにその長大な一物をどこまでもちよの中へ押し込んでいく。
ぬるっ
処女膜が破れただけにとどまらず、強引な挿入によって内粘膜のあちこちが傷つけられたことによって結合部から大量の血が溢れ出したが、本能に従うことに夢中になった忠吉にはそれも全く認識していなかった。
「あぐ……うぅ……」
小さな膣の中を進み、幼い子宮を突き上げてくる忠吉の肉棒に、ちよは苦しげにうめきを漏らし続けた。欲望と本能のままに動き続ける忠吉は、当然ちよの身体のことなど全く顧みないために、ちよは今にも身体を突き破られそうな恐怖にも襲われていた。
「うぅっ……ぅっ……」
ちよの頭に今あるのは激痛と恐怖だけで、全身はまるで力が入らず、忠吉が身体を動かすたびにがくがくとそれに伴い揺れ動いていた。
「ううぅぅ……!」
いつ終わるともしれない悪夢の激痛がどれほど続いただろうか。ちよは何時間もたったようにも感じられたが、一方で実際には数分ほどのことかもしれないようにも思え、ちよの時間感覚は喪失していた。
いつの間にか、忠吉はまた唸り始めていた。それをどこか遠くのように聞いていると、急にちよの膣内に入っていた忠吉の肉棒が大きく膨らんだように感じた。
(えっ……?)
奇異に思う間もなく、
「あぐぅっ!」
忠吉はこれまでで一番奥まで肉棒をちよの膣内に押し込んできた。ちよの上に覆い被さったまま身体を震わせると、
どくっ、どくんっ……
忠吉はちよの奥深くで絶頂に達した。
「な、何……?」
ちよは、最初何が起こったのかわからなかった。
どくっ、どぷっ……
小さな膣の中をすぐに満たしてしまっても、忠吉の射精は止まらない。何か液体を流し込まれていることだけを感じていたちよの頭で、ようやく知識としてあった雄の生理が今自分の身に起こっている現象と繋がる。
「いっ、いやあああああぁぁぁぁぁぁ!!」
どくっ、どくっ、どくっ……
犬の精液を放出されたことを理解したちよが絶叫する。しかし、忠吉はちよの身体の上に覆い被さったままいつまでも射精は終わらなかった。
翌日、とあるマンションの一室にて。
1人の青年がテレビを点けて次々と各局のニュースを確認する。同時に新聞を開いて地方面の小さな記事を探していた。
……………………
しばらくして、目的の記事やニュースが見つからなかった青年は、新聞を放り出しテレビを消した。新聞を放ったそのままの姿勢でつまらなそうに呟く。
「つまんないの。どこにも出てないじゃん、せっかく苦労して作ったのに。失敗かなぁ」
そして、昨日近所の公園に仕掛けた薬品入りの饅頭のことを思い浮かべた。