中出真樹 (10月1日(土)14時02分32秒)
▲アニト様▲
ついに『Cthulhu神話』への扉を開けてしまいました。
これをクトゥルーと読むか、クトゥルフと読むか、
はたまたク・リトル・リトルと読むべきか、はてさて。
ほかにもクスゥルゥ、クスルウ・・・といくらでも候補はあるのですが、
正解は決まっていないのです。
たいへん有力な読み方でありながら意外と活字として出てこないのが
クルウルウという読み方です。
『ク・リトル・リトル』って何?と思われた方は
素早く読んでみるとクルウルウに近い感じの発音になると思います。
クルウルウからだとクトゥルーやクトゥルフへの変化も自然になりますよね。
さてさて、アニト様。
なぜにわたしがこんな発音のことを書いたかといいますと、
これから物語を書いていくうちに、神話の固有名詞を記すことになるかもしれません。
ナイアルラトホテップか?ナイアールラトテップか?ニャルラトホテプか?
ヨグ=ソトトか?ヨグ=ソトースか?ヨグ=ソトホートか?
で、決めました。わたしの好きな発音でいこうと!
『Cthulhu』についてはこれまでどおりクトゥルーにいたします。
でも、クトゥルー神話という言い方はやめます。
クトゥルー神話はオーガスト・ダーレスが設定した
旧神対旧支配者という設定のものと一般の方には理解されていますので、
これはラヴクラフトの信奉者からは許しがたいと非難されているものなのです。
(本当はもっと複雑なのですけど)
ダーレスの功績は高く評価しているのですが、
わたしも一応ラヴクラフティアンの一人なのです。
いわゆるダーレス神話と言われる設定はちょっと受け入れられないものがあります。
ちなみにクトゥルー神話のネーミングの元になっているクトゥルーは、
ダーレスの設定でこそ旧支配者ということになっていますが、
ラヴクラフトの神話(原神話)では旧支配者よりも下位の存在なのです。
わたしが書く物語の背景はやはりラヴクラフトが設定した原神話です。
ラヴクラフトはもとより、
画家であり詩人であり作家であるクラーク・アシュトン・スミスや、
ロバート・ブロックの描く神話の世界でありたいのです。
ということで、わあ〜・・・へ理屈ばかりこねてしまいました。
おわびのしるしにブッチュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あっ、ゴキブリお尻でつぶしちゃった。
▲田神真緒さま▲
おっ、ラヴクラフトに関するコメントがあるとドキッとしてしまいます。
ラヴクラフトのファンは気合が入っている人が多いので、
いつ非難されるかとドキドキしているのです。
やはりドキドキはエッチなことでするほうがいいですよね。
でもラヴクラフトの小説にはエロスというものが存在しません。
彼の父は精神を病んで亡くなり、母も精神を破壊されてしまいました。
ハワード自身も病弱で精神的なものも両親から受け継いでいたようです。
彼は異様な夢を見ることがよくあり、それを小説の題材にしていました。
心の奥底に秘めた狂気が幻想文学の大家を生みだしたのかもしれません。
わたしの内に秘めているマゾヒズムは・・・何も生みだしませ〜ん
▲相原君呂さま▲
はじめまして、中出真樹と申します。
女装教師という語を見てドキッといたしました。
わたしの途中で中断したままの『女装教師 真樹』という物語が・・・。
うわっ、完成するのはいつのことやら。
なんだかここでお世話になって時間ばかりがたつのですが、
物語の進行はカタツムリ状態です。
こんなのんびりのわたしですが、これからもよろしくお願いいたします。
▲吉田聡美さま▲
不可解にして無慈悲なる混沌が無定形の癪気を生み出す。
太古よりの記憶が蘇り、説明し難い狂気の気配が満ちる。
実体が存在するのかドアの向こう側には原初の宇宙がごとき脈動がうごめく。
フルートの奏でる調べが次元を隔てた世界をいざなう。
輝く球体はその無数の触手を時空の制限を無視して蠢かす。
中で我を待つのは千匹の仔を孕みし森の黒山羊がごとき存在か。
ん?ん?ん?  なんじゃこりゃと思われましたか〜。
神話デビューを果たした『這い出る混沌 中出真樹』ということで。
>男女同居、如何ですか?
というご質問に、彼女が待っている部屋のドアを開ける瞬間を
幻想怪奇風に書いてみました。
おおっと、わけがわからん?
んんんっ、確かに確かに。
なんか変なことばかり書いておりますが、中身は変わっていない中出真樹なのです。
▲鬼束権太さま▲
>そうすね、権太の場合は可愛いモノ評論家でもありますので
なるほど、権太さまは可愛いモノ評論家だったのですね。
ヒラヒラ・フリフリのメイド服というのは確かに可愛いです。
>ただしメイド服を着こなせる女の子は現実には少ないです
女の子でさえ少ないのですから、女装娘さんにとっては大変だと思います。
ときどき女装でメイド服の人の写真なんかを見ても、う〜ん・・・ですね。
他の格好ならきれいな女装娘さんでも、メイド服は着こなせていない。
女装する人にとってメイドさんスタイルは鬼門なのかもしれません。
で、身近にメイドさんの似合いそうな人はいないかな〜? と探してみると。
おっと、いるではありませんか。
男の中の男!!!権太さまっ。
わたし中出真樹が考えるにメイド服を着こなすことができるのは、
ルックスの可愛らしさときりりっとした精神。
これを兼ね備えているのは男!!!権太さまだと思うのですが。
▲みんなの妹スーパーアイドル美希子ちゃん▲
>幻想怪奇っていうと江戸川乱歩の名前がポンと浮かんでしまい
>真樹お姉さまの幻想怪奇と方向性が違ってたらごめんなさーい。
いえいえ、江戸川乱歩はラヴクラフトの作品を紹介した人でもあるのです。
それに乱歩といえば御本家はE・A・ポーですが、
ラヴクラフトに強く影響を与えたのはダンセイニとポーだと言われています。
>アニト様も書いておられますけど、すっごくすばらしいです。
>こんな作品を書ける真樹お姉さまをカッコイイとも思いました。
いやいや、こんなにほめられると恥ずかしくてなってしまうじゃないですか。
これは本当に突然変異的な結末だったのです。
予定なんか全然していなかったし。
ところで、
>中出真樹お姉さまのバニーガール姿、拝見したいですぅ。
うひゃっ! これは怖い。中出真樹のバニーガール姿・・うぷっ。
ひょっとしたらラヴクラフトの小説よりも怖いかも。
いやいや、間違いなくこわ〜い。
んんんっ?ということで〜。
怖がらせようと思ったら、バニー姿をお見せすればいいわけね。ぞ〜っ。
・・・思念のかけら・・・

男は自らの股間に脈打つ欲望を吐きだす。
頭では女を求めるのに、なぜか相手は男でなければだめだった。
それも女装した男。
欲望を満たすためには暴力と脅迫でなかば強制的に相手を女装者に仕立てる。
強制女装そしてレイプ。
いったい自分のどこにこんな力があるのかわからない。
普段は非力で気弱な男が欲望を蓄えると異常な強さに満たされる。
女が好きなのに、女に対しては勃起しない。
女装した男だけに異常なほどの興奮と欲望を感じる。
今夜もまた犠牲者の男を探しに街へ出る。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
原初の地球、それは混沌のみが存在の基本だった。
いまだ熱は冷めやらず、焼けつくような蒸気があふれかえっている。
海とも陸とも判別のつかないその場所に無定形のおぞましき姿。
全身がはたしてどこからどこまであるのか、頭や臓器が存在するのかといった
人間の観念などその存在には意味がない。
おそらく正気の人間がそれを見れば感じるものは
恐怖、冒涜、無秩序以外の適切な言葉は見つからず、精神は破壊されてしまうだろう。
その存在は身をのたうつように蠕動させながら、原形的な生物を生み出し続ける。
やがて人となるものも、元はこの存在から排出された単細胞生物なのだ。
それでも神々の叡智がすでに原初の地球には印されていた。
生み出した生命の未来はこの存在にとってなんの意味もないことであり、
すべての地球の生命はいずれおぞましき存在の元に還る。
のたうつ存在はおぞましく偉大ではあるが、はるかにそれを超越するものがある。
旧支配者と呼ばれる古の神々が存在し、
その前では人間の存在や力などまったくとるにたらないものである。
リューリエにて死の眠りからの復活を待つクトゥルーは
思念の力だけで地球を混乱させる力を持つが、
それでさえ旧支配者の縁者でありながら旧支配者を窺うものにすぎない。
一つにして全てのもの全てにして一つのものヨグ=ソトホースは
旧支配者の最上位に位置するもの、あるいはそれを超越するものである。
人間にとって時間として感じる次元をヨグ=ソトホースは超越している。
地球の誕生、人類の発生そして繁栄から原初への回帰など
ヨグ=ソトホースにとって多次元に存在する宇宙のなかの一つの層面にすぎないのだ。
ヨグ=ソトホースの思念がほんのわずかに次元のひずみをかけぬけただけで、
人間に絶大な影響を及ぼすことは不思議ではない。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
事件はあちこちで発生していた。
しかし、密室性と事件の性質ゆえ表ざたになることは少ない。
強制的に女装をさせられ犯された男がそれを訴え出ることはなかった。
それは羞恥によるところと、もうひとつの理由は
交わった男から感じられる根源的に異質なものの存在であった。
事例が圧倒的多数の闇に消えていく中で、
第三者にレイプの現場を発見されるなどの理由で
暴行事件として捜査対象となっているものがある。
その数例ではすべての被害者の男は強制的に女性下着を着用させられ、
女のように化粧さえもさせられている。
犯人はそれらに必要なアイテムをわざわざ持参したうえで犯行に及んでいる。
いずれの犠牲者も化粧の経験はない。
にもかかわらず犯人に命じられて化粧を強制されたときには、
なんの躊躇もなくスムーズにメイクができたという。
それはレイプ未遂で助けられた男性の化粧が完璧であったことからも証明されている。
被害者から証言を導きだすのは困難だ。
なにしろ行なわれた行為が行為である。
とにかく彼らの口は重い。
そんな中でもいくつかの事実は形づけられる。
女装を強要され拒否すると暴行をされるが、その際の犯人の強さは人間とは思えない。
暴力行為は殴る蹴るといったことはあまりなく、
身体をつかまれ引きちぎられるのではないかと思われるほどねじられることがほとんど。
さらに、暴行者に見つめられると自分の精神がおかしくなっていくように感じた。
犯人はブラジャーやガーターベルト、ハイヒールの着用を求めているが、
犠牲者のいずれもが初めてであるのに、
これらの身につけることが困難なアイテムを難なく着用することができている。
性行為自体はとにかくすさまじい快感の連続であったが、
普通の性的な興奮とは異質なものを感じている。
そして、これがもっとも聞きだしにくい証言である。
犯人の特徴は一定しておらず同一人物とは思えないが、
そのいずれもが犯行者から言葉では表現しにくい人間的ではないものを感じており、
同時に経験したことのない異臭を嗅ぎとっていた。
そして被害者にそのことを深く聞きだそうとすると、
彼らは精神に恐慌をきたしとても証言をえることなどできなくなる。
有能な精神科医もこれにはお手上げであった。
唯一、情交をしている犯人を目撃した女性がいて、彼女はそれを見るなり発狂した。
彼女は絶叫しながら走りまわり、結局別の数人がレイプ現場へ向かったのだが、
被害者の体内には精液が放出されておらず犯人もいなかった。
狂った女性は現在も回復しておらず、ときおりわけのわからないことを口にする。
「化け物、化け物がいる。球体が連なっている。球体が・・・。あああっ」
繰り返すことはこればかりだ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
かつてヨグ=ソトホースがダニッチにおいて人間との間に儲けた双子の兄弟。
それはミスカトニック大学付属図書館長のアーミティッジ博士の適切な行動がなければ、
地球を恐怖の底へと導いたであろう。
そして人類は滅亡していたかもしれない
ヨグ=ソトホースの力をもってすれば自分の子供を救うことなど極めて容易なこと。
結局、助けて・・父上・・と言いながら怪物は退散させられたが、
ヨグ=ソトホースは父として何も感じなかったのかというのは、
あまりにも人間的な考え方である。
ヨグ=ソトホースの思念のかけらだけで人間など、いかようにもなってしまう。
それが悪であるとか善であるとかいったことは
ヨグ=ソトホースにとって何の意味も持たないことなのだ。

(おわり)




アニト (10月2日(日)23時54分10秒)
中出真樹さん、こん○○は。
女装とは自分の肉体を含め衣服やなにかに「こだわり」を持つ、
エロっぽく表現すればフェチな世界だと思うのです。
それは言葉にあっても同じことです。
どう読むか・どんな解釈をつけるのか、そして他者に何を伝えるか。
《扉を開け》たことで真樹さんの魅力がさらにひとつ増えたようですね。
「思念のかけら」は『空想デート』にはなかったジャンルの物語です。
1話で完結していますが続く《神話の世界》へのプロローグのように感じます。
これからもこのフェチ度を大切にしてください。




中出真樹 (10月22日(土)15時42分04秒)
▲アニト様▲
>1話で完結していますが続く《神話の世界》へのプロローグのように感じます。
ラヴクラフトの神話の世界へどんな形で入っていくかということが、
わたしにとって重要な問題だったのです。
簡単に言えば、ラヴクラフトの正統的な原神話を追求していくのか、
それともダーレスの創造した善対悪という構図でやっていくのか。
書きやすさから言えば、ダーレスの方が圧倒的に簡単なのです。
全の神と邪神の対決をベースにすればストーリーとしては明快になります。
女装ということが基本テーマの物語ということからしても、
ダーレス神話は手っ取り早く仕上げやすいともいえます。
それに対してラヴクラフトの原神話はわたしにとってあまりにも難解です。
善や悪という観念はあまりにも抽象的であり、
展開される世界は宇宙さえも超える別の次元にまで及びます。
ヨグ=ソトホースは時間を超越し、アザトースは創造神であるとも解釈されます。
地球の誕生から消滅までは彼ら強大な存在の元ではあまりにも些細なものです。
そんな地球を舞台にしてラヴクラフトの神話はさまざまなものを創造しています。
あっ、こんなことを書いているわたしってラヴクラフトフェチなのですね。
壮大すぎるラヴクラフトの世界に自ら飛び込んで苦悩するなんて、
うわ〜まさしくマゾヒズムそのものではありませんか。
こうなったらアニト様のおっしゃるとおり、
ラヴクラフトへのフェチを大切にしていきたいと覚悟をきめております。
▲吉田聡美さま▲
むわっ。Cthulhuの発音にそういうのもあるんですね。
聡美さまって油断させといて案外鋭いところをついてくるんだから。
でも結論はないんですよ。
これは人間には発音ができないということになっているのです。
にしても、いったいどうやって読んだら中が千匹とか天井が数の子になるんじゃ〜。
あらま、下品になってしまいました。
ん?聡美さまは仏教ですか?
仏教と女装・・・ふむふむ、なんたるミスマッチと思うのですが。
いやいや、煩悩がたまりにたまってけっこうあるかもわかりませんね。
お寺の中で淫らな修行が・・ひゃ〜。
信長に焼き討ちにされそうです〜。
にしてもチャットすごいことになってますね。
▲鬼束権太さま▲
>男権太、機会があれば是非とも学園祭のノリで挑戦したいものです。
おおっと!学園祭のノリというと、なんだか陽気な雰囲気がするのですが。
じつは少々疑問があるのです。
学園祭女装というのは見えないところの下着もちゃんとつけているのでしょうか。
ブリーフはいて女の子の姿というのは興ざめだし、
かといって学園祭のノリでセクシーパンティというのもなんだかな〜。
男の中の男!!!権太さまの場合はいかがなものなんでしょうか。
やっぱり男らしく赤のふんどし・・・とか。
いえいえ、やはり見えないところもちゃんと女の子らしくするのが男の中の男。
わたしの希望としては妖しい雰囲気のランジェリーで決めていただきたいのですが。
できればガーターベルトもしっかりと・・・。
▲みんなの妹スーパーアイドル美希子ちゃん▲
どぅわ〜〜〜〜〜
美希子ちゃんたら、すごーーーーーーーくエッチ〜。
『息子に抱かれたい』超興奮です。
わたしもこの分野にはすごく興味があり書いたこともあるのですが、
テーマがテーマだけにあまりにも重すぎるのです。
でも、さすがに美希子ちゃんだけに、すんなりと展開してますよね。
と興奮していたら今度は女装レズ〜。どひゃ〜ですぅ。
>ナイのかアルのかわからないニャンタラホイップ(クリーム)と
>ヨーグルトソースに思えてきました。
どはっ、おもしろすぎるぅ。
>ラブのマラが太い
>ええどぉ・イヤ〜ン・頬がポーッ
ひゃひゃひゃひゃっ、これもたまらない〜。
こりゃもう美希子ちゃん絶好調よね。
>ワタシの頭の中が「原初の地球」「混沌」になってしまったのでした。
>でも何度も読んでいるうちにちょっとずつですけれど意味がつかめてきて
>ああっそうかってわかったときに快感があったのです。
『思念のかけら』は内容も文章もすごく読みにくいと思います。
でもそれで快感を得ることができるとはすごいです。
美希子ちゃんならラヴクラフトを読みこなすことができると思います。
是非ともおすすめですぅ。ぜんぜんエッチじゃないけどね。
・・・七つの世界・・・

美希子は人生最高の日を迎えていた。
夢に何度見たことだろうか、あの人が目の前にいる。幻ではなかった。
「さあ、美希子さん。あなたのすべてを見せてください」
ランジェリーだけに身を包んだ美希子に優しい指示。
羞恥に震えながら美希子はパンティに指をかけた。
あこがれの人のために時間をかけて赤いマニキュアで仕上げた爪がまぶしい。
ゆっくりとパンティをおろしていくと、女にはないはずのものが屹立している。
「羞恥に身悶える美希子さんは素敵ですよ。死ぬまで離したくない」
パンティを脱ぎ捨てた美希子は悦びのため胸がさけそうだった。
(よかった、いままでバージンを守りとおして・・・)
愛する人にすべてを捧げることができるこのひと時が永遠に続いて欲しいと願う美希子。
なにもかもが幸せに満ちている。
しかし、美希子は気づいていない。
連続する球体の影を。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「美希子ちゃ〜ん、原稿できた?」
「うう〜ん、いま苦しんでるところなの。最後のオチがなかなか浮かばないのよ」
「がんばってね。美希子ちゃんがいるからわたしもガンガン書けるのよ」
「いいなあ、聡美さんは怒涛のごとく書いちゃうんだもんね」
いまやプロの流行作家となった美希子と聡美のチャットでの会話。
「でも『空想デート』の書き込みはなんとかできそうよ。
今回のタイトルは近親相姦がテーマの『息子を抱きたい』にするのよ」
「うわっ、さすが美希子ちゃんすごいわね」
「わたしは新シリーズの『鉄腕サトミ・ネクストジェネレーション』でがんばるからね」
流行作家となったふたりだが、『空想デート』の書き込みは欠かすことはなかった。
そんな世界にも連続する球体の触手が蠢いていた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
いやあ、アニト様が突然に長い旅に出るからということで、
まさか権太に『空想デート』の管理人をまかされるとは。
たしかにここで男といえば、この権太以外は考えられないけれども。
ヴヒヴヒ! それにしてもたいへんですよ、これは。
毎日のチェック、そして同じ行数でのレス、うわっ、更新もしなければ・・・。
ぬおおおおっ、男!!!権太、こんなことでへこたれませんぞ。
でも、できれば今日は書き込みないことを祈って・・・どわああっ。
今日も美希子さんからの投稿が。
アニト様が旅に出てからというもの、
美希子さんは寂しさのあまり怒涛の書き込みですからねぇ。まいった。
よおし、なんとかレスできたぞっと。
ん?疲れているのかな。
光り輝く球体が複雑に重なりあってうごめいているような気が・・・
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
美希子は懐かしいときめきを感じていた。
(なんだろう、この感覚・・・)
いつも利用するコンビニのお姉さん。誰かに似ていると美希子は感じていた。
でも、思い出すことはできずにいた。
美希子にとって本来の男としての欲望はすでに過去のことだった。
だが・・・。
「いつもご利用ありがとうございます。またいらしてくださいね」
はじけるような笑顔だ。
コンビニの店員と客という立場でこれほど愛想がいいなんて。
(ん? 彼女ひょっとしてぼくにだけあんな笑顔を)
美希子は自分のことを『ぼく』と頭の中で考えたことにとまどった。
男として女性を意識している自分がここにいる。
だが、間違いはなかった。
彼女は自分に対してだけ、あんなに素敵な笑顔を向けてくれている。
美希子は突然思いだした。むかし半年間同棲していた彼女のことを。
似ている。雰囲気がすごく似ている。
そして、いま新しい愛が始まろうとしていた。
だが、コンビニのはるか上空に巨大な輝く無数の球体が存在していることを
誰も知らなかった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
わたしは美希子。
わたしは神の子。
わたしは覚醒した。
ウボ=サスラにより原初の生命が誕生し、それはすべてウボ=サスラに回帰する。
されど、わたしはそれより崇高な次元の存在。
いまわたしは人間という不完全な生命体を抜けだした。
いあ シュブ=ニグラス
千匹の仔を孕みし森の黒山羊
あなたに産み落とされたわたしはこれからなにをすべきなのか。
わたしはどうすればいいのですか。
身の内に宿るとてつもないこの力。
いあ シュブ=ニグラス
あなたが母とすれば、わたしの父はいったい誰なのですか。
そして、人としての美希子の姿はそこにはなかった。
かつて美希子であった生命体は偉大なる球体が重なりあう存在へと変貌していた。
無数の球体は無限とも思われる色の光で輝いていた。
球体は無定形のゼリーのような物質を伴い、とてつもなく不気味な触手を蠢かす。
あまりにも無慈悲なその姿はおぞましく、それでいて崇高なものであった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
小さな公園でセーラー服を着た僕はお客さんのオチンチンをしゃぶっています。
お客さんの精液でアタシの顔が汚れます。
拭きたいところだけど、そのままの顔でニッコリお客さんを見上げます。
「お客様、如何でしたでしょうか」
「あ、うん、とっても良かったよ。で、幾らだっけ」
アタシはハッキリとした明るい声で答えます。
「はい、毎度ありがとうございました、142円で消費税がついて149円になります」
こういうことをしているのが悲しいこともあります。
でもいいんです。アタシには優しいお姉ちゃんがいるから。
悲しくてもがんばれるんです。
さあ、お昼ゴハンにしよう。
さっきもらったお金でドン兵衛が買える。
コンビニのお兄さんはちょっと意地悪だったけど。ドン兵衛が食べられてうれしいな。
ズルズルッ。
おいしいな、でもお姉ちゃんいったいどこへ行ったのかな。
この頃会っていないけど、元気にしているのかな。
んっ? 頭がフラフラする・・・ううっ、おかしいよ、ヘンだよ。
最後まで食べなくちゃ、せっかくのドン兵衛なんだから・・・ああっ、でも。
「亜里砂、亜里砂、どうしたの、しっかりして」
あっ、美希子お姉ちゃん、来てくれたんだ。
うれしい。
僕ね、美希子お姉ちゃんのお嫁さんになろうと頑張っていたんだよね。
もうすこしで立派な見習娼婦さんになってお嫁さんになれると思ったんだけど、
身体の調子がすごく変なの。
悪い病気に感染したみたい。
もう、もう、だめだよ。死んじゃうよ。
でも、僕ね、幸せだよ。
お嫁さんにはなれなかったけど、美希子お姉ちゃんに看取られて死ねるんだもの。
美希子お姉ちゃんだけが、この世の中でたった一人のいい人だった。
幸せになってね。
美希子お姉ちゃんも娼婦をしなければ生きていけない身の上だけど、
身体に気をつけて僕の分も生きてね。
絶対だよ。
さようなら、美希子お姉ちゃん。
さようなら・・・さよ・う・な・・ら・・・・さ・・よ・・う・・・
ひとつの生命が消えた。
ドン兵衛の食べ残しが悲しみを満たす。
そんなところにも輝く球体は存在していた。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
大きな平原の環状列石が次元を隔てた世界とのつながるところ。
その場所で狂気に満ちたひとりの人間が壮絶な情事に身悶えていた。
その肉体は男でありながら黒のランジェリーとハイヒールを身につけ、
冒涜的な快楽に震える姿は異様なものとしかいいようがない。
女のように化粧した顔は地獄の業火に苦しんでいるような表情。
かつては中出真樹という名前の女装者であったが、
そのこともすでに本人の脳には記憶としては残っていない。
快感が脳を破壊していた。
その肉体は見えない存在に愛撫され、犯され、支配され、
そしてその結果受胎させられた。
肉体が裂け何物かが出現した。
だが、それは人の目には見えないもの。
そこに残るのは飛び散った肉体。
かつて中出真樹であった肉体はバラバラになりながらも快楽に蠢いていた。

(おわり)
え〜、たいへんわかりにくい作品を書いてしまいました。
すこし解説をさせていただきます。
まず、タイトルですがクラーク・アシュトン・スミスの
『7つの呪い』をヒントにいたしました。
スミスはラヴクラフトの友人で画家であり詩人でもある作家です。
彼の描く神話は独自の世界をもっています。
文中にでてくるウボ=サスラはスミスが生みだしたものです。
さて、7つの世界なのですが、それぞれが独立した世界なのです。
今回は妹の美希子ちゃんにたくさん登場してもらったのですが、
それぞれの世界で美希子ちゃんは違う生き方をしています。
無数の重なりあう輝く球体が登場しますが、
これはヨグ=ソトホースをイメージするものです。
しかしヨグ=ソトホースそのものではありません。
ヨグ=ソトホースはあちこちに自分のタネをばらまく癖があります。
ラヴクラフトの『ダニッチの怪』では人間の女性をはらませております。
尋常ではない強大な力をもつヨグ=ソトホースの血縁者が、
次元の異なる宇宙、世界で存在しているのです。
7つの世界のうち、最初の4つは未来系で、最後の3つは性質が異なります。
鬼束権太さま、吉田聡美さま、そして名前は出ていませんが
アニト様にも登場していただきました。
勝手なことをいたしまして申し訳ありません。ペコリ。
第5の世界では、なんと美希子ちゃんは
ヨグ=ソトホースとシュブ=ニグラスの産み落とした子になってもらいました。
第6の世界は拙作『感染』のパロディです。
もちろんこの原点は鬼束権太さまの名作『亜里砂の大冒険』です。
ご存知ない方はぜひ権太さまのこの素晴らしい作品をお読みください。
第7の物語では恥ずかしながら中出真樹が登場して、
なんとヨグ=ソトホースに犯されました。
おまけに受胎させられ身体はバラバラに砕け散りながらも、
快感にピクピクと蠢きつづけるのです。
すべての世界でヨグ=ソトホースがなんらかの影を落としています。
ただし、ヨグ=ソトホースが善であるとか悪であるとかいうようなことは問題ではなくて、
その存在の多様さと強大さを描きたかったのです。
今後もヨグ=ソトホースを中心に神話を書いていきたいと考えています。




アニト (10月25日(火)00時22分44秒)
中出真樹さん、こん○○は。
むむむっ、挨拶文から《難解》な語と概念が書かれています。
物語や解説までもが《たいへんわかりにく》かったりします。
しかぁし!、だからこそたいへんおもしろい。
短い物語ですが壮大さ無限さを感じます。
『空想デート』に載る作品もここまできたかぁの感があるですよ。
未知の分野に触れる楽しみは女装と通じるものがあるのかもしれません。
女装が《善であるとか悪であるとかいうようなことは問題ではなくて、
その存在の多様さと強大さ》に世間も(女装娘さんたち自身も含めて)
そろそろ気がついてほしいものだと感じるのです。


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