淫乱秘書隷嬢 吉田聡美 (10月14日(金)00時41分19秒)
アニト様>
チャット、ありがとうございました。癖になっちゃいそう!
数学的答えって・・・どっひゃぁ!ホントだ!
昨日、せがれに文章題はよく読んでって説教したとこなのに・・・
ま、DNAってことで解決ね。(え?解決になってない?)
>オナニーをしたいと思ったときに聡美は悩むかい?。
悩みません!
だから今もアニト様を思い出してクリちゃんしごき初めてまぁす!
で、アニト様のご指示通り、どんどん出しちゃいます!
その名も「未曾有奇譚」!
古典の怪談物といいますか、雨月物語なんかを意識しつつ
ちょっとシリアスに書いてみようかと。
今度は連載物じゃなく一話か二話で完結です。
で、それがたまっていって怪奇エンサイクロペディアみたいな
水木先生みたいなのんになればいいんですけど。
恐らくそんなに長続きはしないと思うんですが。
頑張ります。
鬼束権太様>
チャングム楽しみですぅ。
大長今って知ってるって留学生に聞いたら
韓国で大長今知らなかったら
日本で太閤秀吉知らないのと一緒ですよ、そんな人いませんよ。
と言われました。
隣で聞いていた史学科の大学院生が太閤秀吉って誰ですか?
豊臣秀吉とは違うんですか?って言ってるのを聞いてショックを受けました。
天井の方は落ちないように
収納品が引っ張ると現れ、紐を離すと奥に隠れるという仕掛けで
いちいち上にもぐりこまなくてもよい仕掛けにしました。
『未曾有奇譚ー序ー』

世間に希有なる事、未曾有の物語あり。
有ること稀なり、未だ曾って有らざることといへども
是くの如きの話あまた耳に憶ゆ。如何でか未曾有ならざらん。
古ゑ釈尊出世の折、大地震動、珍妙の花雨降らす。
釈尊成道の後、弟子阿難問うて曰く
「世尊生誕の砌、大地震動し妙華雨降らしたりと聞く。
希有未曾有なり。その故いかん」と。
釈尊答えて曰く「この事、如何でか稀有未曾有ならんや。
これ自然法爾の道理なり。汝らの真理を心得ざるに過ぎず。
唯、仏と仏とのみ能く之れを知れり。」と。
我今生死輪廻の凡夫、いかでか道理を悟らん。
されば見聞しきあり呈をのみ瀉瓶の如く伝え記さん。
強ちに虚実詮議すること勿かれ。
<大意>
世の中には有り得ないような出来事や
今までに聞いたこともないような不思議な話があるものです。
まれにしかないことだ、今まで一度もなかったことだと
いうけれども、このような話は山ほど聞いて知っています。
どうして今まで一度もなかった話になるでしょうか。
昔、お釈迦様がお生れになった際、地面が大きく揺れたり
珍しい綺麗な花が天から降ってきたことがありました。
お釈迦様がお悟りになった後、弟子のアーナンダという人が
「お釈迦様がお生れになった時、地面が揺れたりきれいな花が
天から降ってきたと聞いています。本当に不思議なことです。
こんな不思議なことが起こったのは何故ですか?」
とお尋ねになりました。
これに対してお釈迦様は
「そのことがどうして不思議であろうか。
これはごく当たり前の筋が通ったことである。
おまえ達が真理に気付いていないだけのことだ。
ただし仏と仏との間でのみお互いに理解しあえることなのだ。」
とお答えになりました。
私は現在に至るまで何度も生まれては死に、
死後も安住の悟りを得られずにまた生まれ変わり、
また生まれては死にということを繰り返してきた愚かな身でございます。
どうしてものの真実を悟ることなど出来るでしょうか。
決して叶いません。
ですから自分が見たり聞いたりした事実だけを
一つの瓶に入っている水を一滴残らずもう一つの瓶に移し替えるように
正確にお伝えさせていただこうと思います。
安易に嘘か誠かなどと論議したりなさいませんように。





淫乱秘書隷嬢 吉田聡美 (10月14日(金)00時50分12秒)
アニト様>
どんどん出しちゃえ!ってことなんで抜かずの二連発!
第一話は浦島伝説です。
主人公の名前を考えるのに歴史的な名前って考えてたら
鬼束権太様にたどり着きました。
そのままではあまりにも失礼かと思い
糠袋権太様!かっこいいでしょ?
聡美の今回のネタは昔から好きだった水木先生と京極夏彦さん、
それに河鍋暁斎っていう江戸の絵師がミックスされて出来てます。
基本的に聡美がこわがりなんでほどよいホラーにしようかと。
ストーリーテラーは大河ドラマ義経風です。
『未曾有奇譚第一』「竜宮」上

古うから言い伝えられてる話の中にもようよう見ると
不思議な事が書かれてあるもんどす。
猿蟹合戦やゆうて動物同士の仇討ちはあることどすけど
木臼やとか牛の糞が猿からひどい目に逢うたやの
仇討ちやの言うのはやっぱり不思議なことやと思わはらしまへんか。
浦島はんの話も知らん子はいやしまへんけど、
あれかてよう考えたら不思議なことどす。
子供らが悪さしてた亀を助けてやったというだけのことで
龍宮へ連れていてもろて、海の底でそれは楽しい接待を受ける。
これだけでも不思議なことやのに、
二三日して陸へ戻ってみると大層時間が過ぎてて、
蓋を開けてみたら途端に白髪のおじいさんになってしもたやなんて
これこそ未曾有の話やおまへんか。
一説には迎えに来た亀は豊受大神の化身やとも言われてますけど
神仏の類やなかったら無理なことやとは思います。
けどこれと似たような話は日本中、
いや海の向こうの国にまであちこちにたんとあるのやそうどす。
見知らぬ場所へ行ってしもた人は
何が楽しゅうてそないに長居してしまわはるのどすやろか。
よほど心引かれるものがあったんどすやろなあ。
これからお話いたします殿御も魅せられてしもた一人でございます。
昔、淡海の野洲ゆう所に糠袋権太という大層腕丈夫のお侍様がいはりました。
この御方は力自慢だけやなしに物怖じすることがない剛の者やと評判でございました。
幼い時に二親に死に別れてからは二つ下の弟さんと一緒に暮らしてはりましたが
五年前に弟さんも行方知れずになって今はお一人でお住まいでございます。
ある夜のこと、この権太様が独り者の唯一の楽しみ、
晩酌を終えてもう寝よかいなと火の始末をしておりますと
表の戸を叩く音がする。
誰やしらんと戸を開けて見ると年若い娘はんが立っといやす。
何の用やしらんと尋ねてみるとその女御はんは
竹生島に住んでおられる女主人のお使いで来はったそうで、
ご主人が剛の者で評判の権太様に会わせたい人がいる。
よう知ってる人やから是非逢うてあげて欲しいとのことどした。
無下に断る必要もないやろと何時寄せていただくかと尋ねはった所、
明後日が十五夜やさかい良いというので
二日後の昼を済ましてから行くことに相成りました。
さて当日、約束した近江八幡の長命寺の北の浜で待っていると
俄かに空が曇ってきて雷が鳴りだしてきつい雨が富ってきましたんやそうです。
こら、かなん!どこぞで雨宿りしようと立ち上がりかけた時どした。
地面も割れるような物凄い音と共に稲妻が光ったんどす。
その時どす。権太様の目の前に青白い光の柱の中に
恐い顔した竜がずずぅっとお姿を現わさはったんです。
その瞬間、権太様は気を失って浜辺に倒れこんでしまわれました。
どれくらい時が過ぎたんどっしゃろ。
ふと目をお醒ましになると権太様は
水晶、瑠璃(サファイア)、馬瑙、
浄坡離(クリスタル)、金、銀といった宝石で出来た
まばゆいばかりの部屋に寝ておられたのでございます。
どこやしらん、誰もおらんのやろかと辺りを見回してると
先日尋ねてきた娘さんがお供の女御さんを五人ほど連れてお越しになって
主人の待ってる部屋に案内するというので付いていかれました。
長い廊下を渡っていくのどすけど、
なにせ壁も天井も浄玻離で出来てるもんやさかい外が透けて見えますのや。
驚いたことに連れてこられたこのお家は琵琶湖の底にあるらしゅうて
頭の上や壁の横を鯉、鮒、鮎やオイカワ、アマゴや岩魚といった魚が
すいすいと泳いでいきます。
ようようのことで辿り着き、金剛石(ダイアモンド)で出来た扉を開けると
広い部屋の真ん中には膝ほどの深さの池があり、
池の中程にある大きな岩のてっぺんから暖かいきれいなお湯が懇々と湧いております。
その池に湯浴み姿のきれいな女御はんが10人あまり浸かって戯れてはります。
その中でも一際美しい女御はんが立ち上がられて
さあ、懐かしい御方、こちらへ来てこのお湯をお飲み
ゆうて湧き口から金の湯呑みに汲んで差し出されました。
権太様は、おかしなもんでも飲まされたらかなんと思もて口も付けずに
初めて目通りいたす、不躾ながらご貴殿の御名は?
と問われました。
私は、貴方のご両親が日々に参っていた庭の祠の弁財天です。
ゆうて仰られたのを聞いて、信じられん様子でおられると、
貴方は小さい時は泣き虫で女の子のように弱くてやさしかったので
権姫と呼ばれてよう祠の傍で泣いてましたなあ
と、誰もしらんはずのことを言われてびっくりなさいました。
その弁天様が私に会わせたい方とはどなたでございますか?
とお尋ねになられると、弁天様は池から上がられ
権太様の手を引きさらに奥の小さな部屋に導かれました。
そして権太様の手から湯呑みをお取りになるとそれを口にお含みになり、
いきなり権太様を抱き寄せ口移しに飲まさはったのでございます。
今まで女御の唇どころか手も握ったことのない権太様は
抱き寄せられて、自分の胸板にあたる弁天様のお乳のやらかさ、
ふれあう唇の熱さに頭がほおっとなってしもて声も出せまへんどした。
弁天様は湯を飲まし終わるとすっと体を離され、
さあ、これへ
と、どなたぞお呼びにならはりました。
気が付くとこれまた見たこともないべっぴんの
それでいて不思議になんやら懐かしいような思いのする女御はんが立っといやした。
娘さんの顔に見とれてる内に弁天様はどこへお行きやしたか
権太様と娘はん二人きりになってました。
どこかで逢うたような気がするけど思い出せんで
なんと声かけてええもんやらと思案しておりますと
娘はんの方から深々と頭を下げて
お懐かしゅうございます
とおっしゃいますので
誠に申し訳ないがどこでお会いしたやら思い出しかねてるのでお教え願えませんか
とお頼みになられました。
それを聞くと娘さんは少しくすりとお笑いになってから
お分かりにならぬのも無理からぬことでございます。
私は五年前に行方知れずになった弟の糠袋秀継でございます
と仰せになられたのでございます。
なんと、秀継やと申すか!そういえばどこかなしに・・・
しかし秀継ならば何故にそのように女御のなりをしておるのや。
疑いながらそうお尋ねになりますと
秀継殿は訳をお話になられたのでございます。

(この続きはまた明晩にでもいたしまひょなぁ。)




淫乱秘書隷嬢 吉田聡美 (10月15日(土)15時03分05秒)
アニト様>
聡美は小さい頃からそうなんですが
恐いくせにお化けの話とか妖怪とか興味があって本も買ったりしてました。
でも読み始めて少し経つと恐くなって、本を片付けちゃうんです。
だから読むのにとっても時間がかかっちゃって・・・。
中でも恐い挿絵が書いてあったりすると最悪!
二度と開かないようにそのページをホチキスでとじちゃったりするんです。
あと、今回の内容とかでもそうですけど恐いってゆうより不思議な話とかも好き。
子供の頃、世界の謎とミステリーみたいな本が沢山あったじゃないですか。
とりわけ多かったのがUFO!
聡美ね、見たことあるんですよ!
小5の時にグランドで野球してたんです。
うちのチーム、ノーコンのピッチャーでライトの聡美は
一向にボールも飛んでこないんでぼんやりと空を見つめてたんです。
夕陽に照らされた小さな雲の切れ端がオレンジ色に光って
きれいだなあって思ってみてたら、
その内にその雲がだんだんと丸いボールみたいな形になってきて・・・
え?何あれ?って思ってセンターの友達に声かけたら
その子もびっくりして「何や、あれ?」って叫んだんです。
結局、グランドの全員が何だろう?って見とれてたら
突然、ぶい〜ん!って飛んで消えちゃったんです。
その時、グランドにいた12人(1チーム6人、二塁、ショート無し)は
その話題で持ちきりだったんですが、
女の子や野球以外のことして遊んでた奴ら(少数派)は信じてくれなかったの。
多分、UFOを見たって信じてた11人に聡美が女装してるっていったら
もっと信じないだろうけど。
さってねえ、女装してるジャイアンなんてイメージしにくいでしょ。
『未曾有奇譚第一』
「竜宮」下
「私は小さい折から兄上のお側にいて、
困ったことがある度に兄上から助けていただいてばかりでございました。
ほんまは兄上かてそないに強いお方やおへんのに
弟の私を影になり日向になりかばってくれはりましたなぁ。
そうして大きいなった私は、
恥ずかしながら兄上様に恋心を抱いてしもたのでございます。
そやけど男の、いやまして弟という血のつながった身である私が
兄上に恋心を伝えることなど出来るはずもございません。
しかたなく五年前のあの日、私は死のうと思うて
貴方様のねておいやす間にそぉっと抜け出し
裏の弁天様に兄上のことをよろしゅうと頼んで家を飛び出しました。
誰にも気付かれぬようにと夜の間に小舟を漕いで
竹生島に渡って崖の上から身を投げました。
目が醒めるとこの竜宮におりました。
弁天様にお会いしてことの次第を告げたところ、
弁天様がお言いやすのは
そなたは男として権太に惚れたか女御として権太に惚れたか
どっちやゆうてみ
とのこと、即答はしかねましたが、思案の末
兄上様に抱かれてみたい、寵愛をうけたいと思う時の私は
間違いのう女御でございますとお告げ致しました。
それを聞いた弁天様は私に
そなたは既に死んだ身や。
この竜宮は蓬莱山というて常世の国にある。
この国へ来たらもう娑婆でのしがらみ、血縁は関係なくなってしまう。
お前の兄もこの弁天に信心してる故、
いずれか寿命の尽きた時には兄もこの竜宮へ罷りこす。
そしたらその時には夫婦になれるよう
そなたを女にしてやろう。
しかし仏の世界では女身は穢れの身、
本来なれば皆男となって仏となる修行をせねばならぬ。
それ故、男根だけは断つことが出来ぬがそれでも良いか?
と仰有るので
是非もないこと、見た目なりとも女御の姿が望ましゅう存じます。
とお頼みいたしました。
そしてこのように女の姿にしていただいて
兄上がお越しになるのをいつかと待っておりましたが
恋い焦がれる思いが昂じたか、常世の国とはいいながら
何をする気も失せてじぃっとしているばかりでは生前作りし徳業も失せ、
このままでは地獄へ退転してしまうと弁天様が案じられまして、
わずかに一晩、二晩でも兄上に会わせてやろうと遣いの方をお出しくださり
こうして再会が叶えられたのでございます。
先ほど兄上がお飲みになられたのは命の泉、
あれさえ飲んでおれば寿命は尽きませんゆえ、また娑婆へ戻ることが出来ます。
兄上はこんな姿になった私がお嫌いになられましたか?」
そのように秀継様が仰せになろうとするのを
権太様は口を塞ぐように熱い接吻をなさり
「何を嫌うはずがない。
正直に申せばわしとて何度かそなたを愛おしゅう思うて抱きしめたいと考えていた。
さあ、そなたの女御となった体を見せておくれ。」
そう言われると秀継様の湯文字をそろぉっと脱がされたのでございます。
そこには豊かな乳房を具え、柔らかな肌を持った美しい女の体がございました。
そして秀継様が恥ずかしさにおずおずと前においた手をのけられると、
そこには立派な男はんの逸物が空を向いて立っており
鈴口からは随喜の涙のごとく露が滲み出て糸引くようにたれているのでございます。
もう権太様は狂おしいてたまらんようになって秀継様を抱きすくめられると
秀継様の男根を銜えて嘗め回されたのでした。
「兄上、このような逸物があってもお嫌ではございませんか」
とお尋ねになられると
「何がいやなことのあろう、逸物やなしに秀継のさねを嘗めてやるのじゃ。」
と言われて音を立ててすすられるのでした。
「ああ、兄上、秀継などと呼ばずにいっそ秀と女御の名で呼んでくださいませ」
とお頼みになられるので
「お秀、そなたは可愛い女じゃ。
この常世の国では兄ではなしに権太と呼んでくれ。」
と仰せになられました。
「ああ、権太様、秀のほとに権太様を下さいませ!」
「秀、ここにわしの逸物が欲しいか、それこうか?」
「ふふぅん、もうようございます。もっと、突いてたも。」
「こうか、こうがよいか?ほれ、ふんふんふん」
「はぁぁ、よございます!よい、よい、ようございまするぅ」
「もうよいか、いきやるか、こうこう、」
「はぁ、いくいく!いってしまいまする!兄様も一緒にぃ!」
「ええか、ええのか、わしもゆく!」
「中へきておくなましぃ!」
「いくわい!」
それからというもの、お二人は一晩中身を一つにして
お互いを愛で求め合われたのでございます。
その内にいつしかあべこべになり、
とうとう秀継様が権太様の尻へ逸物を嵌められて
「兄上、いかが、いかが?」
「はぁぁ、よい!よいわいの!
かようによいなら私も女御に生まれとうございます。
いくわいの、もういきまする!」
「こうよいか、こうよいか?」
「よございます!ようございます!」
「もういきまする!お秀様も一緒にきておくなまし!」
といつやら女御言葉まで使われるようになり遂には
「はぁぁぁ、お権のおさねもしごいてたも!
いきまする!お権、いきますぅぅ!」
と、さねの先より白き露垂れ流しながら
秀継様の子種を尻に受けられたのでございます。
それより、二日あまり女になられた権太様と
秀継様の寵愛は耐えることなく続きましたが
やがて、弁天様より呼び出され、いよいよ娑婆へ戻る時が来たのでございます。
ゆうても、ものの二日三日のことでございましたが
お二人には寝食も忘れてのご寵愛だけに大層に長ごう感じられたのやと存じます。
いよいよ別れる時、権太様は鏡に己の姿を写しながら
うっとりと酔うたような表情で裸の乳首を揉みながら
「いよいよ私も娑婆へ戻る時がきた。
寿命尽きた時には一目散にこの蓬莱山に参ってそなたと姉妹になりたいものや。
弁天様、どうぞその時にはお計らいの程を。」
とお頼みになられました。
弁天様もあまりに愛おしそうに別れを惜しむ二人のお姿に
「権太や、娑婆に戻ればそなたは時の流れに驚くやも知れぬ。
もし、もう自分が居るような世でないと思うたなら
その時には、この徳利の水を飲むが良い。そなたの願いが叶うであろう。」
と二合ほどの徳利に詰めをして渡されたのでございます。
さすがにいよいよ娑婆へ戻る時になりますと
以前の剛の者と謳われた糠袋権太様にお戻りで
「秀や、わしも娑婆には淡海にその人ありと云われた剛の者、
与えていただいた天命を見事果たして男児の本懐遂げましょう。
そして、この蓬莱山へ戻って来た時には
晴れてそなたと姉妹となって女の悦び、末永ごう楽しみましょうぞ」
と言い残して娑婆へお戻りになったのでございます。
・・・・・・
さて目を醒まされると元いた長命寺の北の浜に倒れておいやした。
自分の家に戻ってみると出た時と違ごうて
ひどう荒れ果てた様子で中に入るにも戸も開かん有様でございました。
どうなってるやしらんと隣に行ってみると見たことのない人が出てきはったんで
隣の家のもんですがなんぞありましたか?とお尋ねになられました。
隣の家の人もびっくりしたご様子で
今から70年ほど前に行方知れずにならはったまま
空き家になってると言われるのでした。
奥から出てきた80にもなろうかという老婦人がしげしげと
権太様のお顔をご覧になり、びっくりしたご様子で
お隣のお侍さんや!と仰有いましたが
家の方が奥へ連れ戻さはって
おばあちゃんはこの頃、ぼけてしもて
明治維新から三十年以上も経ってるのに侍もあったもんやないと言われましたが
権太様には維新やの明治やのと何のことやらさっぱり分からぬ話でございました。
それからしばらく世間の様子を見るように過ごしておられましたが
時代もすっかり変わってしまい侍としての生き様をしているだけで
あの人は頭がおかしいのと違うか等と噂されるようになり
そんな世が嫌でしょうがないと思われたのでございます。
ある夜、もうこの娑婆にわしの居所はないと
思いを決めた権太様は、あの竜に出会うた長命寺の北の浜へ行き
弁天様から貰ろうた徳利の水をお飲みになられたのでした。
その夜、偶々、夜釣りをしていた漁師が
浜でうら若い娘が不思議なことに身の周りを青白くきらきら光るもので覆われて
戯れるように竹生島の方へ泳いでいくのを見たという
噂がしばらくの間、されてましたけど
権太様、今はどうなさっておいでですやろ。

(第一話完)




アニト (10月16日(日)23時50分50秒)
淫乱秘書隷嬢 吉田聡美へ
作者との久しぶりのチャット、わたしも楽しんだよ。
「鉄腕サトミ」のこの後の展開、そうなるのかぁ!。
おっと、このことは今のところ聡美とわたしだけの秘密だ。
>今度は連載物じゃなく一話か二話で完結です。
ふむふむ、『未曾有奇譚ー序ー』は凝ったスタイルでスタートしたねー。
聡美の物語を読むとき、これほどまでの語彙や文体を
どうやって身につけてきたのかと不思議に思うことがよくある。
ん?「この事、如何でか稀有未曾有ならんや。これ自然法爾の道理なり。」とな!。
それでこそわたしの淫乱秘書隷嬢吉田聡美だ!。

もひとつ淫乱秘書隷嬢 吉田聡美へ
『未曾有奇譚第一』「竜宮」完結おめでとう。
2話と短いが読み応えのあるいい物語だ。
わたしも《怖い》ものは苦手でね。
映画やテレビで怖いシーンに出くわすと思わず目をそらすのだが
最近の映像はサスペンスではなくサプライズ中心で間に合わぬときがある。
もっとも映像は作者が作った怖さであって、
文章の怖さは読みながらそのシーンに一番合った怖さを
自分で空想するわけだから後に引いてなおさら怖い。
赤ちゃんは怖いものに対する知識が無いから怖いもの知らずなのだそうだ。


メニューへ戻る
動画 アダルト動画 ライブチャット