桃原美希子 (8月22日(火)19時35分23秒)
■アニトさま■
夏休みはいかがお過ごしだったでしょうか?
ワタシは皆さまがお休みの間も仕事仕事でグッスンな日々でございました。
それにしても暑い日々が続いております。
そういえばモクモクとした入道雲や夕立ってあんまり見ないような気がして
なんだか子供の頃に過ごしてきた夏と違ってきたように感じます。
お仕事の忙しさと暑さのせいで最近は外出もほとんどしておりません。
いくらお洋服が涼しげな露出気味なものであっても
お化粧をしてウィッグを被ると汗がダラダラ蒸れちゃうんです。
そのかわりネットサーフィン(死後?)で楽しんでいます。
以前は「女装」って検索するとアダルトサイトのヒットが多かったのですけれど
最近は携帯電話仕様のページやプログを多く見かけるようになりました。
日記あり体験記あり写真あり、動画を載せている方もいらっしゃいます。
すごいなーって思います。
いろいろな様式のHPやできてきたことやさまざまな発表の仕方があることを
アニトさまはいかが見ていらっしゃるでしょうか?
−−− 湖中華奈子ちゃんの秘密 −−−

「お帰りなさいませっ ご主人さま」
白とピンクのボーダー柄に染まった半透明のガラスドアを開けると、
フリルいっぱいのメイド衣装を着た可愛い女の子に深々と頭を下げられた。
噂には聞いていたけどメイド喫茶は入り口から異次元的明るさがあった。
店内は白い壁を基調としてピンクや黄やオレンジといった
暖色系の華やかなメニューポップや装飾に溢れていて目がチカチカする。
それに負けないくらいのカラフル衣装を着たメイドさんが動き回り、
テーブル席には対照的にくすんだ色のTシャツや
寒色系チェック柄シャツのオタクさんがポツリポツリと落ち着いていた。
「いつものVIP席は空いてます?」
連れの湖中華奈子ちゃんが言った。
メイドさんはカウンタにあるモニターを確認してからニコッと微笑んだ。
「はい、ご主人さま。こちらへどうぞ」
店内の壁両側はところどころ鏡張りになっていて、そのひとつの前に案内された。
鏡の横にドアがあり、どうやらそこがVIPルームと呼ばれる個室らしい。
入ると3人掛けのソファーとテーブルがひとつずつあった。
オーダーをしてメイドさんが退室するのを見て華奈子ちゃんに訊いてみた。
「よく来るの?」
「うん、ここならどんな格好をしても変に見られないから」
変にも種類があるような気もするけど
華奈子ちゃんはタンクトップの上にシャツを重ね、ショートパンツ姿だった。
男の子に見えないこともなく、後ろからなら女の子に間違えられる可能性が高い。
「待ち合わせの前にスカートを買ったんだ。着替えるから後ろ向いててね」
ってここで?
まだオーダーした品を持ってきてもらっていないのに。
わたしはしかたなしにガラス窓に向き合った。
お世辞にもVIP待遇といえる内装ではないけれど
窓がマジックミラーになっているのがミソのようだ。
人知れず店内の様子を眺めることができ、メイドさんを凝視し放題。
よくよく観察すると一般席にいる客は
メイドさんの正面を見ながら背後の鏡で背中も覗き見ているふしがある。
あからさまにニヤニヤしている2人連れのサラリーマン。
アイスコーヒーを飲んでいるふりをしながら
目だけキョロキョロとせわしなく動かしているオタクお兄さん。
汗を拭きふきメイドさんと話をしているデブッチョさん。
なんだか動物園にいるみたいでお客さんの反応を見ているだけでも楽しい。
店内が広く活気に溢れているように思えるのもマジックミラーの効果かもしれない。
「もういいよ。どうこれ?」
振り返ると華奈子ちゃんが腰に手を当てポーズを決めていた。
ミミミッミニ!スカートッ!
さっきまでなかった胸の膨らみまで作っていた。
とっさに次の言葉が見つからないでいるとドアが開いた。
「失礼いたします、ご主人さま」
「ねぇねぇどう?」
「わー、かわいいっ。華奈ご主人さま、とってもお似合いでございますぅ」
「えへへへ、そう?」
華奈子ちゃんがテレながらも満足げに笑う。
名前を覚えられるほどの常連らしい。
ならば華奈子ちゃんと一緒にいるわたしはどう見られているのだろう?
アイスティーをテーブルに置いたメイドさんの目がわたしと合った。
「ご主人さまはお着替えをなさらないのですか?」
やっぱり同類と?
こんな展開になるとは思っていなかったから着替えは持ってきていない。
昼間の待ち合わせだから悩みに悩んで精一杯の
ユニセックスなポロシャツとローライズジーンズにしたのに。
「いっぱいいっぱいなんですけどぉ〜」
「バックにスカートが入っているからよかったら履く?」
って何で予備まで持っているわけ?
「そうなさいませ、ご主人さま。
このお店はご主人さまにおくつろぎいただくだめの場でございます。
私どもはお仕えするためにいるのでございますから遠慮なさらずに」
「ボクなんか着替えて店内を歩くのが趣味と言ってもいいくらいだよ」
「私どもも楽しみにさせていただいております。
それではごゆっくりおくつろぎくださいませ」
メイドさんが退室すると
華奈子ちゃんは大き目のショルダーバッグからスカートを取り出した。
シャツもブラジャーもストッキングもお化粧道具も入っていた。
「これなんかどう?、美希子ちゃん」
湖中華奈子ちゃんとはじめて出会ったのは
『ピンクブレイン』というアダルトショップだった。
ちょっとした事件が起こり、そのときには「皐月くん」っていう仮名だったけど。
その後『ピンクブレイン』の店長さんを通じて皐月くんからの伝言があり、
電話でお話をして湖中華奈子という名を知り、今日会うことになった。
華奈子ちゃんは完全女装娘なんだけど自分のことを「ボク」と言う。
それには理由があった。

 ▽ ▽ つづく ▽ ▽
ワタシこと桃原美希子と湖中華奈子ちゃんの出会いは
「阿賀佐水理の事件簿」をお読みくださいませ〜。




アニト (8月24日(木)00時41分46秒)
桃原美希子さん、こん○○は。
数日の《夏休み》は女装世界を離れてなかなか忙しい日々でした。
その反動もあって昨日は涼しい場所でムフフなデートを。
公園を散歩するには暑すぎますしね。
《検索》での上位ヒット条件は、頻繁な更新が行われていること、
正しいHTML言語で作られていることなどの要素があり、
それらにプログが当てはまりやすいのだと聞いたことがあります。
先日ある方に教えていただいた女装娘さんのプログには
それはそれはエッチなオナニー動画がありました。
目を輝かせて見とれてしまいましたよ。(ん、そういうことではない?)
最近流行りの「YouTube」を使っていらっしゃる方もいるようです。
ご自分ができることをぜひとも継続していただきたいものです。
皐月くんこと湖中華奈子ちゃんの秘密、楽しみにしています。
ワタシこと桃原美希子さんの萌え萌えなコスプレも期待しています。




桃原美希子 (9月6日(水)16時03分20秒)
■アニトさま■
書きかけの物語を順番に書いているせいで
レスがごちゃごちゃになってしまって申し訳ございません。
なるべく合わせるようにいたします。
ホントにブログって流行していますね。
有名人芸能人の方はもちろんのこととして
一般個人の方々でも趣味やマイブームや家族や仕事のことなんかをネタに
頻繁な更新をせっせせっせと。
自分発信をしたい人がこんなにもいるのかーって驚いてしまいます。
ワタシの女装は秘密の趣味だけに
どこまで晒してもいいものかわからない不安と
毎日発信ができるほどのネタもない軟弱さゆえ
やっぱりアニトさまのお世話になるばかりでございます。
時代の流れに左右されない「空想デート」あればこそですぅ。
物語の方では天からの啓示によって
ワタシも萌え萌えなコスプレになっちゃいましたぁー。
リアルでもちょっぴり着てみたい気もしますけれど(ホントは興味津々)
上から下まで揃えるとなるとお値段がひぇ〜ぇなほどに。
アニトさまはコスプレにはご興味がございますか?
■スカート娘中林純子さま■
わーい、お待ちしておりました、純子さま。
ちょっとずつと書きながらものすごい文章量。
ワタシなんか1話80行くらいが限界の集中力のなさなので
小出し小出しで続けております。
それに内容もものすごーい濃くて、
静かで落ち着いた言動にもかかわらず
心の中には溢れ出すくらいの欲情で満ちていて、その対比がとてもエッチです。
2人でSM雑誌に目を通しながら読みながら朗読しながら
自分と相手の反応を観賞しあうなんて刺激すぎます。
あーやってみたいかもなんて思っちゃいました。
−−− 湖中華奈子ちゃんの秘密 2−−−
ひゃ〜、恥ずかしいよー。
はじめは湖中華奈子ちゃんが持っているスカートを貸してくれるというだけだったのに
下着も変えたほうがいいよという話しになって
華奈子ちゃんはマイオッパイを持っていたのだけれどさすがに予備はなく、
じゃあ中身に何を詰めよう?という流れから
メイドさんを呼んで「おっぱい」という信じられないオーダーをし、
ブラをしたわたしの胸には店内装飾用のゴム風船が2つ収まっている。
しかも水で膨らませてあるから適度に重く具合がいい。
ってちょっぴり喜んでいたのもつかの間、
「特別サービスでございます」ともう1人メイドさんが現れた。
今度のトレイの上には真っ赤な何かが山盛りに乗っていた。
「天からの啓示がございまして、こちらをご用意させていただきました」
このお店にはどんな神様がいらっしゃるのだろうか?
受け取り広げてみるとメイド服や靴その他もろもろ。
「わー、いいなー。着てみて着てみて」
華奈子ちゃんが手を叩いてはやしたてた。
広いとはいえないVIPルームに客が2人とメイドが2人。
うち男が2人で女が2人、でも3人は女の子の格好をしていてわたしは半裸。
この状況ではわたしは着せ替え人形になるかしない。
メイドさんに手伝ってもらいながら袖を通して胸元のリボンを結ばれている間に
華奈子ちゃんにピンク色のウィッグを被せられティアラが乗っかり、
もう1人のメイドさんに白のオーバーニーストッキングを履かされていた。
あれよあれよという間に異次元ワールドの仲間入り。
「わー、お姫様みたいですぅ」
「一緒にご主人さま方にご奉仕をいたしませんか?」
華奈子ちゃんが手鏡を貸してくれたけど
すっかり化粧も出来上がった顔しか映る大きさでしかなく、
鏡の角度を変えても白いフリルいっぱいの真っ赤な上半身か
ミニスカートとオーバーニーストッキングにある“絶対領域”の
いずれかを順番に見ていくしかない。
「この窓ガラスはマジックミラーだから反対側は鏡なんだよ」
華奈子ちゃんに心の内をすっかり読まれていた。
華奈子ちゃんが店内を歩きたがるひとつの理由は
自分の全身像を確認したいためなのだろうと気がついた。
「あっそうだ。アイスティをお代わり。メイドの美希子ちゃん、持ってきてくれる」
ななななんてことを!
「さささっ、私たちと参りましょう」
メイドさん2人が腕を取り、ドアに向かって背中を押す。
「言うこと聞いてくれないと秘密を教えないからね」
ひえぇぇぇぇぇぇええ〜〜〜!!!
女装って勇気というか決心というか開き直りのドアを開けるのに似ている。
できっこないと手を引っ込めたらそこで終り。
ドアを開ければ新たな世界が広がっていて
彷徨い歩くうちにまた違うドアを発見するのかもしれない。
広いフロアに躍り出ると世界の注目を一身に浴びている気がした。
オタクさんやフェチさんやムッツリスケベさんの目・目・目目目目目目……。
前後をメイドさんに挟まれ行進しているからよけいに注目度が高い。
幸い声をかけられることなく厨房越しのカウンターまでたどり着くと
厨房内も全員が女性だった、ちょっと年齢の高い女性もいるけれど。
その中に全身黒尽くめのロングドレスを着た女性がいた。
髪をアップにまとめメガネをかけていて威厳に満ちている。
「ミストレスさまでございます」
メイドさんの1人がお辞儀をしながら言った。
とミストレスさんはわたしに気づき、そばへ来る。
ようするに店長さんなのだろう。
「華奈ちゃんのお友達ね。お似合いですわよ、お嬢さん。で、ご用はなぁに?」
かぁーと顔が真っ赤になっていくのがわかった。
「ア…アイスティを1つお願いします」
銀色の丸いのトレイを両手に捧げ、わたしは来た道を戻らなければならなかった。
しかも今度は1人で。
フロアにいる5人のメイドさんにわたしの存在は知れ渡っているようで、
同じコスチュームを着る仲間に対しての温かみとも
男なのにメイド服を着た異形に対する穏やかな侮蔑とも取れる
不思議な微笑をたたえながらチラチラと窺い見られていた。
10数人いるお客さん全員は新人メイドかと勘違いしているのか
洋服の中まで透かし見るような眼差し。
壁の所々にあるマジックミラーに自分の姿が写っては消える。
アイスティ1つが計りしれないほど重く感じ、腕は振るえ歩みは遅く
情けないほどにおどおどとしたメイドだった。
ようやくゴールのドアを開けると華奈子ちゃんが拍手をしてくれた。
「すごいすごい、やったじゃない美希子ちゃん」
トレイごとテーブルに突っ伏して枷の一部を外したわたしに抱きついてきた。
「可愛かったよ、ホントに。みんなの注目を浴びた気分はどうだった?」
押さえつけていたものが一気に溢れ出してきた。
「メイド服なんて着るの初めてだし、
こんな昼間に大勢の人の前に出るのも初めてだし、
もう…なにがなんだかわからなくて死んじゃいそうなくらいに……」
自然と涙が溢れていた。
「今はね。でもそのうち病みつきになるよ」
感情が高ぶったのはかつてないほどの不安を感じたせいかもしれない。
でも言葉にできない達成感があるのも事実。
「よーし、美希子ちゃんがそこまでしてくれたんだからボクの秘密教えてあげちゃおう」
あー、そうだった、そのことを忘れそうになっていた。
華奈子ちゃんの秘密を聞きださねばぁ!

 ▽ ▽ つづく ▽ ▽
自分のことを書くって恥ずかしすぎますぅ〜。




アニト (9月7日(木)00時14分29秒)
桃原美希子さん、こん○○は。
>時代の流れに左右されない「空想デート」あればこそですぅ。
時代の流れについていけない『空想デート』ですよ、のわっはっは。
たしかにネット世界は日々進化していますが、
それは技術であり手段であり、便利になったと感じこそすれ、
操作する人の心がついてこなければ進化とはいえないと思うのです。
大事なのは心、《自分発信をしたい》という想いや情熱です。
未だコンピュータは物語を作る空想力を誕生させてはいませんし、
相手を思いやる感情を持ち合わせてはいません。
人の心が作る『空想デート』であろうと心がけるしだいです。
《晒してもいい》限界があるから《毎日発信》できないから
その分想いが強くなる女装が楽しく感じられるのかもしれませんね。
>アニトさまはコスプレにはご興味がございますか?
以前はそれほどでもなかったのですが、今は興味津々なのですよ。
涼しくなってきたことですし、
コスプレ娘さんとも外出デートをしてみたいこの頃です。




桃原美希子 (9月27日(水)18時26分44秒)
■アニトさま■
日ごとに涼しくなって外出には最適な季節になりました。
夜は肌寒さを感じるくらいのときもありますけれど
一年中このくらいの気温だといいのにと思います。
先日あるサイトで女装して電車の中で下半身を露出した男性の事件記事を読みました。
もちろん捕まったわけですけれど
こういう不届き者は女装とは呼ばずに断固「破廉恥男」です。
法律に違反することは女装してもしていなくてもやっていいわけはありません。
お相手掲示板なんかを見ていると
「人がたくさんいるところで露出したい」とか「辱めてほしい」
なんてことが書いてあるときがあります。
女装と縁のない、関心や心の準備がない一般人の方々の前で
本当にそれをしちゃったら公然わいせつ罪かなんかにあたります。
痴漢されるために電車に乗るというのも痴漢者を助長させるだけなので
止めた方がいいと思うのです。
露出や痴漢の成功に味をしめた犯罪者が
次に自分の恋人や奥様や娘に手を出したらどうしましょ?
そんなトホホな事件で捕まったら家族はどう思うでしょ?でございます。
と〜きどき外出するワタシとしましても
みなさまが家に帰り着いた深夜になるべく人のいないところを選び
身なりはちゃんと整えていく・人の姿が見えたら隠れる、
ということを心に定めてご迷惑をかけないように
これからも気を配っていく所存でございます。
お仕事でちょっといやなことがあり、
こういうときこそ女装でイライラ解消と思ったんですけれどそれもままならず、
こういう形で発散してしまったことをお許しください。
物語は明るく進めていきまーす。
ちなみにアニトさまは勘違いな女装娘さんともデートされたことがあるのでしょうか?
−−− 湖中華奈子ちゃんの秘密 3−−−
上から読んでも下から読んでもコナカカナコの湖中華奈子ちゃんが注文して
わたしが運んできたアイスティを一気に半分ほど飲んで
ようやく気持ちが落ち着いた。
「もー、ホントにドキドキものだったんだから。
華奈子ちゃんってばどこでも女装しちゃってるわけ?」
「そんなことないですよぉ。ここと『ピンクブレイン』だけ」
阿賀佐水理さんと行ったアダルトショップ『ピンクブレイン』で
皐月くんこと湖中華奈子ちゃんに初めて出会ったことを思い出した。
「そうなの? もっといろんなところへ出歩いているのかと思った。
でもこの店ってどこからどうみてもメイド喫茶でしょ。
よく変身させてくれたね。他にもこんなことしてる子がいるの?」
「ううん、たぶんわたしだけ。
実を言うとね、カウンターにミストレスのお姉さんいたでしょ」
黒いロングドレスで身を固めた店長らしき女性のことだ。
あれで乗馬鞭なんか手にしていたらなんでも従っちゃいそう。
「ここで働かないかって誘われているの」
「うっそー!」
「ね、うっそ〜、でしょ。もっとうっそーなのは
はじめて来たときいきなり『メイド服着てみたいでしょ』って言われたの。
びっくりしちゃったぁ。でもついつい喜んじゃって隠し切れなかったのが始まり」
華奈子ちゃんも変わってるけどミストレスさんもどういう人なんだろう?
間違いなく純女さん、たぶん30歳前後かな?
女装娘を見抜く方法なんてあるのかしら?
「アルバイトは他でしているし、これでも一応家庭教師しているんだよ。
でも堂々と女の子になれる場所ってめったにないでしょ、だから。
やっぱりメイド服ってそそられちゃうんだよね〜 うへへ」
華奈子ちゃんはスカートの裾を持ちあげヒラヒラさせた。
「こんなこと家ではできないし、服とかも置けないから」
その気持ち、わかるわかる。
華奈子ちゃんは家族と同居なのだろう。
それにしてもマンガにありそうな設定だ。
家では女装できない男の子がたまたま入ったメイド喫茶の店長さんに気に入られ、
お店の一室で女の子に変身しているうちにやがて本物のメイドさんに……。
あっまだメイドさんになってはいないんだっけ。
「それじゃ『ピンクブレイン』の方は?」
「あそこは変身するだけの場所。ロッカー借りててそこに荷物を預けてあるの」
「そういうこともやってるの、あのお店」
「うん、わたしの他にも何人かの女装娘さんが利用しているよ」
「ででででっ、着替えてハッテンバとか行っちゃうわけ」
「えっハッテンバって何?」
なんと言葉の意味すら知らない。
それじゃ女装して何をしているというの?
「ハッテンバっていうのは女装娘同士が出会ったり、ときに男性と……」
「そんなところがあるんだぁ。でもそういう理由で女装するわけじゃないから」
「そ、そうなの。じゃ華奈子ちゃんが女装する理由って何?」
女装をする理由は人によっていろいろあると思う。
性を間違えて生まれてきてしまったと悩んでいる人。
アニメ好きが高じてコスプレにまで突き進んじゃう人。
オナニーの手段としてどんどん過激な刺激を求めてたどり着いた人。
変身願望・ストレス発散・マゾ性の転化などなどなど。
「誰にも言わないって約束してくれる?」
「もちろん」
女装の話はおいそれと誰かに話せるものではない。
たとえ相手が女装仲間だとしても第三者の秘密は守るのがルールだと思う。
「実はね……」
とそのときわたしのではない携帯電話の着信音が鳴った。
「はい。……うん、……えっ、うっそぉー!」
華奈子ちゃんは瞳をまん丸にして相手の話にうなづいている。
「……うん、わかった。……えっ、明日ーぁ、なななんとかする。……それじぁ」
電話を切ると大きくため息をついた。
「なんだったの? すごいことが起こったみたいなふうだけど」
「すごいの、すごすぎてどうしよう」
「なになになに?」
メイド喫茶で女装をしていることだけでも驚異の世界なのに
これ以上どんな天変地異が起こったというの?
「オーディションだってぇ」
「なんの? まさか女装オーディション?」
「違うよぉ。友達とバンド組んでるの。以前にデモテープを送ってあったらしくて
ちっちゃなライブハウスだけど受かったら歌わせてくれるんだって」
「すごいじゃない。でどんな系なの?」
「一応ロック。女の子ばっかりのカワイ子ブリッ子ロック、みたいな」
「へ〜。……って華奈子ちゃんそこでも女装してるの?っていうか女装バンド?」
「違うちがう、他はみんな女の子で僕だけ女装」
「そ、そうなの。で華奈子ちゃん楽器は何?どんな衣装なの?」
「僕はベースで、普段は普通にチェックのプリーツスカートにブルマとか
ゴスロリ風ミニワンピにガーターベルトとか
革スカートに白のハイソックスを合わせたりとかいろいろな組み合わせ」
「ぜんぜん普通じゃないでしょ、それって」
「だってあんまり平凡すぎちゃロックな雰囲気が出ないじゃない」
「そりゃそうだけど。にしてもなんで女装することになったの?」
華奈子ちゃんに会ってすぐに聞きたかったことが
まわり道して遠回りして山あり谷ありようやく本題に近づいてきたみたい。
「実はね……」

 ▽ ▽ つづく〜♪ ▽ ▽




アニト (9月28日(木)23時47分26秒)
桃原美希子さん、こん○○は。
書くことで《イライラ解消》ができるのであれば
どんなことでもここで吐き出してかまいませんよ。
《物語は明るく進めてい》くことが多い美希子さんも
リアルでは《いやなこと》があったりの感情の起伏がある。
挨拶文に作者自身の物語が読めるのも『空想デート』の楽しみです。
>勘違いな女装娘さんともデートされたことがあるのでしょうか?
むははは、思い起こせばここには書けない出来事が何度もありましたねー。
最近は慎重なメールのやりとりをしたうえで初デートに臨んでいますから
以前のような「会ってびっくり!」はほとんどなくなりました。
それでもメールのやりとりの段階で、相手のあまりにも無謀な要望に対しては
「それはできません」とはっきりお伝えすることがあります。
《法律に違反することは女装してもしていなくてもやっていいわけはありません。》
その通りなのです。
湖中華奈子ちゃんのように、女装を認めてくれる場所で
節度をわきまえた行動することがなにより自分の身を守ってくれます。




桃原美希子 (12月21日(木)16時50分43秒)
■アニトさま■
今年もあと残すところわずかになりました。
やっぱり彼氏はおろか現実デートもできませんでした。
臆病すぎると自分でも思っておりますけれど
ヘンテコリンな空想をいくつか書き続けてきたせいか
もしかしたらこんなこともありうる危ない出来事に遭遇するかもしれないなんて
悲観的な可能性ばかり考えてしまうのです。
物語の方ではハッピーエンドが多いわりには…です。
といっても現実問題としてクリスマスもお正月もお仕事ですし(たぶん)
今以上に女装娘生活を広げるわけにもいかないため
来年もできる範囲でシコシコしていきます。
大好きな人のおそばでラブラブな時間を過ごせたらなーと思っています。
アニトさまとデートされている皆さまがうらやましいですぅ。
クリスマスとかお正月の予定はいっぱいなのでございましょうか?
■秘書課OL宏美さま■
宏美さま、お久しぶりでございますぅ。
ワタシがここに書き込みを始めたときに
宏美さまは大活躍をしていらっしゃいました。
エッチ満載なのは物語だけでなく、ごあいさつ文も超刺激的で、
アニトさまとのチャット物語を読ませていただいたときには
それはそれはうらやましくて憧れて……。
それが大きな理由でアニトさまとつかの間のデートをさせていただきました。
ワタシにとって宏美さまは恋のキューピットさまでもあるのです。
これから小心者の後輩を見守っていてくださいませ〜。
■よしのさま■
はじめまして、よしのさま。
>私は中出真樹さんの小説の大ファンなんです。
わーい、おんなじでございますぅ。
真樹お姉さまの物語ってホントにエッチですよねぇ。
ワタシなりに考えますと
社会的にも見た目にも女性らしさを見せない男性が
女装をしたり同性を求めたり従属したりしてしまうその落差の大きさが
真樹お姉さまの物語の魅力だと感じているんです。
それにねっとり感と容赦なさ。
物事の深いところを見つめることのできる大人の女性だなーって思います。
■中出真樹お姉さま■
>イチローのヒットのように、コンスタントかつ内容の吟味された書き込み。
まるでテニスラケットで打ち分けしているような芸術的なヒットですよねぇ。
ワタシにはそんな真似はとてもできないので
フォアボールやデッドボールやセフティバントや振り逃げで
なんとか出塁率だけは上げようと狙っているんです。
奇策と逃げ足の速さだけが取り柄なんでございますぅ。
アニトさまが監督だとすると
真樹お姉さまはへッドコーチくらいの存在感があります。
今回の【エッチな物語】も濃密な描写と心理戦でとっても感じちゃいましたぁ。
空想デート球場だけでなくベッドの上でもコーチしていただきたいですぅ。
−−− 湖中華奈子ちゃんの秘密 4−−−
話をまとめてみるとこういうことらしい。
女装娘の湖中華奈子ちゃんには女性の彼女がいる。
(うらやましい〜)
大学に入って知り合い、付き合いだして半年くらいらしい。
彼女はバンドを組んでいてメンバーの1人が留学することになった。
それで高校時代にやはりバンド活動をしていた華奈子ちゃんにお声がかかった。
ただ問題は抜けたベースの代わりができるかどうかではなく、
メンバー全員が大学校舎から程近い女子寮住まい、つまり女性のみ。
(それもうらやましい〜)
それに寮内にある音楽ルームで練習をしているということだった。
定員50人の女子寮はきびしい寮母さんがいてもちろん男子禁制。
どこかのレンタルスタジオを利用すれば話は簡単なのだけれど
そこはそれ財政厳しい大学生であり
他に音楽ルームを利用する学生がほとんどないこともあって
(内緒話の場としてときどき利用している人がいるくらいとのこと)
タダで確保できる練習場所を変更する予定はない。
ということはメンバーになるには女子寮に入り込まねばならない。
女の子に変身してみたら?と彼女が言ったというのだ。
そういう経験はなかったけど彼女の勢いに押され、好奇心も手伝って
かくして湖中華奈子ちゃんの誕生。
「で、どうだったの?」
「ベースはちょっとだけ弾いたことがあったから
抜けたメンバーの子のを借りて家で練習してなんとかなったけど、問題は女装。
お化粧の仕方を教えてもらってその練習のほうがたいへんで。
みんなから洋服をもらったり下着を買いに行ったり、
靴やウィッグは通販で買って、まるで女の子たちのおもちゃみたいな状態で」
そう話す華奈子ちゃんはなんだかうれしそうな顔をしていた。
「でも女装して女子寮まで行かなきゃならないわけでしょ?」
「そう、それが一番のネックだったのよ」
華奈子ちゃんはご丁寧にもノートを取り出し地図を書きながら説明してくれた。
「ここが寮。すぐそばに学校。僕の家はだいたいこの辺」
寮と学校の間は1センチ、そこから華奈子ちゃんの家印は
20センチ以上離れたノートの端っこに書かれた。
歩くには距離がありすぎるだろうし、車は持っていないということだから
公共交通機関を使わなければならない距離だと思う。
「ここは?」
「このお店は……駅がこの辺とするとここらあたりかな」
寮との距離は半分くらいに縮まったけどまだまだある。
「『ピンクブレイン』はこのあたりね」
わたしたちが出会ったアダルトショップはもう少し寮よりだけど角度が違う。
「そこからはどうやって行くの?」
「自転車。『ピンクブレイン』に預けてあるの」
「わー、すごい。女の子で自転車乗ってんだぁ」
「ベース背負ってるから変な恰好してても許されちゃってるところがあるみたい」
「そういえば一緒の学校に行ってんでしょ?学校で着替えれば寮に近いじゃない」
「さすがにできないよぉ、友達に見られたら困るし」
「だよねぇ。で、寮に着いたらどうしてるわけ?」
「彼女が入り口で待っててくれて友達のふりしてコソコソって」
「寮母さんや寮生に見つからない?」
「寮母さんとはときどき出会っちゃうことがあるけどお辞儀して通り過ぎちゃう。
中に入っちゃえば中庭突き抜けて一直線にスタジオに入っちゃうから
あんまり寮生には会わないの。でも何人か知り合いがいるからけっこうドキドキ」
「大胆〜。そんな苦労してるんだぁ」
「苦労っていえば苦労なんだけど、最近は女装がおもしろくなっちゃって
彼女と一緒にショッピングしたり1人で出歩いたりするほどに」
「すごいねー」
もしかしたらと思ってノートの一点をさして訊いてみた。
「知ってる? このあたりにある『果樹園』てお店」
「知らない。何のお店?」
「女装スナック」
「って何?」
「えっ、女装スナック知らないの?」
「うん」
「あっ、ハッテンバの意味も知らなかったんだっけ。
女装する人たちが集まるお店、って言ったらいいのかな」
「うっそぉー、そんなお店があるんだぁ。美希子ちゃん行ったことあるの?」
「ないの。ねっねっ今度一緒に入ってみない?」
「イクイクイクぅ〜。あっ、そこって開店は何時から?」
「スナックだから夕方6時とか7時じゃないかなぁ。
もしかして着替え場所にしようと考えてる?」
「ちょっとね。でもそれじゃ練習の時間に間に合わないこともあるし」
「だったら近くに『フルーツ畑』ってお店もあるよ」
「そこもスナック?」
「ううん、コスプレヘルス。
そこだったらもうちょっと早い時間から開いてるんじゃない?かな」
「ひゃ〜、ヘヘヘルスって……気持ちいいことしてくれるトコ?」
「まっ一言で言っちゃうとね。なんでも女装コースがあるらしいよ」
「そそそういう世界もありなわけ?」
華奈子ちゃんは大胆な行動をするわりにはウブみたい。
「でもどっちもスタジオ借りるくらいはお金がかかっちゃうだろうから
難しいと思うんだけどね」
「なーんだ。あっそうだ、もしよかったら練習見に来る?」
「って女装して女子寮に入るってこと?」
「もちろんっ。興味ある? おもしろいよぉー」
えへへへ、すごーく興味ありあり。

▽ ▽ おわり〜♪ ▽ ▽
湖中華奈子ちゃんと出会った『ピンクブレイン』に結びつけるのは
当初からの予定だったのですけれど
半ば強引に『フルーツ畑』と『果樹園』の名前も出しちゃいました。
となればそのうちスモモさんやエクボさんや他のみんなにも
会うことになるんじゃないかと目論んでいるわけでして……。
もしかしたら女子寮で事件がおきて
迷探偵阿賀佐水理氏が女装して再登場なんてことになるかも。
いくつかの物語へのつなぎの物語ということでご容赦くださいませ〜。
3つのお店や他の物語には「桃原美希子の部屋」から直行便が出ております。




アニト (12月23日(土)01時21分51秒)
桃原美希子さん、こん○○は。
「湖中華奈子ちゃんの秘密」完結おめでとうございます。
可愛い女装娘さんたちの秘密話を聞いているようで微笑ましく読みました。
こんな2人とデートができたら・・・むはははは。
続く女子寮への潜入物語と
このメイド喫茶のミストレスさんの存在が気になるところです。
ジグソーパズルように1つの物語が別の物語とつながり、
今は接点がない物語もいずれはどれかの物語とつながっていく。
どれもが全体を成すための大切な物語の1つであり
ジグソーパズルような構成が美希子さんの物語のおもしろさです。
これからも女装の輪を大きく広げていってください。
実は《現実デート》も同じなのですよ。
わたしがお付き合いしている女装娘さんたちは
リアルな生活の中ではたぶん出会わなかった人たちです。
しかしもしかしたらどこかでなにかでつながっていたのではないか、
今はつながっていない人もいつかつながりができるのではないか、
そう思うときがあり、縁の不思議さを感じます。
《クリスマスとかお正月》は女装世界でのデートはありませんが
他の日に何回か《ラブラブな時間》を過ごします。
実は先ほどまで・・・むふふふ。


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