美希子 (7月17日(木)17時48分23秒)
■アニトさま■
今年はなんだか梅雨らしい梅雨のような気がします。
雨の日の車の運転はいつも以上に気を使います。
だって事故を起して救急車で運ばれる事態にでもなったら・・
なんてことを考えながらドライブをしていて思いついたお話です。
ホントはタイトルだけはずっと前に決めていて
7月になったら書こうって思っていたのでした。
U子さまとの「調教デート」拝見しましたぁ。
わっ、すごい、とってもエッチなお写真ですぅ。
■U子さま■
はじめまして、美希子といいます。
U子さまの「調教デート」拝見しました。
なんか夢が自然な感じで実現していったような流れで羨ましすぎますぅ。
ちょっとエッチなメイド服を着た鏡の中の何人ものU子さま、
すっごく素敵です。堪能させていただきました。
■男!権太さま■
やっぱり兄弟姉妹がいて自分がどの位置にいるかによって
人間形成に大きな影響がでますよねぇ?
権太さまがお姉さまの教育を受けて立派な男!に育ってきたように
お姉さまも権太さまからすごく影響を受けているんじゃないかと思います。
避雷針に喩えたところなんかからすると
いざとなったら頼れる存在って感じているんじゃないですかぁ?
だってゴン子ちゃんってホントに可愛いんだからぁ〜。
新作お写真発見しましたー。
ねぇねぇ、どうやったらそんなに可愛く撮れるんですか?
きぃー、羨ましいやら悔しいやら、もー。
■朝子さま■
はじめまして、美希子といいます。
きゃっ、下着女装で外出をしていてそれを気づかれてしまったら・・・
怖いけど、そうなってみたいという思いもあったりします。
名刺には「SM女装クラブオーナー」の他にも
「アニト(さま)」って印刷されていませんでしたか?
またつづきを読ませてくださいませ。
■ロマンス純子さま■
あっと驚いてくださいましたか、えへへへっへ。
3人の設定ははじめから狙っていましたけど、
絡みのシーンになってワタシの力量では3人同時は書き分けられない〜と
みなさまの空想力に頼ることになっちゃいました。
「あなたの前で」は「母の日ショッピング」から続く話で、
ホントはメグミを主人公にするつもりだったんですけれど、
ワタシ自身書いててだんだん鈴子女王様(リンゴさん)の話になっちゃった、
って思ってはいたんです。
純子さまの物語は人物の心理の微妙なところが「わかるわかる」って感じで
いつもお上手だなーって感心しちゃってます。
七月の海 〜太平洋、二人勃起〜

「川上くん、生きてる?」
「そろそろ危ないです。田所さんは?」
「ぼくも大丈夫じゃない」
「ボクたちこんなところで死んじゃうんでしょうか?」
「きっと誰かが助けに来てくれるよ」
ぼくたちはヨットの帆を下ろしそれで日陰を作って船底に横たわっていた。
見えるものといったらかもめ一匹飛んでいない青い空と白い雲だけ。
南の海でのんびりとした時間を過ごしたいという憧れはあったけど、
今は全然状況が違った。
ヨットというより帆掛け漁船といった方が似合う小船で、
着の身着のまま漂流を初めて4日、横たわったままもう2日、
食料ははじめから無く、日に2回ほどやってくるスコールだけが
唯一ぼくたちの命をつなぐ恵みだった。
▽ ▽ 1〜7日目 ▽ ▽
事の起こりは10日前にさかのぼる。
高校の教師をしているぼくは地域何校かとの合同という形で、
フィリピンの学校を視察する旅行に参加した。
日程は2週間、総勢15名。
視察といってもそれほど堅苦しいものではなく、
マニラを拠点としていくつかの高校を見て回りながら、
その間にもこの視察旅行の引率者であるお年寄りの英語教師に連れられて、
ミンダナオ島というその昔第二次世界大戦中に
日本軍が侵攻した島を解説付きで巡ったり、
フィリピン海溝を目の前にしたなんとかという島で
「この風と海流に乗って太平洋上の島々に移り住んだ冒険者たちがいた」
と太古の歴史ロマンを力説する世界史専攻の教師の話を
右の耳から左の耳へと風に流しながら外洋クルーズをしたり、
台風の元となる熱帯性低気圧を肌で感じながら
日本人観光客も多いセブ島で体育教師が操縦する
ジェットボートの後ろについたバナナボートを乗りこなしたり、
地元料理の食材について教えを受けながら家政科の女教師と市場を歩いたり、
と楽しい慰安旅行でもあった。
日程の半分を過ぎると本来の目的である視察は終わり、
あとの一週間は自由行動が組まれていた。
ぼくはこの旅行中に仲良くなった数人と離れ小島のコテージに泊まり、
その翌日陽気な現地人ガイドに誘われて川上くんと一緒に釣りに出かけた。
主船はまあまあの大きさだった。が、ボロかった。
そして周りに島ひとつ見えない外洋でエンジンが止まった。
そのときぼくと川上くんだけが牽引されていた釣り船に乗っていて、
それが帆掛け舟だったのだ。
主船に乗り移ろうとぼくはオートジャッキのボタンを押した。
なぜそれが帆掛け舟側にあるのかは聞かなかったが、
緑色のボタンを押せばロープが巻き取られることは教えてもらっていた。
が、ドラムが回転し始めたその直後、
メキメキッドカンという破裂音とともに
オートジャッキの本体そのものが帆掛け舟からはずれ海中に没してしまった。
「重量が違うと流される速度も違うんですよ」
と数日前の外洋クルーズのとき物理の教師が言っていた。
「サメなんてどこの海にでもいますからね」
と他人事のように笑って言ったのは生物の教師だ。
こういう状況で国語の知識なんかあっても何の役にもたたない。
川上くんはソプラノ声の音楽教師だった。
なすすべもなく1時間、主船は視界から完全に消え去った。
そしてぼくたちは現代の漂流者となってしまったのだった。
▽ ▽ 8〜11日目 ▽ ▽
「どうなっちゃうんでしょう、ボクたち」
「タヒチにでも流れ着いてくれれば嬉しいんだけどね」
「誰にも発見されずに死んじゃうのかなー?」
「捜索はされているって」
「だってボクたちがいる場所は自分にさえわからないんですよ」
またまた川上くんが泣き出しそうな気配になった。
これで8回目、うち6回は声をあげて泣いている。
(ううっ、絶望的な気分)
「ねっねっ、川上くん、楽しい話しよ。
そうだ、この際だからこれまで誰にも話したことのない内緒の話を
打ち明けあうっていうのはどう?」
勤めている学校が違い、川上くんとはこの旅行中に顔と名前を知った。
そして漂流中に1歳年下の独身であることを知った。
他にも生い立ちや家族のことを話し合い、
生徒や学校への不満もグチも言いあった。
観た映画読んだ本聞いた音楽の話は5年くらい前までさかのぼっている。
「この際だからってどういう意味ですか?」
川上くんが半べそのまま唇を「へ」の字にゆがめて恨めしそうにぼくを見た。
「わわわっ、そうそうそう、あのあのそのその、つまりさ・・・
よし、こうなったらぼくから話そう。
実はね、ぼくは男性の・・ふぃんふぃんを・・舐めたことがある!」
「きっぱり言ったわりにはよく聞き取れませんでした」
「だから・・・ひんひん・・だ・・ょ」
「それってもしかして、おちょんちょん?」
川上くんはそう言いながら自分の下半身を見た。

▽ ▽ つづく (物語も漂流中) ▽ ▽




アニト (7月18日(金)23時58分15秒)
美希子さん、こん○○は。
雨の日は人通りが少なくなり、傘で姿を隠せるから好きという人もいます。
ただし車の運転はくれぐれも気をつけてください。
今回の物語はタイトルのおもしろさに加えて会話が生き生きしていますね。
危機的状況ですから生き生きというのもおかしいですが。
美希子さんのことですからまた「やってくれる」と期待しています。
物語メインの『空想デート』ではありますが、
ときどきは写真で《堪能させて》あげなくてはね。
美希子さんのお写真も待っていますよ。




美希子 (7月23日(水)14時43分06秒)
■アニトさま■
>美希子さんのことですからまた「やってくれる」と期待しています。
やっちゃいました、2話完結。
海の日記念の時期を逃してはならじという思いもあったんですけれど、
設定全般に関する知識不足と、へんに理屈っぽくなっちゃったのが敗因です。
いちおうテーマは「舐めることを後悔しないために」っていう
自分自身への心構えというか予防のためでした。
ってそういう体験ができるかどうかわからないんですけど。
ゴム付きじゃ味や微妙な張り具合がわからないような気がして、
でも発射されてもそこまでの心の準備はありませんし。
へんなことお訊ねしちゃいますけれど、
アニトさまは男性のおふぃんふぃんをお舐めになったことはあるのでしょうか?。
■セーラー服久仁子さま■
わーい、久仁子さまだぁー、お待ちしていました。
読みながらオナニーしたいベスト10なんてのがあったら
ぜったいぜったい久仁子さまの物語が上位にくるにちがいありません。
お忙しいのかもしれませんけれどどんどん作品を発表してくださいね。
■由紀子さま■
フォト物語も「空想デート」ならではの物語で素敵だと思います。
これからも応援をよろしくお願いします。
アニトさまにたくさん写真を撮っていただき、
ワタシたちの目を楽しませてくださいませ〜。
■観月さま■
>書きたい部分を書けると言う点で、個人的には神様大好きです
はい、ワタシもです。神様がいたらなーとも思います。(←これは話が違う?)
あんまり「ぼく」でばかり書いちゃうと
ぼくが知らないこと見えないことは書けないことになっちゃうので
その『ザッピング方式』を試してみたくなりました。
笑い方は全部観月さまらしくて捨てがたいんですけれど
今回の場合は「・・・・にやり。」だとうれしいです。
物語に合わせた文体はさすが観月さま。
ワタシも美由紀さんにお化粧してもらいたくなっちゃいましたぁ。
■西嶋めぐみさま■
お写真を拝見させていただきましたー。
わー、顔出し〜、いいんですかぁ、すごいー。
太っているからなんてありましたけれど、ぜんぜんそんなふうに見えないですぅ。
え? こういう写真で画像掲示板に投稿しちゃったんですか?
ワタシもやってみようかな?
■ロマンス純子さま■
無謀なチャレンジャーと呼んでくださいませ。
ホントはフィリピンって行ったことがなくて、
地図を見て島が多そうだなって思って場所として決めたんです。
だからイメージで書いてます。
次回以降も楽しみにとうれしいお言葉をいただきましたけれど
イメージが続かず今回で終わっちゃいました。
でも早くも次回作を構想中です。
七月の海 2 〜太平洋、二人勃起〜
「おちょんちょんを舐めたことがあるんですか!」
しっー、声が大きいよ、と言おうとしたけど
南太平洋上のどこかを帆掛け漁船で漂流しているぼくらの声を聞く者は
少なくとも見渡す範囲にはいなかった。
ここが駅前のコーヒーショップだったらもちろんこんな話はしなかった。
「学生時代野球部に入っていて先輩に無理矢理ね・・・
川上くんの学校じゃそういうことする人いなかった?」
川上くんは顔を曇らせて首を横に振った。
「ぼくらの学校は男子校だったし、先輩の言うことは絶対だったからね。
あっ、でも抵抗したからすぐに解放されてそれ以上は何にもなかったんだよ」
少しの間お互いに気まずい空想時間があった。
川上くんは何を思っただろう、事実以上のことじゃなければいいけど。
「・・・あの〜、へんなこと訊くようですけど
おちょんちょんを舐めた感じってどんなでした?」
わっ、ホントにへんなこと。
乾ききった口の中に思い出したくない思い出が滲み出てきた。
「う・うん、それが正確には舐めただけじゃなくて咥えた、いや咥えさせられた」
「わっ、すごい」
「ははは、そう? って笑い事じゃなくてそのときはすっごく嫌だった。
でもこうなったら言っちゃうけど、今にして思えば・・・・うーんと、
あのさ、女の子のおっぱいって抵抗なく舐められるよね? 経験ある?」
「ないです」
そんな予感がしていた。
「ええとそれじゃ、結局は顔も手もおっぱいもふぃんふぃんも皮膚じゃない。
綺麗か汚いかっていったら日本人の多くが毎日お風呂に入っているし、
おっぱいを舐めるのとふぃんふぃんを舐めるのとの違いは
対象の性に違いがあるのはおいといて、
舐める側にそれを欲しがる性的な欲求があるかどうかだって気がする。
あのとき先輩にとっては明らかに性行為だったけど、
ぼくにはそうしたいという気持ちはまったくなかったから
それがたまたま男だった、ふぃんふいんだった、
いってみれば手を舐めたのと同じ、人の皮膚を舐めたことがある、
だからうれしいとも思わないし、そうそう悲しいことでもない、
と今では割り切っているんだよ」
「田所さんってすごいですね」
「すごくなんかないよ。
トラウマにしたくないっていう自己防衛のためのぼくなりの解決法。
考えてみるとさ、男が女性の・・お・みゃんこを舐めるよね。
でもそこって言ってみれば洞窟じゃない。
暗くて奥が見えないから神秘的でもあり不気味でもあるおみゃんこよりも
色も形もはっきり確認できるふぃんふぃんの方が安心感があると思わない?」
「田所さんゲイなんですか?」
「そうじゃないよ。だから舐めるのは今もしたくはない。
たださ、ゲイじゃないつもりなんだけど
舐められるんだったら男でも女でもいいかなって思う。
少なくとも温めたこんにゃくでシコシコするより気持ちいい気がする。
こんなことになるならどっちも一回くらいはしとけばよかったかなー」
ぼくの顔をじっと見つめていた川上くんが空を見上げた。
泣き出す様子はない、なにか思い詰めているようだった。
ぼくは思い切って言ったみた。
「川上くんさ、下着女装してない?」
目を丸くして一瞬だけぼくを見た川上くんは
背中を見せてそれっきり何を言っても返事をしなくなった。

▽ ▽ 12日目 ▽ ▽
目覚めたときちょうど水平線に太陽が顔を出そうとしていた。
左手が痺れているのを感じた。
漂流5日目でそろそろ身体の感覚が
おかしくなってきたのかもしれないと思った。
が、重い頭を動かして見ると、
川上くんがぼくの左手をつかんで眠っていた。
涙の流れ痕があった。
川上くんと初めて話をしたのは旅行2日目のことだった。
「1人で参加したんですか?」
「はい」
「ぼくもなんです」
「田所といいます」
「川上です、よろしくおねがいします」
それだけ。
4日目の夕食で隣の席になった。
「よかったらこの後プールで泳がない?」
「ボク、泳げないんです」
そういえばプールでも海でも川上くんが泳いでいる姿を見たことはなかった。
学校視察中、みんなのラフな格好と違って長袖シャツとズボン姿だった。
それは今も同じだ。
耳にかかる少し長めのストレートの髪が潮でごわごわになっている。
5日前までは真っ白だった手の甲にはムダ毛もみあたらない。
そういえば伸び放題になっていてもいいはずの髭が全然ない。
ぼくは痺れた左手を揉みほぐそうと右手を上げた。
「お願いですから動かないで」
眠っているとばかり思っていた川上くんが言った。
「大丈夫、なんにもしないから。もしかしたら眠れなかった?」
川上くんのおでこがぐいとぼくの二の腕を押した。
「昨日はへんなこと言ってごめん。このまま話をしていい?」
川上くんの両手がぎゅっとぼくの二の腕を握り締めた。
「そうじゃないかと思っていたんだ。実はね、友達に女装娘がいたんだよ」
返事はなかったけどかまわずぼくは話を続けた。
「中学からの同級生でよく家にも泊まりに来てたんだ。
その頃からちょっと変わった奴だとは思っていたけど、
高校に入ってしばらくしたらそいつ女装しだした。
ぼくには姉キがいてときどきふらっとプチ家出しちゃうから
そういうときにはぼくんちへ来て女装してたんだよ。
もちろん他の友達や両親には内緒でね。
知ってのはぼくともう1人の友達とそいつが憧れていた先輩だけ。
不思議なんだけどそれでもすっごく仲のいい友達だったなー。
一緒にベッドに寝転んでテレビ見てたこともあったくらいだから。
でも卒業式が近いある日、
あいつがぼくのふぃんふぃんに触ってたんだよ、ぼくが寝てる間に。
そして言われたんだ『好き』だって。
『ごめん』とも言ったけどぼくは返事をしなかった。
だってそうだろ、友達だったんだから」
明るくなってきた空が青すぎてなんだか目がチカチカしてきた。
鼻の奥まで痛くなった。
スコールが来て洗い流してくれればと思った。
「その人とはどうなったんですか?」
「あいつ卒業と同時に街からいなくなっちゃった。
だからぼくは地元の大学出て、一緒にすごした今の高校の教師になったんだ。
やつがいつ帰って来てもいいように」
「その人が好きだったんですか?」
「・・・わかんない。ぼくにとってあいつは友達であり男だからね」
1cmだけ川上くんがぼくにすり寄った。
「一緒に待っててもいいですか?」
「うん、ありがと」
もう動く体力がなくなってきていたせいもあったけれど、
それだけの理由ではなくその日一日中ぼくたちは寄り添ったまま話をした。
あの夏の甲子園の思い出。
川上くんが女装を始めたきっかけ。
あいつ、美希(よしき)のこと。
川上くんの孤独な胸の内。
漂流が始まって以来、毎日がとても長く感じていたけど、
今日ばかりはあっという間に夕暮れになっていた。
だけど思い出をたどるばかりで未来の話はなかった。
「最後の最後の日になって神様が幸せをくれたみたい」
水平線に沈みゆく夕日を見ながら川上くんが言った。
「正直な自分になっていいですか?」
一つ一つの動作もたいへんそうに川上くんはズボンを脱ぎ始めた。
ムダ毛1本ない綺麗な足に可愛いコットンのパンツ。
ランニングシャツだとばかり思っていたシャツは
女性モノのタンクトップということだった。
「じゃぼくも」とトランクス1枚になった。
「ふぃんふぃんを舐めてほしかったけど、もう大きくならないから」
「ばかぁ・・・でも・・してもよかった、耕太さんのなら」
「にゃはは、このままでいてくれれば十分だよ」
ぼくの左半身と川上くんの前半身が完全に密着していた。
「今夜は安心して眠れるような気がする」
川上くんはうれしそうに言ったけど、
夜明けが来るのかどうかはわからなかった。
▽ ▽ 闇の中へ ▽ ▽
真っ黒い何かがぼくに覆いかぶさってきた。
悪いことをした憶えはない、でも天国のイメージとはかけ離れていた。
なにやら雄たけびのような音が聞こえる、鬼の声だろうか?
黒い空を切り裂く稲妻がぼくたちに降り注いだ。
大地が揺れた。
迎えの使者の足音がした。
!”#$%&’()=〜|
審判の声だろうか? でも何を言っているのかわからない。
目も耳も正常に機能しているのかさえもわからなかったけど、
左腕に確かに川上くんの存在を感じていた。
守らなきゃ、ここがどこであろうと川上くんをまた独りぼっちにはさせない。
そう思ったとき鈍っていた感覚が徐々に戻ってきた。
大地の揺れはますます激しく感じられ、眩しい稲妻がぼくを直撃する。
使者の数はさらに増え、ざわめきが大きくなってきた。
いよいよ閻魔大王の前に引きずり出される時が来たのかもしれない。
そうなったら言ってやろう「女装は罪じゃない!」って。
そのとき聞き取れなかったざわめきの中のひとつの声が
はるか遠くから響くように、でもはっきりとぼくの意識をつかんだ。
▽ ▽ 審判の声 ▽ ▽
「オメサンタチ、ニポンジンノセンセイラ?」
声の主がぼくの眼前に迫ったとき、後光がさしているように見えた。
暗い大地が狭いオンボロ帆掛け舟に変わり、はだしの足が動き回っていた。
何本ものロープが船の前後から上空に延びている。
その先に黒っぽい船腹があり、サーチライトがまぶしかった。
痩せこけた浅黒い顔が再びぼくの目の前に迫ってきた。
「オメサンタチ、ニポンジンノセンセイラ?
サガシタダヨ、ダイジョウビダタカ? イキテルナ、アンシンシタダヨ。
ソレトモ、オジャマダッタカナ?」
左肩に川上くんの寝息を感じた。
ぼくはありったけの力を振り絞って言った。
「そうともいえるし、そうともいえない」
「エッ、ナンジャラホイ? キコエナイ、モトデカイナコエデ」
▽ ▽ 15日目 ▽ ▽
ぼくは病院のベットにいた。
薄っぺらなビニールカーテンの向こうの壁際の棚に大小2つの花束が飾られている。
ひとつは二週間の日程どおり日本へ帰った視察旅行の面々からのもので、
もうひとつの少し見劣りがする方は、
ぼくたちを最初に見つけてくれた漁村の人たちが摘んできてくれた花束だった。
どちらの花束にもこの遭難事件を本島や日本に伝わらないように
配慮してくれたありがたい想いを感じることができた。
隣りのベッドで川上くんが何事もなかったように眠っている。
距離にして3メートル、でも今はとても近く感じる。
白い患者服を着せられ、腕に点滴の針が刺さっているのは同じだけど、
耳の上に真っ赤な花が一輪飾られていた。
村でただ1人、怪しげではあるけど日本語をしゃべれるホイくんのいたずらだった。

▽ ▽ おわり ▽ ▽
『先輩 ファイト!』耕太くんの「今」でした。
美希(よしき)くんはいずこに〜。




アニト (7月24日(木)00時10分03秒)
美希子さん、こん○○は。
『七月の海 〜太平洋、二人勃起〜』完結おめでとうございます。
以前書いていた《時期物・記念日物の物語》第2弾ですね。
《あの夏の甲子園》にいた彼は今・・、人生いろいろです。
短い物語ですが、読み応えがある。
美希子さんの物語作りの巧さは皆が認めるところです。
次回作も《やっちゃ》ってください。
>アニトさまは男性のおふぃんふぃんをお舐めになったことはあるのでしょうか?。
それは男としてのわたしの役目でないと思っていますので、
したことはありませんし、今後もするつもりはないのですよ。
されるのは大好きですけどね。どわっはっは。


メニューへ戻る

動画 アダルト動画 ライブチャット