権太 (4月21日(月)23時28分30秒)
◆アニト様へ◆
>それに応える権太さんが頼もしくみえてきました。
苦節2年、ようやくアニト様からも男として認められるに至ったかと思うと、
努力してきた甲斐がありました。
これを励みに日々男を磨くべき精進していきます。
>『別棟』の更新は月に2回(1日と15日)で
なんとなくそうではないかとも思いましたが、
十分な確認をせぬまま間違いを書き込んでしまい大変に申し訳ありませんでした。
>《表紙の装丁》は慣れ親しんだオレンジ輪切り図を背景に
>『空想デート』バナー(夢見るセーラー服少女)をドドンと入れます。
『空想デート』バナーというところで、ふと、メイン掲示板の上の方を見ると、
『ちんこ好き、大集合』というバナーが、、、。
いや、沙希さんのイラストを指していることは十分承知していますが、
ついとんでもない表紙を想像してしまいました。
◆舞さんへ◆
>あらッ、権太さまはお優しいのですね。
>あれはあれで、綾は虐められて喜びを感じていますのよ。
そうなんですよ、優しいんだけど、いまいち女の人の事が判ってない。
そのせいか全然もてません。
何だかんだと言っても綾さんは喜んでいるし、
だからと言って譲二君のような真似は出来そうにもない。
その点、優しさならば権太の10000倍もあるアニト様が
意図的に責め役に徹せられるところはさすがです。
◆柏木彩さんへ◆
こちらこそ柏木彩ちゃんには、いつもお世話になっております。
おかげさまで彼女が出てきてからのごん太少年はアンドレゲン出まくりです。
やっぱ、女は男を変えるのか、
見知らぬマンションにベランダ越し潜入してしまう彼(弘?)も
同じなのではないでしょうか。
ひょっとすると潜在的には彼女が誰だか初めから判っていたのかも。
◆鈴木京子さんへ◆
はじめまして、ここでは数少ないアニト様と同じ純男の権太といいます。
京子さんの物語を読んで小学生の頃を思い出してしまいました。
実にささやかな体験だったんですけど、
女の子が権太の手の平を人差し指で円を描くようになぞって、
こうすると気持ち良いんだよって言ってました。
あの時はやせ我慢して平気なふりをしてたんですけど、
結構気持ちよかったような気が・・・。
◆観月さんへ◆
『ひなた戦記』の由衣美さんならばそっち方面の話も盛り上がるんですけど、
権太の場合だとテーブルトーク以前で
RPGの世界観や設定の段階で面倒くさくなって駄目駄目君です。
>おかげで、ジャンルがドレス・コスプレ系に。
おっ、おっ、おっ、この辺は権太でも燃えます。
是非、さくや君にも着せちゃって下さい。
アニトカイザーも遠慮なく使っていいですよ。
これも自分的にはお金の掛かったアニト様のオモチャ程度の扱いだったんですけど
(だから裏の目立たない部分はガムテで止めてあった)、
由衣美さんが実際に動いて戦う合体変形ロボにして今に至った訳です。
◆ロマンス純子さんへ◆
「そして、ぼくは彼女になった」、お休みなんですか〜、
鹿島クン、これからだと思っていたのに・・・・。
でも、話数1/3以下の「亜里砂の大冒険」でさえも、
長く書いていると最初の頃のテンションが無いので
機械的作業みたいなところが出てきますからお気持ちは判ります。
なるべく早く新作を出してください。
それと、これを機会に体験談なんかも書いてくれると嬉しいです。
あと、水原勇気というと野球狂の詩、野球狂の詩というと国立玉一郎。
名女形で男の選手をドキドキさせてしまう。
水島センセは野球漫画でもキチンとやってくれています。
◆ミキさんへ◆
はじめまして、ここでは数少ないアニト様と同じ純男の権太といいます。
初めての外出体験でありながら何と過激な・・・。
羨ましがられている方々も多いと思います。
もっともっと羨ましがられるような物語を一杯書いてください。
◆美希子さんへ◆
>ふぅ〜んだ、ワタシなんか運動会ではいっつもビリでしたし、
甘い、甘い、甘い、甘い! 
かけっこなんてもんは5,6人に一人は楽勝でビリをとれるんです。
せいぜいFクラスの運痴自慢ってとこですな。
体育授業で最下位より上をとったことがなければEクラス。
で、クラス替えになると今度こそはと期待するんだけど最下位はかわらずで、
結局は学年最下位だったいうことならDクラス。
その上に、さらにA、B、Cクラスが君臨しますが、
これについてはDクラス以上の猛者がおられれば説明しましょう。
>でも腕立て伏せが3回しかできないんですよ。
そりゃ少なすぎです。
権太でも最盛期には10回はできてました。
毎日筋トレしてプロテインを欠かさずに飲むことをお勧めします。
プロティンは不味いですよ、止めてしまうと反動で副作用が出るって話だし。
ん! それがまずかったか、、、??!
◆久仁子さんへ◆
「オナニー禁止」、きつそうですね。
権太には真似できそうにありません。
そこで今回は応援の意味も兼ねて少しだけ書いてみました。
お気に障ったらごめんなさいです。
★久仁子さんとあそぼ★

ビジネスホテルのとある一室、ドアノブに手を掛ける権太であった。
(ガチャ)
鍵は掛かっていない。

「ちわー、権太です。今日はアニトさまの名代としてきました。」
「あー、権太さまぁ、もう久仁子我慢できません。
お願い、お願いです。久仁子をいかせて。」
僕の顔を見るなり、
超ミニのセーラー服姿でベットの端に腰掛けていた久仁子さんは、
切なそうに哀願してきた。
「相変わらず短いスカートですねー、パンツ丸見えですよ。」
「あ〜ん、久仁子、パンツ見せて、よがってる変態なのぉ、
お願い、久仁子を、久仁子をイジメてぇ。」
「まあまあ焦らないで、いちおアニト様の代理なんでそのつもりなんですけど。
それにしても長そうなルーズソックスですね。」
(う〜ん、ものすごくくしゅくしゅして可愛いぞぉ。
なんか履いてみたくなったなあ、お願いしてみるかな。
いやいや、いかんぞ、今日はアニト様の代わりなんだから、
あくまでも毅然とせねばな。)
「あーん、これ160センチのスーパールーズなんです、
権太様の分もありますぅ、ねぇ、一緒のセーラー着て同級生レズしよ。
久仁子、権太様のお着替え、お手伝いしちゃいます。」
(げっ、まずい展開、このままじゃあ男修行にはならんぞ!)
「あはははは(少し引きつって)、権太が女装するわけないじゃん。
それにしても長いルーズだなあ、身長くらいあるじゃない。
そんなの絶対に校則違反だろ。」
「あん、久仁子のガッコ、校則厳しいの、このルーズ、
ここに来る途中の電車の中で履き替えてきましたぁ。」
「へえー、じゃあ他の人に生足見られたんだ。」
「はい、前の席にいた禿で眼鏡を掛けた中年のおじ様が、
嫌らしい目をしながら久仁子の生足をジロジロ見ていましたぁ。」
「あはははは、そんな短いスカートなんだ、生足だけじゃないだろ。」
「はい、パンツも見られてしまいましたぁ。」
「あはははは、パンツだけじゃないだろ。」
「あ〜ん、権太様のいじわるぅ。」
「何を見られたのかな、きちんと言ってごらん。」
「あん、パ、パンツの前の方見られましたぁ〜。」
「それじゃあ全然説明になってないぞ、パンツの前はどうなってたんだ?」
「あん、パンツの前はアレで膨らんでいて嫌らしいシミが一杯ついてましたぁ。」
「それを見たオジさんはどうしたかも言ってごらん。」
「おじ様は愕いて何度も何度も眼鏡を掛け直しながら覗き込んできましたぁ。」
「久仁子は見られてよがる変態だからなあ、
我慢できなくてそのままいったんじゃないの。」
「そんなぁ、今日は権太様がしてくれるってゆうから、
円周率を暗唱しながら必死でガンバリましたぁ。」
「ほお、それは感心感心、ところで、パンツはれいのヤツを履いてきたかな。」
「はい、権太様のおっしゃるように白い綿のグンパンをはいてきましたぁ。」
「お、偉いぞ、やっぱミニの女子高生はおヘソまであるグンパンじゃなきゃな。」
「はい、久仁子もグンパン好きですぅ、でもTバックの方がもっと好きですぅ。」
「うむ、久仁子の気持ちもわからぬではないが、
やはりミニの女子高生がTバックでは不自然だわな。
どんな無防備のように見えてもガードすべきところはガードする。
このアンバランスさが女子高生の魅力なのだ。」
「はい、わかりましたぁ、権太様、ものすごいマニアックで素敵ですぅ。」

マニアックと言われて少々凹む権太であった。

(つづく←はないと思う)




アニト (4月23日(水)23時47分33秒)
権太さん、こん○○は。
「船頭多くして船山へのぼる」という諺があります。
自分の役割を知り、成すべきを果たしてくれるみなさんのおかけで
『空想デート』という船は迷って山へ登ることなく今日に至っています。
女装世界の主役は女装娘さんたちですから
これからも楽しい航海ができるようエスコートしてあげてください。
>これを励みに日々男を磨くべき精進していきます。
その意気です、あと3000年くらい精進すれば立派な船長になれるでしょう。
わたしも何とかして船室に閉じこもりがちなゴン子ちゃんを
もっと表舞台で露出、いや、活躍してくれるよう精進してみます。

もひとつ権太さんへ
−−−−−−−−−−−−−
★ゴン子ちゃんともあそぼ★
−−−−−−−−−−−−−
豪華客船のとある一室、ドアノブに手を掛けるアニトであった。
(ガチャ)
鍵は掛かっていない。
「ゴン子ちゃん、お久しぶり。元気にしていたかな?」
「あー、アニトさまぁ、もうゴン子我慢できません。
お願い、お願いです。ゴン子をいかせて」
わたしの顔を見るなり、
超ミニのセーラー服姿でベットの端に腰掛けていたゴン子ちゃんは、
切なそうに哀願してきた。
「相変わらず短いスカートですねー、パンツ丸見えですよ。
で、いったいどうしたの?」
「あ〜ん、ゴン子、パンツ見せて、よがってる変態なのに、
最近権太さんが遊んでくれないんです。
お願い、ゴン子を、ゴン子をイジメてぇ」
「まあまあ焦らないで、そういえばこのところ権太さんは
男宣言を強調しつつ、みんなに人に声を掛けていますからねー。
頼もしく思っていますがゴン子ちゃんのことを忘れてしまうとは!。
それにしても長そうなルーズソックスですね」
(う〜ん、ものすごくくしゅくしゅして可愛いぞぉ。
なんか触ってみたくなったぞ、手を出してみるかな。
いやいや、いかんぞ、今日は・・・なんでゴン子ちゃんに会いに来たのだったかな?。
まっ、ともかくいつも通り毅然とせねばな)
「あーん、これ160センチのスーパールーズなんです、
久仁子様の分もありますぅ、一緒のセーラー着て同級生レズさせてくださいまし。
ゴン子、久仁子様のお着替え、お手伝いしちゃいます」
(おおっ、そういえば久仁子も連れてきたのだった。
そして今わたしは椅子ではなく久仁子の上に腰掛けているのだった!)
「むはははは(少し引きつって)、
そういうことなら、ほら、久仁子も喜んでいますよ。
それにしても長いルーズですね、久仁子のと同じくらいあるじゃない。
そんなの絶対に校則違反でしょう」
「あん、ゴン子のガッコ、校則厳しいの、だから本当は・・」
「罰が欲しくてわざと穿いているんでしょう?。
先日久仁子にはそういう格好で外出を命じ、写真を撮りました。
本当はもっと過激な写真もあるのですが公開できないのが残念です」
「はい、拝見させていただきました。
ゴン子もあんな短いスカートを穿いて生足を晒し、
皆様に嫌らしい目で視姦されているのを空想すると興奮しちゃいます」
「あはははは、そんな短いスカートがいいんだ?、生足だけじゃないだろ」
「はい、パンツも見られたいですぅ」
「あはははは、パンツだけじゃないだろ」
「あ〜ん、アニト様のいじわるぅ」
「何を見られたいのかな、きちんと言ってごらん」
「あん、パ、パンツの前の方見られたいですぅ〜」
「それじゃあ全然説明になってないね、パンツの前はどうなっているのかな?」
「あん、パンツの前はアレで膨らんでいて嫌らしいシミが一杯ついてましすぅ」
「ゴン子ちゃんも見られてよがる変態になったんだねー、
我慢できなくてそのままイッったんじゃないの」
「そんなぁ、今日はアニト様が来てくださるってゆうから、
『ちんこ好き、大集合』って暗唱しながらも必死で耐えましたぁ」
「ほお、それは感心感心、ところで、パンツはれいのヤツを履いているかな」
「はい、アニト様のおっしゃるように白い綿のグンパンをいますぅ」
「お、偉いぞ、やっぱゴン子ちゃんはおヘソまであるグンパンが似合うな。
どれ、久仁子はどんなパンツを穿いているんだい?、見せてごらん」
「久仁子もグンパン好きですぅ、でもTバックの方がもっと好きですぅ。」
「うむ、ゴン子ちゃんの気持ちも久仁子の気持ちもわかるわかる。
見る側としてもいろんなパンツがあると楽しい」
「はい、わかりましたぁ、アニト様、ものすごいマニアックで素敵ですぅ。」
マニアックと言われておおいに凸むアニトであった。

(つづく←はもうないでしょう・・・・が)




権太 (6月26日(木)21時59分33秒)
◆アニト様へ◆
ヌンチャクが使えるんですか、尊敬しちゃうな。
>《小説も映画もほとんで見ない》という権太さんなのに
ほんとに読まないし見ないです。
でもまあテレビで流されるものは気が向いたら見るし、
ビジュアルノベル系ゲームはしますんで、
その辺は多少なりとも相殺されているかもしれません。
『空想デート』は5周年ですか。
権太もアニト様を目標にこれからも頑張らせていただきます。
◆おとめさんへ◆
はじめまして、アニト様と同じ純男の権太といいます。
おとめさんのような女らしい方が
陰ながら応援してくれていたのだと思うと、とても嬉しいです。
文章も簡潔で読みやすいですよ。
どうです、ちょこっとだけ体験と願望(無いとは言わせません)を
書いてみたらどうでしょう。
権太の書くいい加減な話と違ってずっと皆様の共感を得られるじゃないでしょうか。
◆ロマンス純子さんへ◆
どうもごめんなさい。
伸彦君と佐々木課長を無断でお借りしました。
しかも、今回の包丁を振りかざす狂気の佐々木課長と比べると、
もう滅茶苦茶甘々ちゃんです。
親子なのだからいつかは分かり合える時がくるにしても、
そこに至る過程を設定部分で逃げてしまっている権太流ってのは
全面的に間違いなのだと今回は強く反省しております。
◆みやむ〜さんへ◆
引っ越しはとりやめですか。
東京も広いようで狭いですから、案外行動範囲は同じだったりして。
少し時間をずらせばそこにいたぞなんて事も多かったりするんじゃないでしょうか。
権太もみやむ〜さんとどこかで…。
◆久仁子さんへ◆
素敵なおじ様の登場ですね。
最近の話では権太でも納得な優しい系の男性が増えてません?
これから久仁子さんは囲われ者になってしまうのでしょうか。
>そんなこと言っても絶対セーラー服着せちゃいますよー(笑)
えっ、やだなぁ、セーラー服なんて着ても男丸出しだし、
絶対似合わないですよぉ。(毅然と毅然と…。)
◆純子さんへ◆
男と女、どちらの生活もきっちりとこなすところはすごいです。
でもなんか割り切れなさを感じます。
純子さんやトランスのことではなく、
そういう人達が女の側に決定的に振り子が傾いた時に
居場所がなくなってしまうような感じ。
もし仮に純子さんがそれを望んだのだとしても
性別によって人格や能力が変わるわけでもないし、
会社としては貴重な人材を失う訳だから慰留すべき事ではないかと思うんですよね。
◆美希子さんへ◆
「純男!権太さま」、うーん、いい響きだ。
これからもこれでお願いします。
>パンティやキャミソールなどのインナーを作るのだって難しそうなので
インナーを馬鹿にしてはいけません。
布地が薄かったり収縮性があったりでミシンがけしにくいし、
レースなどもつけるとなると結構大変です。
確かに出来がヘボくても人に見せるもんじゃないので(普段は)、
そういう意味ではいいかもしれませんが、
手間と布地代を考えるとキャミを作る人なんてあんまりいないんじゃないかなあ
(パンツは端布で作る人がいるみたい)。
>そういえば針も糸も持っていません。
そりゃいけませんよ。
権太なんかは小学生の時に家庭科で使っていた裁縫箱がいまだに現役です。
スカートやズボンの裾上げくらいは自分でやりましょう。
まつり縫いならばミシンはいりませんし裾上げテープというのもあります。
それも駄目って言うなら布用接着剤でも使い、
取り敢えずトライしてみたらどうでしょうか。
(権太次回投稿は裁縫初級講座か!?)
『もう一人の佐々木課長』(田口トモロヲの声で読もう)

佐々木課長の一人息子である伸彦が万引きをして補導された。
あろうことか伸彦は女子高生のセーラー服姿であった。
息子が生まれた時には指が全てあるかと数えた佐々木である。
(5体満足な男子に生んでやったというのに何が不満だというのか。)
佐々木はそう思った。
『男のお子さんです。』
看護婦にそう告げられた時の喜びは今でも忘れ得ないことであった。
娘ではいけなかったということではない。
しかし事情があり、もう一人の子は望めなかった。
だからどちらかならば息子が欲しいと思っていた。
息子とキャッチボールをしたい、
そんなたわいのない理由ではあったが、
本当は自分の出来なかったことを子に託したかったのかもしれない。
佐々木が妻を問いつめると伸彦の女装行為には気がついていたという。
そんな妻を怒鳴り散らしてはみたものの
何も判っていなかったのは自分だけだったのかもしれないと佐々木は考えた。
今になってみれば思い当たるふしもある。
楽しみにしていたキャッチボールも、
伸彦は二球も投げることなく以後全く興味を示すことはなかった。
一人遊びが好きで花の絵を描くのが好きな子供であった。
こうなってしまった以上は全てを受け入れねばならない。
たとえそれが自分の望むものでなかったとしてもだ。
今日は全てをさらけ出し伸彦と向き合おう、
自分にはそれが出来るし、その資格があるのだと佐々木は自分に言い聞かせた。

あの日以来、息子の伸彦は自室に引き籠もり学校にも行かなくなってしまった。
佐々木も妻も、息子と顔を合わすことさえなくなっていた。
三度の食事を妻がドアの前に置くと
夕食のみ夜遅くに僅かに箸がつけられるだけだった。
そんな伸彦でも出すものは出さなければならない。
就寝前にはトイレに行く、
就寝前とはいえ昼夜逆転の生活なので深夜から早朝であった。
佐々木はその時を待つために一晩中ドアの前に座り込んでいた。
朝の日差しがまぶしく佐々木の顔を照らしていた。
(カチャ)
伸彦が自分で取り付けた鍵を開ける音がする。
僅かにドアが開かれると待ちかまえていた佐々木は
力任せにドアをこじ開け部屋に突進した。
伸彦は必死で押し返そうとするが、強靱な筋力を持つ父に敵うわけがなかった。
「キャッ」
伸彦は床に押し倒され組み伏せられてしまった。
華奢な息子は、化粧っけこそなかったが、
あの日と同じようにセーラー服をまとっていた。
父はうら若き乙女を凌辱しているかのような罪悪感に囚われた。
「すまん、きょうはお前に謝らねばならないことがある。」
父は拘束をほどき息子の顔を見据えることなく言う。
「そうだ、その前に、お前に渡すものがあった。」
父は明るさを装い廊下に置いといた平箱を持ってくると息子の前で開けて見せた。
「これって?」
それは避暑地でお嬢様が着るかのような
古風なデザインをした夏の花柄ワンピースであった。
「これは父さんが初めて母さんにプレゼントした洋服だ。」
「着ていいの?」
「ああ、ただし一つだけ条件がある、
この服を着て今日一日だけ父さんとデートしてくれないか。」
息子は答えなかった。
「すまん、じゃあ、いい。」
父は落胆し部屋を立ち去ろうとした。
だが息子は父を呼び止めた。
「じゃなくて着替える間だけ出てって、もう部屋には鍵をかけないから…。」

土曜日の昼下がり、仲の良さそうな父娘が釣り堀で糸を垂らしていた。
「父さんはな、よくここで母さんとデートをしたんだ。」
「ここでデート?」
「あはははは、父さんは、母さん以外につきあった女性がいなかったから
二人っきりのデートといってもどこに行っていいか判らなかったし、
遊びといっても釣りくらいしか知らなかったもんだから、
ここにさそうしかなかったんだ。」
娘はそんな純朴な父を少し誇らしげに思った。
「おまえ、母さんの若い頃にそっくりだぞ。」
「服、変じゃないかなぁ。」
「変じゃないぞ、とてもよく似合っている、どうみても女の子だ。」
娘はアンティックな服のデザインについて言っているのだが、
父親にはそれが通じない。
「おまえ、名前はなんていうんだ、
父さんが勝手につけた名前じゃなくて本当の名前だ。」
「伸代…」
「そうか、父さんの伸に母さんの代か、すまんかった。
でもなんかドラエモンみたいな名前だなぁ。」
とても無神経な父であった。
「伸代、今日は今まで黙っていたことを謝らなきゃならん。」
「なに?」
「実はなあ〜、言いにくいのだが…、実は、お前を生んだのは父さんなんだ。」
「へっ???」
「若い頃、母さんは伸代と同じ女装娘で、父さんは俗に言うオナベだった。
だから結婚してお前を生んだ後に本格的にトランスして
戸籍上の性別と名前も入れ替えたんだ。
今でも大変だろうが当時は性同一性障害なんて考えはなかったから
水商売以外で普通に生きようとしたら、この方法しかなくてな。
父さんも母さんも水商売って柄じゃないし…。」
娘は突然のことに唖然とした。
「お前だけは普通に成長して普通に生活してもらいたかったんだが、
やはり蛙の子は蛙だ。
だから安心していいぞ、母さんは大先輩だし、父さんも女装娘が大好きだ。
だが、あの万引き小僧とつき合うことだけは許さん。
伸代は父さんだけの伸代だからな。
あとパンツはヘソまであるグンパン以外は絶対に穿いちゃいかん、
女子高生がTバックなどとはもってのほかだ。
それと、あんな気色の悪い短いスカートとだらしないルーズも禁止だ。
スカートはくるぶしまであるロングでなきゃならん。
化粧は三原順子みたいに男に媚びずにキリッとさせるんだ。
母さんの集会でのセーラー服姿は実に凛々しくてカッコ良かったんだぞ。
伸代も若い頃の母さんのようにいい女になるんだ。
がはははははははははは!!」
釣り堀に下卑た笑い声が響き渡る。
娘は小さな声で嘆いた。
「ふ、不良になってやる……、」

(おしまい)




アニト (6月28日(土)01時26分30秒)
権太さん、こん○○は。
>その辺は多少なりとも相殺されているかもしれません。
得意分野から刺激を受けるのがもっとも身につきやすいものです。
わたしのヌンチャク技も映画の影響ですからね、むはは。
夜の暇つぶしにと思って作った『空想デート』も(不純な動機で申し訳ないっ)
なんやかやと5年も続いてしまいました。
『空想デート』自体の形式はまったく進歩していないのですが、
作者さんたちの文章力は確実にアップしているのが大きな喜びです。
>「父さんが勝手につけた名前じゃなくて本当の名前だ。」
うーむ、こんなにもこしゃくなセリフをよくぞ。


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