その8

 

 

 

 

「畜生! 貴様、何をしたんだ? 俺を、どうするつもりだ? 」

彼(彼女)は、身を屈めたままで、キッと狂気の医者を睨み付ける。

「う〜ん、素晴らしい、惚れ惚れする美貌だよ。君は私の最高の傑作だよ、麗子

。どうするつもりかって? よくぞ聞いてくれた。私はキミを極上の女にしてや

りたいのさ。そう、男にとって理想的な女だよ。極めて高い教養と知性、それに

美しく上品なうわべに隠された爛熟した肢体。ベッドの上ではどこまでも貪欲に

快楽を貪る華麗なる淫売。キミは完璧な高級娼婦に成るのだ、麗子」

「ふざけるな! 娼婦だって? 誰がお前等の思い通りに成るものか! 」

彼女の声が部屋に響いた時に、壁の一角が不意に開く。すると、全裸のたくまし

い黒人が遠慮も無しに踏み込んで来た。

「なっ… なんだ? お前は? 」

「へへへ… 元気なハニーだな、俺かい? 俺は、お前の教育係りさ。本職は淫

 売宿の用心棒だが、ドクターに抜擢してもらったんだよ」

黒人は彼女の目の前で手にした注入器を、やおら自分の腕に突き立ててボタンを

押し込む。プシュ… と言う圧搾空気のくぐもった音の後に、黒人の顔はだらし

なく弛んだ。

「くぅぅ… こいつはキクぜ! なにしろ、とびっきりの別嬪さんが相手だから

 な、俺の方が、先にまいるわけにも行かない。ヤクでにやって、精一杯に持た

 せなきゃ、あんたに失礼だ」

黒人の言葉に麗子はドクターを振り返り柳眉を逆立てる。

「どう言う事なの? いったい、これは? 」

興奮した彼女は、自分が女言葉に成っている事にも気付かない。

「クククク… 私は、ほら、キミが察した様に立体映像だから、全裸の美しい処

 女を目の前にしても、指一本触れられない。だが、今、部屋の送り込んだサム

 君は、しっかりとリアルの牡だよ」

刑事時代に麗子を罠にはめた時の様に、フォログラフを使う医師は愉快そうに笑

う。

「男としての能力ならば、私はサムくんには遠く及ばないからね。キミを女とし

 て教育… と、言うよりは調教するのは難しい。しかし、サムくんは、牡とし

 ては間違い無く最高級品じゃないか? 見たまえ、あの立派な陰茎を、同じ男

 としては憧憬の限りだよ」

「なんだって! 私は男よ! えっ… ? 」

自分の台詞が妙な事に、ようやく麗子は気が付いた。

「そうそう、ようやく女としての自我が目覚めて来たね。そんなに綺麗なのに、

 言葉使いだけが男では、これは興醒めさ。ほら、そんな事で驚いていると、サ

 ムくんが待ち草臥れているじゃないか? 」

目紛しい場面の展開に思考が付いてこない美女は、迂闊にも部屋に闖入して来た

黒人の事を、束の間失念していたのだ。ふと気付けば、全裸の大男は彼女のすぐ

傍らにまで近づいているでは無いか。

「あっ… 何を! きゃぁぁ… 」

狂気の医師との会話に夢中になっていた麗子の隙を突き、腋の下から差し伸べら

れた無骨な指が、彼女の胸の膨らみを鷲掴みにした。その、瞬間、しなやかな肢

体をよじり抗るとした麗子が、まるで電撃に撃たれた様に棒立ちに成る。

(なに? これ… ああ、だめ… 力が抜ける… )

豊満な胸元を黒人男の玩弄に預けたまま、己を失った美女の姿を見てドクターは

満足そうに頷いた。

「うんうん、そうこなければいけないよ。なにしろ生まれ変わった君は、この世

 の中で随一の娼婦に成るのだからね。乳房の感覚神経組織も、通常の女の数十

 倍の密度に張り巡らしたのさ。どうだい、生まれて初めて他人に乳を揉まれる

 気持ちは? おそらく、凄まじい快楽を味わっているだろうね」

嘲笑う狂気の医師に、なにか痛烈な一言を返したいところだが、彼の言葉の通り

、余りにも強烈な快美が、麗子の口を塞いでしまう。

「へへへ… やわらかくて、でかいオッパイじゃないか。こいつは揉み甲斐があ

 るぜ」

容赦の無い揉み上げに曝されて、彼女は目眩がする程の昂りに襲われた。

「やっ… やめて、馬鹿! 私は男よ! 」

「あはははは… 苦し紛れにつまらない事を言うなよ。元は男かも知れないが、

 今は極め付きの別嬪さんだぜ。お前が淫売宿に来たら、たいそう稼ぐ娼婦に成

 るさ」

荒々しく揉まれるバストから、信じられない快感が生み出される事に狼狽しなが

ら、麗子は逃げようと試みるが、快楽に痺れた身体が彼女の意志を裏切ってしま

う。窮地を脱する為にも、この黒人を大男を振り解かなければ成らないのだが、

刑事時代に鍛えた格闘の技が、まったく役に立たないくらいに躯が甘美な刺激に

痺れている。さらに胸元をばかりでは無く、この黒人は麗子の頬にキスすると、

そのまま唇の彼女の耳たぶに移して、甘噛みしはじめた。

「あっ… くぅぅぅ… いや! 」

軽く歯の当てられた耳たぶから、体中に電撃の様な快美の波動が駆け巡る。もう

、迫り来る黒人を押し退けようとしていた麗子の両手からは力が抜けている。た

だ、形式的に分厚い胸板に押し当てられた手も、信じられない様な快感の前に小

さく震えるばかりだった。

(これが、女の快感なの? ああ… 躯の力が抜けて行く。なんとかしなくちゃ

 、このままじゃ、こいつらの思う壷じゃない)

麗子はなんとか身をよじり、黒人の玩弄から逃れようとするが、力が抜けた両手

を如何に突っ張ってみても、分厚い胸板を押し返す事など不可能なのだ。やがて

、遠慮など一切見せない大男の手が、彼女の下腹部へと伸ばされる。

「やっ… ためろ、馬鹿! いやぁぁぁぁ! 」

自分の言葉使いが催眠暗示教育の成果で、どんどんと女性化している事に気付く

余裕も無く、麗子は懸命に両脚を閉じて、男の手の侵入を拒絶しようと試みる。

だが、圧倒的な体力の差から、彼女の抵抗は儚く終わった。まだ男を知らぬ処女

地の秘裂は、整えられた飾り毛の下でひっそりと佇んでいる。

「はははは… いよいよ麗子、お前の処女が失われる時が来たね。思えば、この

 瞬間を首を長くして待ちわびたものさ。これで東京市警察の刑事だったお前は

 完全に命脈を絶たれる事に成る。そして、これからのお前は、どんな乱暴で下

 卑た変態の客にも従順に仕えて、股を濡らす淫猥で優美な売春婦として生きる

 のだ。男に生まれたお前が、最低な淫売として、毎日毎晩違う男に金で買われ

 て、思うままに性を注がれる… 」

立体映像のドクターTは、調教係りの黒人に嬲られる麗子を見つめて、満面の笑

みを浮かべた。

 

 

 


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