観月 (6月2日(月)09時46分57秒)
世にも奇妙な寝物語

若き王シャリヤンには確かに絶大な権力があった。
若き王はその力をもって、豪奢な宮殿で贅を尽くし、この世の楽園を作り上げた。
しかし、王の心は満たされなかった。
異国の珍味を食し、最上の美酒を飲んでも、満足するということはなかった。
はべる美女を抱いても見たが、心底悦ぶことはできなかった。
王はじきに楽園に飽いた。
「何故私は満たされぬのだろう?」
何をするでもなく、宮殿のテラスで王は城下を眺めていた。
そこを、若い恋人達が歩いていった。
男は女を愛しそうに眺め、女は男に幸福そうに寄り添っていた。
二人はさも満ち足りているように見えた。
「妻を娶ろう。」
王は考えた。
「私の妃となって傍らにあり、私を満ち足りさせてくれる伴侶を得よう。」
王がお触れを出すと、国中の貴族や富豪が娘を宮殿に遣わせた。
しかし、王が満ち足りる事はなかった。
どの娘と昼を暮らしても、どの娘と夜を共にしても、
王は翌日もまた過ごそうとは思わなかった。
王は娘達を追い返した。
次に王は家来に命じ、城下の娘達を城に呼んだ。
しかし、結果は同じだった。
焦る王は、国中の女達を次々と城に召した。
しかし、望みはかなわなかった。
乙女も、娼婦も、妻も、寡婦も、王は一日を共に暮らすと、
次の朝には野良犬のように追い出した。
3年の月日が流れ、国は乱れた。

王都にシャーラという美しい娘がいた。
彼女の父は大臣の1人だったが、
権力に固執する事がなかったので彼女は王に会わずにいた。
しかし、国を憂う父を見て、彼女は申し出た。
「わたくしが王の元へ参りましょう。」

王と娘は宮殿で一日を過ごしたが、王は一時とて楽しむそぶりを見せなかった。
「まあ、本当に夢のような一日でしたわ!」
その夜、寝台の上で娘は言った。
「退屈な一日に過ぎぬよ。」
王は顔も向けず、口だけで答えた。
「王よ、この暮らしはもはや、あなたにとっては日常に過ぎぬのですね。」
娘は横たわる王に身を寄せて囁いた。
「けれど、わたくしにとっては夢見た事すらない一日であったように、
世にはまだ王も聞かれたことすらないことが数多くありますのよ。」
若き王は、この日初めて娘の瞳を正面から見た。
美しき娘は、王のその様子を見てにこりと微笑んだ。
「お望みならば王よ、わたくしの知る話を一つお話致しましょう。」

・・・・・・・・・・・・・初夜 チェンジ!・・・・・・・・・・・・・・
あいつはいじめられっ子だ。
いじめっ子どもにあいつは勝てない。
おれと全然変わらないのに、ただ、あいつは女子でおれは男子だから。
だから。
双子のおれが何とかしてやらなくちゃ。
「ほれほれ、ここだよここ。」
「へい、パース!」
「やーい、グズ女ー。こっち見ろよこっちー。」
あいつのリコーダーを振り回して、いじめっ子どもがはしゃいでる。
全くバカみたいだ。何が楽しいんだろう。
「何だぁ?今日は随分おとなしいじゃん。」
「明日テストだろー?これ無いと困るだろー?」
いけね。変に思われたかもしれないな。
「えっへー。隙ありー!」
バサッ!
後ろにいた1人がいきなりスカートをめくった。
足の付け根まですうっと風が通る。
「おーい、なんか言えよぉ!」
「悔しかったら取り返してみろよ、ほらぁ。」
リコーダーが目の前すれすれに突き出され、
飽き始めた様子のいじめっ子がすぐ隣まで近づいてきた。
(今だ!)
一気に踏み出して目の前の『腕を』つかむ。
いじめっ子は慌てて手を引っ込めようとするが、
リコーダーを掴まれることしか考えていなかった分、離れきる事ができない。
「このおっ!」
手首あたりをつかめたら、後はそのまま勢いにのって身体ごとぶつかる!
「げ!」
「あ、てめー!」
「グズ女のくせに生意気なーっ!」
周りの奴らも駆け寄ってくるが、ちょっとだけ遅い。
リコーダーをしっかり握って、緩んだ手から引き剥がす。
後は手当たり次第に叩く、蹴る、突き飛ばす…
「ちぇ、今日はこのくらいにしといてやるよ!」
「そっちこそ、いじめもいい加減にしろ!」
お互いぼろぼろだし、この辺でよしとしておこう。
『あいつ』がちゃんと向かってくるとわかれば、いじめもそうそう続かないだろうし。
でも、スカートでケンカってやりにくいなあ…いてて…
「すごいね、君。カッコよかったよ。」
(え?)
見ると、ベンチにお兄さんが一人座って拍手してる。変なの。
「いやほんと、すごいすごい。」
「あ…どうも。」
「でも、女の子はもうちょっと身体を大事にしないと。
随分怪我しちゃってるみたいじゃない。」
そう言いながらお兄さんは近づいてきて…
「わ、ちょっと!?」
ひょい、って感じで抱え上げられてしまった。
「何すんのさ、降ろしてよ!」
「暴れない暴れない。向こうに水道があるからさ、汚い怪我をほっといちゃダメだよ。」
あっという間に連れて来られた水道で、
お兄さんは手に水をすくうとおれの手や足にかけ始めた。
「うあ、冷た!」
「はい、我慢我慢。」
「自分でできるってば!」
「自分だと、しみるところとか適当にやっちゃうだろ?傷が残ったら大変だよ。」
んなこと言ったって…なんか、手足がくすぐったくって…
「結構擦れちゃってるなあ。女の子の顔を何だと思ってるんだ、あいつら。」
そう言うと、お兄さん今度は…ひゃ!
「あ、こら。暴れちゃだめだって!」
そんなこと言っても…わ、スカートめくるなー!
「ほら、奥のほうまで擦り傷だらけだ。」
「わー、バカ、変態!そんなところ触るなよーっ!」
いくら暴れても力の差で勝てず、
そうこうしてるうちにお兄さんにスカートの下にもぐりこまれちゃって…
ひゃ!上のほうの怪我、なめられてる!気持ちわりい…
「何すんだよ、気持ち悪いなぁ!」
「消毒だよ。ばい菌がついてるといけないからね。…あ、こんなとこも。」
う、舌がだんだん上がってくる…と思ったら、
今度はパンツが引き下げられて、おまたの方まで舌が来た…
くすぐったいのと、よくわかんない変な感じが混ざって心臓がドキドキする。
こんな変態、蹴っ飛ばしてやればいいんだけど、
なめられたあたりから変な感じが広がってくると、なんでか力が入んない。
「ん、いい子だね。女の子は素直なのが一番。」
おれの足の間から、とっても機嫌の良さそうなお兄さんの声がする。
「…いい加減にしろよ、おれは男!」
「うん、ここに可愛いこれがちゃんとついてるしね。」
そう言うとこの変態、いきなりぱくっておれの…おちんちん食べちゃった!
「ふぇも、ほんなかあいいスファーホふぁいてブアウス着ふぇるんだあら、
やっふぁいきいあほんあの子らよ。」
「ふぁ!ば…バカやろ!すけべ!変質者!そんなとこ咥えながらしゃべるんじゃなーい!」
思いっきり叫んだら、スカートの中からすぽっと顔が出てきた。
「ん?消毒消毒。ここは特に大事なところだからね。それに、ちょっと気持ちよくない?」
この変態…何考えてんだ?そもそもおれは女子でもないってのに…
「んふふ。真っ赤になっちゃって。やっぱりほんと、可愛いよ、君。」
「バカ言って!変な感じがして気分悪いだけだよ…」
「ん?ああ、まだわからないんだね。
その変な感じが『気持ちいい』ってことなんだよ。ちょっと勉強になったねぇ。」
よくわかんないこと言って、またスカートの下に頭が消える。
「ほら、ここに集中してごらん。
君はまだ小さいんだから、我慢しなくていいからねー。」
なにを?とか聞く前に、またお兄さんの口におちんちんがくわえられた。
濡れた舌が動き回ったり、口がおちんちんをこすったりすると、
さっきの変な感じがどんどんひどくなってくる。
「うあ!もうやめろってば、バカぁっ!」
口に挟まれて引っ張られたり、舌に突っつかれたり…
「なあ、もうやめてくれってぇ…変だよ、これ…」
生あったかい息がかかったりして、
お兄さんのやるそういったことがどんどんはっきり感じるようになって…
「お願いだからさぁ…ねえ、もう勘弁してぇ…どんどん変になるよぉ…」
そのうち、なんか凄くおしっこしたくなって…
でも、いつもトイレに行く時とはなんか違って…
「あ、放して、放してぇ!変なのが、おしっこでちゃうよぉ!もうやめてぇ!」
でも、ちっとも放してくれなくって…我慢できなくなって…
「………あ…やだやだぁ!…で、でちゃ…ぅあーーーーーん!」
ピッ…ピュッ…
そんな音がしたような気がして、ちょっとだけ、凄い勢いでおしっこが出ちゃった。
こんな出方は初めてで、どうしたらいいかわかんなくていたら、
ちゅ、ちゅるる…
「ひゃあ!?…んあん、何するのぉ…やだ、吸わないでぇ…」
ああ、変だよぉ…おれの体、なんかめちゃくちゃになっちゃったみたいだ…
「はい、これで手当ては終わり。」
おれを膝の上に乗っけて抱きかかえた変態お兄さんは、
おれの頭を撫でてそう言うと、まわしていた手をほどいた。
「じゃあね。怪我したらまたおいで。」
とびおりて歩き出したおれの後ろから、お兄さんのそんな声が聞こえる。
さっきの変な感じと心臓のドキドキがずっと残ってて、
歩くのもなんだかしっかりできない。
今日一日で、あいつの生活はがラッと変わったと思う。
明日からはもう、いじめっ子どもに困らされる事もないだろう。
でも、今日一日で、おれはあいつよりも、
もっとずっと世界が変えられちゃったような、そんな気がする…
・・・・・・・・・・・・・・・・FIN・・・・・・・・・・・・・・・・

「…なるほど、確かに聞いたことのない話だ。」
王は呟いた。
「世にはまだ、このような話は数え切れぬほどにございます。
これはその内のほんの一つに過ぎませんわ。」
娘は穏やかな笑みをたたえて言った。
「夜も更けました。よろしければ王よ、
次の番にはまた別のお話をお聞かせ致しましょう。」
美しき娘の耳元で囁く声に、若き王は頷いた。
「ああ、また明晩も頼む。」
「ええ、王よ。仰せのままに。」

・・・・・・・・・・・・・・・キリトリ・・・・・・・・・・・・・・・・
というわけで、新シリーズをお持ちしました〜
………って、なんでしょう、部屋の隅に積まれたこの大量のバラの花束は?
もしや、単行本化決定のお祝いか何かでしょうか…
あ、いい香り…(花束を軽く抱いてみたり)
おっと、ロマンチックは乙女の権利とはいえ、ずーっと和んでいてもいけないですね。
では、改めて。
というわけで、新シリーズでーす。
『教え子に〜』での問題点だった「リアリティと細部にこだわりすぎて話が進まない」
という点を解消すべく逆を行くこのシリーズ。
コンセプトは「話の整合性はこの際無視してとにかくメインシーンをしっかり書く」です(笑)
空想の翼の広がるままに、魔法ありSFありなんでもあり蟻で作る予定のこのシリーズ。
タイトルの通り奇妙な話が多々できあがるかと思いますが、
リアリティには目をつぶってイメージでとらえてくださいな。
色々遊び心を詰めたので好き嫌いはあるでしょうが、お楽しみくださいね。
>エロマン□純子さんへ
そろそろ朔哉君も本格的に女装完了です。
お話も一区切りと言ったところですね。
しかし、いきなりフルメイク。
女装初体験の朔哉君に今後1人でやらせるのは無理だと思うんですが…
美由紀さん、つくづく無茶してくれます(苦笑)
>アニトさまへ
何なの?このプレッシャーは!?(笑)
え〜と…イラストは苦手ですの。
チャレンジはしているのですけど…8割方完成せずに封印しています。
一週間や2週間平気でかかってしまうんです〜…特にカラーは。
イラストつきって憧れるんですけれどねえ。一般の出版物みたいで。
いつか夢見て頑張りますね〜




アニト (6月3日(火)00時10分29秒)
観月さん、こん○○は。
>いつか夢見て頑張りますね〜
そう、それでいいのですよ、可能性を信じることが重要です。
たとえばいつかわたしとデートするかもしれない、
そう胸に抱いて生きていく方がドキドキワクワクするでしょ?。
しない?、してね。
>コンセプトは「話の整合性はこの際無視して
>とにかくメインシーンをしっかり書く」です(笑)
自分の可能性をいろいろ試してみてください。
《リアリティと細部にこだわ》ることも必要ですし、
《リアリティには目をつぶってイメージでとらえ》られる《遊び心》も欲しい。
こんなわがままなわたしの欲求を満たしてくれる物語、
きっと観月さんならいつか書けると夢見ています。




観月 (6月5日(木)18時37分56秒)
夜にも奇妙な寝物語
「王よ、共に過ごすのがわたくしでは退屈でしょうか?」
寝台の端に腰掛けて、美しき娘は聞いた。
「ふむ、そういうことではないな…日々が全て退屈なのだよ。」
その瞳を閉じたまま、横たわる王は答えた。
「何も変わらぬ。見慣れた宮殿、食べ飽きた料理、
顔のしわ1本まで覚えてしまった大臣たち…
同じ一日を何度も繰り返しているようなものだ。」
「それは…面白くはありませんわね。
ですが、何か特別な日などはないのですかしら?」
「特別な?」
「人は皆は、何の変哲も無い普通の日さえ、日々楽しみを見出しております。
ましてやその人にとって意味を持つ日なら、どんなにか心躍ることでしょう?」

・・・・・・・・・・・・・第二夜 バースデイ・・・・・・・・・・・・・
「ただいまぁ♪」
後ろ手に鍵をカチッと閉めて、外の喧騒をシャットアウト。
服を脱ぎ捨てシャワーを浴びて、塵一つまで洗い流す。
クローゼットを引きあけて、とっておきのドレスを手に取る。
純白のレース、一つ、二つ。
ブラジャー、バーター、ソックス、パンティ。新品のシルクが肌に触れる。
グラデーションのマリンブルー。
大切な時のために仕立てた、マーメイドラインのパーティドレス。
メイクも今日は気合を入れて。最高のわたしになるように。
ラインはすっきり、瞳はパッチリ。わたしがわたしに恋できるまで。
普段はしないマニキュアも、今日だけは奥から引っ張り出して。
ウィッグの黒髪を肩から流し、ピンで形を整えて。

白雪姫にも負けないような、白と赤のコントラスト。
ふんわり丸いクリームに、可愛いイチゴがきちんと整列。
ショートケーキの真ん中に、赤いキャンドルを1本立てて。
キャンドルの向こうに鏡を一枚。
紅い炎に照らされて、炎の向こうにわたしがひとり。
冷やしておいたシャンパンが、ぽんとはじけて壁を叩く。
シャンパングラスの小さな海。淡いピンクのその中で、小さな泡が泳ぎだす。
街の夜景か天の川、星が瞬く闇の中で、
ゆら、ゆら、キャンドルの炎。
ゆら、ゆら、シャンパンの泡。
シャンパングラスに爪が触れて、グラスがチィンと細く笑う。
背筋を伸ばして、前を見つめて、とびっきりの笑顔を向けて。
鏡の中のわたしに言う。鏡の中の私が言う。
『Happy Birthday, リカ。』

・・・・・・・・・・・・・・・・FIN・・・・・・・・・・・・・・・・

「誕生日…か。数字が一つ増えるだけのように思えていたものだ…」
宮殿の昔を想い返し、王はポツリと呟いた。
「まあ!その存在がこの世界に生まれ出た、その記念となる日なのですよ?
精一杯に祝ってあげなくてはなりませんわ。
もちろん、それが自分のことであったとしても。」
少女は慈愛に満ちた微笑を浮かべ、王の胸に手を添えた。
王に浮かんだ表情は…あるいは苦笑だったのだろうか。
「さあ、夜も更けました。これ以上のお話は、また次の夜に致しましょう。」
「ああ、また明晩も頼む。」
「ええ、王よ。仰せのままに。」

・・・・・・・・・・・・・・・ノリシロ・・・・・・・・・・・・・・・・
以下の部分はノリシロです。
ここにのりをつけ、話同士をつなげていってシリーズを完成させましょう。
…なあんて、ね。(笑)
ふ〜〜〜〜〜、間に合いました〜!
っと、ご挨拶ご挨拶…はぁい、観月でーす。
今日、ちっとも深くない理由があったのでこのお話を書かせていただきました。
理由をどんぴしゃで的中させた方先着一名様に粗品進呈(笑)
さて、お返事お返事…
●美希子さんへ
>新シリーズ、早っーーーい!。
だって、5月の頭(朔哉ちゃんのほうの4話目を書いていたあたり)から、
こういうネタばっかり浮かんできて大変だったんですもの(笑)
美希子さんのペースもなかなかだと思います。
何より、私と違って安定してるのがとても評価が高そう…
アニトさまもおっしゃってますが、エッチシーンの表現、心理描写とかがうまいですし。
『濡れ場を書く』は、私も新シリーズの目標の一つにしているんですが…あら?
それと、今回はなにやら色々クロスオーバーしそうで見逃せません。
うまく決まると世界が深まるんですよね、頑張ってくださ〜い。
●アニトさまへ
…ドスン。(←プレッシャーに潰された音…)
はう、なんだか随分高く評価して頂いているようで感謝感激です。
少しずつ成長していければ…と思っていますので、ペットの躾とかと同じく
気長に!根気良く!見守っていてくださいね♪




アニト (6月7日(土)00時53分23秒)
観月さん、こん○○は。
《シャーラという美しい娘》が言っています。
>「世にはまだ、このような話は数え切れぬほどにございます。
>これはその内のほんの一つに過ぎませんわ。」
《世》を「女装娘さんの心の内」と置き換えても、まさしく!。
まだまだたくさんの《世》を知りたいものですね。
>理由をどんぴしゃで的中させた方先着一名様に粗品進呈(笑)
夢の中にわたしが登場した、ということであるとうれしいです。
そういえばこちらの答は?。
>『教え子に教えられ』を踏まえて、家庭教師と女教師の違いを述べよ。




御祝文 投稿者:観月 (6月30日(月)10時27分12秒)
Congratulations on Fantasy date's 5th Anniversary!
サイト開設5周年、誠におめでとうございます。
移り変わりの激しい現代、それも文字通り分単位秒単位で変化・進展する
ワールド・ワイド・ウェブにおいて、変わらぬコンテンツを5年もの間
レベルを落とすことなく維持することにどれだけの努力を要するか、
知識としてではありますが多少は理解しているつもりです。
そしてまた、新たなる6年目に踏み出すこのサイトが、
5年間の経験と実績を基礎としてその上により素晴らしき進歩をするよう、
望むと共に一利用者として努力いたしたく思います。
願わくば、良き出発点、心地よき中継点、懐かしき到着点として、
『空想デート』が電子網の世界に末永くあらんことを…
With Love and Praise Mituki
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お久しぶりです、観月です。
5周年記念ということで、私の現状などは一時切り離し、
お祝いのみに終始させていただきました。
作品は、また次の機会にお目にかけたいと思います。
…でも、最後にひとつだけ。
ちょっと悪乗りしたんですが、キーボードは盛装して使うものではないですね(苦笑)
手袋のおかげで打ち間違えることはなはだしかったですよ〜




アニト (7月1日(火)00時37分49秒)
観月さん、こん○○は。
わたしのちんちんと同じくらいの硬い祝文をありがとうございます。
わたし自身驚いている5年もの長きのサイト維持は
やってたらそうなっちゃった、なのですよ。のはは。
観月さんのおっぱいと同じくらいの柔らかさで感謝の返文を。




観月 (7月5日(土)10時21分36秒)
世にも奇妙な寝物語 3話
「まぁ、今日もまた素晴らしいご馳走ですわね!」
金塗りのテーブルを埋め尽くす皿を眺めて、美しき娘は身を震わせた。
「けれども王よ、わたくしがあなたのもとに来てより、
ほとんどのお料理を召し上がっておられませんが…」
「毒見役に先に口をつけられ、冷めた皿など何が美味なものであろうかよ。」
山海の幸に目もくれず、若き王は細い呟きを漏らした。
「まぁ。とはいえ、それも仕方ない事ではありますわね。
毒は、時には最も危険な刺客となりうるのですから。
それに、そう言われてしまっては命を賭して仕えるその方々も報われませんわ。」
「ふ。知ったような口を利くものだな。」
苦く笑う王に、娘は涼やかな笑みを返した。
「ええ。知っております。
ならば王よ、今宵は毒の話をお聞かせ致しましょう。」


・・・・・・・・・・・・・・第三夜 推理・・・・・・・・・・・・・・・
光は、この屋敷の主が眠るはずの寝室から、扉の細い隙間を抜けて漏れ出ていた。
「…んくっ……はっ…は……はふぅ……んあっ…っん……」
「くふ…ほら、我慢する事はないぞ…存分に声をあげるといい。ほら、ほら…」
「…っ! はっ…やぁっ…そんな…そこいやぁ…」
安楽椅子に掛けるガウン姿に、さらに腰掛けているのは質素な黒のお仕着せ。
過ごしてきた歳月がそのまま刻み込まれた両の手に、
黒衣の上から胸を、秘所をかき抱かれ、細やかな上体がゆらゆらと揺れる。
「よがり声を出すのはそんなにも嫌か?聞くものなどわししかおらんというに。」
「んああ……ひう!?…ひ、ふひあっ……んうぅっ………」
「ほれ、顔を向けい。その可愛い唇をふさいでやろうぞ。」
忠実なスカートが、持ち主の腰とその主人の腰をけなげに夜の色で覆い隠す。
黒の帳から伸びる足、淡いランプに照らされる頬。
白いタイツ、白い肌に、唇だけがただただ紅い。
首回りのほどけたエプロンが垂れ下がり、安楽椅子の上に半脱ぎの靴が震える。
紅い紅い唇からのぞく、紅い紅い舌の先を、赤黒い舌が絡め取る。
「くふふ…愛い、愛いのうお主は…
さあ、今ひとたび楽しませい、おぬしの主人を…そら、そら…」
乱れた黒髪を撫で付けた手は、そのまま白い首筋をくすぐる。
古い安楽椅子が大きくギシリと音をたて、
紅い唇がひときわはっきりと嬌声を噛み殺すのがわかる。
ギシリ。くちゃり…ギギィ。くちゃっ…
安楽椅子が笑い声をたてるたび、布一枚のベールを抜けて濡れた音が流れ出る。
濡れた音を聞くごとに、古びた椅子はより高らかにキシキシと笑う。
「……ああ、旦那様ぁ……お情けを…お許し…さい…はっ…もう、もう…っ!」
「何を許す事がある…ほら、はしたなく果ててみせい。
わしも情けをくれてやろうぞ…そうら!」
「ひいいぃ…っっ…なさま、許……お許しをぉっ!んあああぁぁんんぁっ……!」
黒衣の肢体がびくりと跳ね、見えざる手にて弓の如く引き絞られる。
ランプの明かりが、飛び散った何かを一瞬だけぬるりと照らす。
ガウンの擦れる音が途絶え、二つの荒い息が不協和音を奏でる。
そこまで見届けて、男はそっと扉を離れた。
夜寝番のメイドが寝室で死んでいる当主を発見したのは、3時間後の事だった。
名探偵―皆を集めて「さて」と言い。
「さて、私が招かれた晩に
このような事件が起きてしまったのは甚だ残念ではありますが、
不幸中の幸い、時を置かず様々な調査を行う事ができました。」
妻、2人の息子、末の娘、老執事…
集められた一同の目を見渡して、探偵は先を続けた。
「その結果わかったのは、これはやはり自然死ではないということ。
更に言ってしまえば、何者かがこの屋敷の主を殺害したということです。」
若き執事見習いが、家中の使用人―家事雑事すべてを任されたメイド達―をまとめ、
探偵の待つ大広間に入室した。
探偵は次代の執事に軽く頷くと、ふと思い出したような調子で再び話し出す。
「ところで昨夜、私は実に興味深いものを目撃しましてね。
…あの時、寝室で御当主と睦みあっていたのは、よく見慣れた服装の方でしたな。
…黒のワンピースに白のエプロンという。」
『な…!』
一同、特に妻の顔に驚きが広がる。
「それが犯人ですの!?一体誰です、その恥知らずな女狐は!」
メイドたちの胸倉を掴もうとする妻を押し止め、
探偵は講義を行う教授の様に一同の間をゆっくりと歩く。
「残念な事に顔を見ることはできませんでした。
しかし、先ほど申し上げたように私はすぐさま調査を行うことができた。
そして、その人物を示すいくつかの手掛かりをすでに発見しております。」
テーブルの前に戻った探偵はポケットからハンカチに包んだ何かを取り出すと
一同の目の前に広げて見せた。
表れた二本の短い棒―口紅のうち一本を白手袋の手で取り、蓋を取ってかざす。
「使用人部屋で見つけたものです。
犯人の着用していた衣服は特定できませんでしたが、
メイドたちの制服に混じって棚にこれが置かれていた。
以前の事件で、私はこれと同じ毒々しい赤を見たことがあります。
…摂取量と死亡までの時間がほぼ反比例すると言う、
珍しい特徴のある接触毒でしてね。
これが付着すると、皮膚から吸収されて少量ずつ摂取する事になる。そこで、」
探偵は今まで手にしていた紅い紅をおき、二本目の口紅の蓋を開ける。
一本目と対照的な、白く濁ったリップクリームの先が見えた。
「この二本目の出番となるわけです。おそらくワセリンで作ったものでしょう。
まずこれで唇をコーティングし、その上から毒の紅を塗る。
あとは狙う相手に口付ければ、
相手だけがその唇や舌に付着した毒を吸収する仕組みになります。」
さも感心したというように鷹揚に頷き、探偵は二本の口紅に蓋をかぶせる。
「さて、私はこれを制服の間から見つけました。
しかし、いくら同僚だけしか使用しない部屋とはいえ、普通の女性は自分の化粧品、
それも口に触れるようなものをそんな誰もが手に取れる所に置くものでしょうか?
答えはノーです。」
一同の顔に疑問と焦りが広がる。
それに気づいているのか、探偵は隅の棚から酒瓶を一つ選び出し、テーブルに運ぶ。
「もう一つ、証拠となる現象があります。
寝室の床には精液が零れ落ち、まだ半乾きの状態でした。
白いベタベタがあちこちに散って、ね。
しかし、御当主の年齢を鑑みるに、とてもそこまでお達者でおられたとは思えません。
…たしかこれは、東洋のほうで勢力減衰に効果があると言われているものでしたな。」
瓶の中では、飴色の液体の中を瓶の口まで届く海獣のペニスが泳いでいた。
「あれだけ御健勝であるならば、まさに無用の長物と言うものでしょう。
ちなみに、床に全てこぼれたという反論も受け付けません。
昨晩に限っては、御二方の秘所は実に仲睦まじかった。
また、色と粘りから言って、心身ともに盛りの男性のものでしょう。
ゆえに、残る答えは一つ。
あの寝室には、御当主の他にも精を放つ、若々しい何者かがいた。
その人物、つまり犯人は…」
どさり、と何かが崩れ落ちる音がした。
その場の全ての瞳に見つめられて、若き執事見習いは最早動くことはなかった。
「…ディープキスは、慎むべきでしたね。」

・・・・・・・・・・・・・・・・FIN・・・・・・・・・・・・・・・・
「口付けに含む毒…か。酔狂を考えるものだな。」
若き王は、どこか冷めた口ぶりで言った。
「しかし、褥を共にして語る話ではないぞ、これは。」
「ええ。しかし王よ、この3日のうちに、
あなたがわたくしに随分と気を許しているようにお見受けいたしましたので。」
若き娘は、王のどこか困惑した様子を見て、いたずらっぽく唇をすぼめた。
「では王よ、眠りに落ちる前に、ひとたび口付けをいただけませぬかしら?」
渋面を作った王は、しかし娘を荒っぽく引き寄せ、その紅い唇をちゅうと吸った。
「違えるな。傍らに添う娘の害意くらい見抜けずに、王として生きられるものか。
…さあ、月も高い。これ以上の話は、また明晩に頼む。」
「ええ、王よ。仰せのままに。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
え〜〜〜〜〜〜…っと。観月です。
はじめに謝っておきます。
この『世にも奇妙な〜』シリーズをはじめてから、
皆様に様々なご迷惑をおかけしているように思えます。ごめんなさい。
もう、前回の書き込み(自由発言は除く)から丸一月がたってしまいました。
思えば、6月はいろんなものがコワれた月でした。
身体がコワれ(季節の変わり目ってキライです、すぐ風邪引くから)、
パソコンがコワれ(もう、自己修復やデフラグが最後まで行かずに止まってしまうの…)、
その間に思考回路までコワれたのか、朔哉ちゃんシリーズの文体が書けなくなってました。
…このままでは現実の季節が朔哉ちゃんの現在を追い越してしまいます(苦笑)
この3話も…書いているときは気分が良かったんですが、
改めて読み直してみると、結構重大な問題点があったりします。
元々、思いつきや空想をそのまま文章にして保存しておきたいから、と言う
ある意味このサイトの主旨に最も近い理由ではじめたシリーズなので、
多分に他の利用者の趣味と合わない所はあるかもしれないのですが…
いいのかしら、このまま続けて…(ちょっと不安)
…さて、では、2・3ページ掘り返してお返事…
ちょっと時間が押してるのでお返事だけでご勘弁を…
>権太さんへ
勢いで言ってしまった『粗品進呈』に真面目にチャレンジいただき、
本当にありがとうございます
…しまった、粗品考えてない…何かリクエストありますか?(苦笑)
で。
この場を借りて補足させていただきます。
クイズの答えは、権太さんの予想通り『誕生日だったから』でした。
アニトさま風に言えば「20+α才になりました」というところでしょうか。
で、記念して第2話のキーワードは「バースデイ」。
一応、主人公の女装一周年記念、という設定です。
いわば『リカ』さんの1歳の誕生日。
だからろうそくは1本だけなんですね〜。
…こんな所で作品の補足しなきゃいけない話って…うう、修行が足りないのね、私…
駄文、真に失礼しました。
>エロマン□純子さんへ
空想は映像や、時には匂いや触感等も伴うことがあります。
…だから、文字だけで表現しようとすると
どうしても何分の1かになってしまいますよね。
精進しましょう、一緒に!
なお、この前の『盛装』は…秘密♪ふふ。
>美希子さんへ
はう、それってお話が短いって責めてます〜!?許して〜!!
…てのは冗談として。
正直な話、当初の予定では第2話程度の長さを基準にするつもりだったのですよ。
これくらいなら週に1話か2話は書けるかな、って思ったので。
でも、それには欠点が一つ。
あの長さでは大体のお話は収まらなかったのです(笑)
収めようとした結果が第2話…これは、2時間で書き上げて
その日のうちにUPという日付限定のハードスケジュールのせいもあったのですが
そうそう、『女装床屋』ですけど、よく言う『神の視点』で書くのはダメなんですか?
やっぱり、主人公に驚きをリアルに表現させたいのでしょうか…?むつかしいですね。
追伸:私のお祝い文を引用していただいた事、ありがとうございます。
自分の文章を使っていただけるということは、
それが良いと確実に認めていただいたようなもので…
ある種、最高の讃辞だと思っていますので。ガンガン使ってください。
私としても、がんがん使えるよい文を生み出せるよう精進するつもりです。
・・・あとは結果が伴えば・・・最高なのに・・・
>みやむ〜さんへ
…夫婦漫才…いいのかなあ…
というか、いきなり夫婦ですかっ!?
いえあの、そういうことは普通ゆっくりと段階をふんで正式なお付き合いをですね…
あ、別にアニトさまがいやとかそういうことではなしに、
ただ心の準備と言うかその…あう〜〜〜〜っ!(笑)
◎(チャンス(隙?)があればど〜ぞ。真剣勝負っ!)アニトさまへ
話数の事ではご迷惑おかけしました。
『教え子に〜』のほうは、個人的には一つの長編の感覚だったので
話数で区切るのに抵抗があったんでしょうね。
今までちっとも気づきませんでした。
また、『世にも〜』のほうも、今回より一番上に話数を追記するようにしました。
少しでもわかりやすくなればいいんですが…
あと、家庭教師と女教師の違い…ですが。
模範解答を出題の次の行に書いておいた気もするんですが、
要するに『家庭教師は1人の生徒だけと深く関係する』ということです。
もちろん、これは私の回答例です(他の方には他の意見もあるでしょう)が、
一応、『教え子に〜』ではそれがキーポイントになっています。
唯一の生徒である美由紀さんだからこそ、親身になって色々できるんですね、朔哉君は。
で、それにつけこむのが美由紀さん、と(笑)
・・・あ〜!
まずい、時間〜!
では、失礼しますー!




アニト (7月7日(月)23時45分07秒)
◎観月さん、こん○○は。
>皆様に様々なご迷惑をおかけしているように思えます。
そう思う人、手をあげて。・・・ほら、誰もいませんね。
観月さんは物語にしても挨拶文にしても
言葉の選択や文章の組み立て方をとても楽しんでいるように思います。
ただ、楽しみの裏にはそれなりの苦労や努力があります。
ときには《問題点があったり》《書けなくなっ》たりするかもしれません。
しかしだからこそやりがいがある、と観月さんは感じているはずです。
観月さんの文章が読む人を惹きつけるのはそこにある気がするんですよ。
なーに、わたしもしばしばコワれます。むはは。
『空想デート』をチャレンジの場だと思い《このまま続けて》ください。

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