山﨑アカリ (5月24日（木）13時23分39秒)
アニト様、先輩奴隷の皆様、このページを御覧になっている多くの皆様方、
アカリでございます。m(_ _)m
★アニト様
すっかりご無沙汰をしてしまいました。
お花見をきっかけにちょっと遊びすぎてしまい、
今度はその、反動で忙しくなってしまい・・(^_^;)
なかなか書き込みできない始末になってしいました。申し訳ありません。
それにしても春の陽気というのは・・本当に人をウキウキさせてるものなんですね。
突然のトラブル、本当に驚き、ヒヤヒヤしてしまいました。
何とか元に戻ったようで、とりあえず、ホッと一安心
・・でも、原因はなんだったんでしょう？
★数値フェチっ子様
ご心配をおかけしています。
確かにこのところ忙しい事は忙しいのです。
けれどもだからといってサボりはいけません。
それに、多分に“遊び”で忙しいって言うところもあるのです。
ともかく元気ですから、あまりご心配なさらないで下さいね。
★純子様
いろいろ大変なご様子・・
それなのに「空想デート」を支えるご活躍には、本当に頭が下がります。
書き込みをはじめたころ、落ち込んでいたわたしにとって
「空想デート」は大きな支えでした。
純子さんにも同じように、書き込みが支えとなってくれる事を願っています。
実は、わたしの方も、コツコツと外出記を書いていたんです。
今回はネタがかぶってしまいましたが、本当に偶然なんですよ。ごめんなさいね。
★由衣美様
お久しぶりです、由衣美さん。
パーティー、なんだかすごいことになってきましたね。
でも、由衣美さん、幸せそう・・
と、ともかく・・パーティーの進行役、ご苦労様です。
ホントにいつまで続くんでしょうね？
でも、わたしはしつこいタチなので、どこまでもお付き合いさせていただきます。
よろしくお願いしますね。
★宏美様
私書箱の開設、おめでとうございます。
早速、メールさせていただきましょう。
でも、いつ、お読みになれるんでしょうか？
次の出張の時になってしまうのかも知れませんね(^_^)。
ところで・・宏美さんの書き込みのせい？で
わたしもキメブラ、欲しくなってきちゃいました。
季節柄、アウターに響かないのが欲しくなってきていた、と言うこともありますが、
華やかで明るい色使いや、モダンなシルエットがイイですね。
今度、買っちゃおうか知ら。
★唯奈様
わたしがサボっている間にもコンスタントな書き込みと、
こまめなフォローのご様子に、本当に頭が下がってしまいます。
それは唯奈さんの優しさなんですね。
先の書き込みでも、温かいフォローのお言葉をいただきました。
大丈夫です。今、わたし的にはとってもがんばっているんです。
それで、「空想デート」までちょっと手が回らなくなっているだけ・・ごめんなさい。
★KAORU様
はじめまして、KAORUさん、山﨑アカリと申します。
道に落ちていた？スクール水着・・思わずそれをもって帰ってしまう・・
そして・・意味のある偶然、それとも運命？
これから起こるとんでもない事って？楽しみです。
ぜひ、続きを読ませてくださいね。
★久仁子様
絶好調の「先輩」、本当にワクワクしちゃいます。
メールのやり取りも出来るようになって、本当にわたし、ハッピーです。
ハッピーすぎて浮かれ気味ですが、
まあ、それは春の陽気のせいということで・・(^_^)。
う～ん、わたしっていつも動機が不明確。
★やすこ様
「捕われの工作員」完結おめでとうございます。
「空想デート」初のＳＦ作品、この金字塔は永遠に？記憶される事でしょう。
それにしても爽やかなどんでん返し、本当に感心してしまいました。
ジュンとナツキにも、幸せがやってきたみたいです。
統治軍の司令官たちも、それなりに幸せなのか知ら？そうかもしれません(^_^;)。
やすこ様の書き込みを読むと、
いつもつい、レオタードを引っ張り出してしまうアカリです。
また、いやらしくもステキなやすこワールドで、楽しませてくださいね。
次回作に期待して、お待ちしています。
★柴原絵梨花様
「甘く危険な香り」本当に甘く、危険なお話です。
でも、これは“女”には誰にでも潜んでいる願望ですね。
『降下への意思』なぁんて・・。
でも、本当に深いところに触れているように感じます。
これからも、コンスタントな書き込み、お願いします。
サボリ気味のわたしが言うのもなんですが・・(^_^;)。
★美香様
次々と「空想デート」の作者の皆さんをその“毒牙”にかける美香様。
それを心待ちにしている方もたくさん居られる事でしょう。
まず、奴隷称をお持ちの方は総ナメ？か知ら。
ちょっと羨ましい気もします。
★理恵様
いつもながら、見事な文体に惚れ惚れしてしまいます。
本職でもこれだけのものを書く人は、そうは居ません。
もしかしてプロ？なんて思ってしまいます。
これだけの密度のものをそう、スイスイ書く事は無理と思いますから、
じっくりと書き込んで、ステキな理恵ワールドを堪能させてください。
★沙希様
遅まきながら、ＭＲＦ－６：女装者－第９話「心の地図　Part2」
完結おめでとうございます。
理恵さんとはまた違った文体の魅力に、いつも酔いしれています。
繊細な、散文詩のような世界・・“女の娘”の心象が爽やかに刻まれていますね。
健康にお気を付けて、また、優しくも切ない話をお願いします。
★権太様
男としてのアイデンティティー・・わたしが言うのもなんですけど、
本当にそれが必要な時など、めったはありません、
強いて言えば“死ぬとき”ぐらいのものなんじゃないか知ら。
つまり、それを頭において常日頃から行動しなさいってことなのだと思いますよ。
ネルソン提督は息を引き取る時、「I have done my duty.」と言ったとか・・。
「死ぬことと見つけたり」ですね。
★Lao様
はじめまして、Laoさん。山﨑アカリです。
この度は、「空想デート」の危機？に際してご協力、ありがとうございました。
今回のようなトラブルの時、わたしは本当に役立たずなので、
ネットワークに強い方のご協力は本当にありがたく、嬉しく感じます。
本当に、色々な方に「空想デート」は支えて頂いてるんですね。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
五十回目の書き込みを機に、少々、お休みをいただいてしまいました。
色々と忙しくなってしまったのです。
仕事が？いえ・・春の陽気に誘われて・・とはわたしの事です。
アニト様、本当に良くご存知ですね。
もちろん仕事もがんばっていましたから、どうぞ、ご心配なく。
そこでお詫びと言うか、なんと言うか・・遊び倒していた成果？をネタに、
久々の実録路線で行って見ようと思います。
まあ、そんな大した事をしているわけでもないので、
がっかりされる方も多いかと思いますが、
ごく、ありふれた女装子の日常、と言うことでご笑覧ください。
それでは・・。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
「日常生活の冒険」ー前編

柔らかな春の陽射しが、わたしの頬をくすぐる。
ちょっと隙間のあいた窓から吹き込んで来る風が、レースのカーテンを揺らしていた。
「ぅ、ウ～ん・・ムニャムニャ・・。」
その日、わたしは出入りしている女装ルームで目が醒めた。
昨夜、遅く戻ってきたものの、もう、眠くて眠くて・・
それでつい、眠り込んでしまった。
誰かがいつのまにか、毛布をかけてくれていて、ぽかぽかと暖かく、
仮眠のつもりがつい、本眠になってしまっていた。
時計の針はすでに、十一時を指している。
『ああ、しまったな・・誰かにご迷惑をかけてしまった・・。』
そんな事をボンヤリとした頭で考えながら、身を起こす。
部屋の隅に置かれたソファには、あらかじめシーツがかけられていて、
仮眠をとるにはちょうど良い。
別にそのためにあるわけではないけれど・・。
「まあ、とにかくシャワーでも浴びましょう。目を覚ますのが先決だわ。」
そう思い、バスルームへと向かった。
昨日の夜はイベントだった。
どうしても行きたかったので、無理やりに仕事を終わらせ、急いで出かけた。
ちょっと遅刻してしまったけれど、
どうせ開場してもすぐ、始まるわけじゃないからそれはそれで良し、としましょう。
『とは言え、疲れたわ～～。』
その疲れを、熱い湯で洗い流して行く・・。
イベントで疲れたわけではなく、
情けないことに、その前の仕事で疲れきってしまっていた。
でも、多少の無理をしてでも遊ぶ時間を作らないと、
永遠に遊ぶ事などできなくなってしまうから少し、意地になってもいた。
『今日はどうしよう・・？』
お湯を浴びながら、考える。
幸い今日はオフだった。
昨日、無理やり仕事を片付けてきたから、当面、急ぎの用件は無い。
まあ、そうでなければ今ごろこんなところで、
悠々とシャワーを浴びているわけにいかなかったけれども。
『どうしようかな～。』
実は昨日、ちょっと物足りなかった。
別にイベントが詰まらなかったわけじゃない。
けれどもこのところ、ずっと忙しくてちっとも女の娘になれなくて・・
欲求不満がたまっていた。
それに、無理やり仕事を上げたので、その前は徹夜の連続・・
眠くて眠くて・・あんまりイベントに乗りきることもできなかった。
『そうだ！』
一つ、約束を思い出した。
この間買った夏物のスーツ、あれを買ったとき、売り場のオバサンに、
「今度、女になった姿を見せてあげに来るからね、」
そう、約束していたのだ。
ちょうどセットになったパンツの丈がちょっと長すぎる事もあったから、
これを直しに行くついでに・・。
「ウフフ・・。」
悪戯を思いついた子供のような笑いが、わたしの口からこぼれ出た。
『そう、やっちゃいましょう・・昨日はちょっと、物足りなかったから・・
今日は思いっきり女の子しちゃうのよ。』
現金なもので、たちまち元気が出て来る。
バスルームから出て、丁寧に顔を洗った。
軽く髭を当たって・・でも、大した事は無い。
大体はイベント前に抜いておいた。
そうしておかないと、明け方頃には薄っすら影が出てきてしまう。
「さて、と・・今日は何色にしようかなっと♪」
この前の買出しの折、安売りしていたのでパンティをまとめ買いしておいた。
ピンク、ブルー、イエロー、そして白。
わたしはあんまり装飾の無い、シンプルなものが好きだ。
「今日はブルーね。」
別に深い理由は無いけれど、涼しげでしょう？
誰に見せると言うわけじゃ無いんですけれど。
そろいの青のブラに青いキャミソールを着け、鏡台に向かう。
やっぱりかなり肌が荒れていた。
仕方ないけれど、昼間はあまり、お化粧を厚くするわけに行かないから、ちょっと困る。
ここは必殺、ファウンデーション多色塗りで対応しましょう。
下地を塗って、髭隠しを塗って・・リキッドファンデを取り出す。
まったく単色の人の肌などありえないから、
一種類のファンデを厚塗りするのは避ける。
顔中均一に塗るのも禁物。
顔の前面は厚めに、横に行くにしたがって薄くして行く。
スポンジは境目をぼかすのに使い、大体は指で広げ、
うっかりあちこち触れて、色をつけちゃわないように・・。
さらにパウダーファンデでギラつきを押さえて、アイメイクにかかる。
ペンシルで眉を描き、アイライナーで睫毛を引く・・
と言うは易いが、これがとっても難しい。
わたしのやり方は、手を動かすのではなく、顔の方を動かして、指先で微調整。
最近出てきた筆ペンタイプのアイライナーはとても使い易く、
もう、手放せそうに無い。
下睫毛は、ペンシルタイプのアイライナーに変え、上に比べて薄めに。
そして軽くブラウンのシャドウを入れてボカす。
そしてマスカラを軽くおいて、アイメイクはここまで。
いつもより明るめのルージュを引き、チークでアクセントをつけて・・
鏡で見るとちょっと不安だけど、昼間から完璧なメイクって言うのも変なので、
この辺りでガマン、ガマン・・。
街角の、怪しいユダヤ人から買ったペンダントを下げて、スカートを穿く。
ちょっときついけど、痩せる予定だからこれでいいのよ。
「ぁ・・やっぱりきついわ。」
ウェストニッパーをを巻いて、ちょっとお腹を引き締めた。
上着を羽織って、ウィッグをかぶる。
「うん、まあまあね・・。」
勝手に納得しているけれど、本当にそうなのかどうかは皆さんの想像にお任せ・・・
まあ、それはともかく。
手提げ袋にパンツを入れ、バッグを肩に、部屋を出た。
ギラリ、とした光の中に出た途端、ちょっとした後悔が頭の隅を掠める。
「わぁ！あ・明るい・・。」
春と言ってももう、陽射しはかなり強い。
これはバレバレになっちゃうかもしれないわ・・
そうは思ったけれども、今さら部屋に戻る気にもなれなかった。
『ええい、バレたらバレた時のことよ。後の態度が大事なの！』
さる先輩に教わった事を思い出し、自分に言い聞かせて歩きだす。
日曜日の靖国通りは大変な人出で、行き交う人波は引きもきらない。
「歩く時は俯いちゃ駄目。」
先輩のありがたい教えは思い出すものの、
そんなに言われたとおりできるものでもなかった。
ついつい視線は足元へ・・それにパンプスは慣れないと中々きつい。
つま先に体重がかかって圧迫されてしまい、爪が痛んだ。
「滑り止めを買っておくんだったわ～。」
なかなか、そう言う小物までは気が回らないものです。
歌舞伎町の入口には最近、ドン・キホーテが出店してきた。
セーラー服やらアンミラやら・・もう、ほとんどコスプレショップ状態、
「専門店」と違って格安で売っているけれど、サイズは無い・・
それは仕方ないですね。別に女装子のためのお店じゃありませんから。
もともと職安通りのほうに、かなり大きな店舗があったのに、
こっちまで出て来たんだから、“街にあわせて”特色を出してるんでしょう。
行く手に大ガードが見えて来た。
これをくぐれば西口・・デパートはもう、すぐ。
この辺りまで来ると、かなり汗ばんできて、ちょっとお化粧の方が心配になって来た。
油とりシートで軽く押さえて・・
これはお化粧の浮きを押さえるのに有効と、
良く行くお店のママさんに教えてもらいました。
本当は化粧室で直したいところですけれど、
わたしも法律的には一応男ですので、女性用に入るのは犯罪です。
かと言って男性用に入るわけにも行かないので、
一般のお店ではなるべく、トイレには行かないですむようにしておかなくてはなりません。
フウ、女装子もつらいわ・・。
デパートにたどり着くと同時にスウ、と冷たい空気が首筋にあたり、汗が引いて行った。
「ハア、生き返る・・。」
真っ昼間の大通りはやはり緊張してしまう。
すれ違う人がみんなわたしの顔を覗き込んでいくように感じて、
カチカチになってしまっていた。
汗は、そのせいだったのかも知れない。
エスカレーターで、５Ｆの大きいサイズコーナーへと向かった。
『ああ、いたいた・・あのオバサンだ・・。』
前に来た時は♂モードで買った。
「奥様に？」
最初はそんな会話で何とかやっていたけれども、どうもわたしは嘘をつくのが苦手だ。
そのうちに、
「いいえ、わたしが着ます。」
と、やってしまった。
あれこれ言い訳しながら商品を見せてもらうのが面倒になった、と言うこともある。
それに、相手は婦人服のプロだから、
色んな“わたしのための”アドバイスも欲しかった。
それで、思わず“カミングアウト”してしまったというわけ。
あわよくば店員さんとお知り会いになり、他の売り場も紹介してもらおうと・・
一種の賭けね。
「こんにちわ。」
オバサンは一瞬キョトン、とした表情を浮かべて・・・・・・間・・・・・・
目が宙を彷徨うように、フラフラしてから・・まん丸になった。
「あ、あ、ああ～～！」
さすがに店内で大声をあげることはしなかったけれど、口を押さえて目を点にして・・
そ、そんなにビックリしなくても・・。
「あ、あのぅ・・丈がやっぱり、ちょっと長すぎて・・。」
紙袋から、パンツを取り出そうとすると、
「ちょっとちょっと、よく見せて！」
オバサンは、わたしの顔をしげしげと覗き込み、自分を納得させるように、
「確かに・・ええと、何て言ったっけ・・？」
「山﨑です。」
「あ、そうそう、ヤマザキ・・山崎さんね・・そう、確かにあのときの・・へえぇ・・。」
最後の「へえぇ・・」の中には幾分か、
「ヒエェ・・」と言う音も混じってるような気もしたけれど、
ともかくこの時、わたしの中のアカリはＶサインを出して、踊りまくっていた。
こんなにビックリしてもらえるとは、全然、思っても見なかったから・・
つまり、それだけ女に見えたってことで・・嬉しかった・・
これが商売のテクで無いとすれば。
新宿のデパート、伊勢丹や京王には
女装者向けのマニュアルがある、というもっぱらの噂だ。
両店ともサイズショップに力を入れているし、
実際、女装子やＮＨのお客も多いから、
この流通不況の折、少々高いものでも買っていってくれるそう言ったお客を
逃がさないようにしている、と・・。
でも、目の前のオバチャンの驚きっぷりがマニュアル通りだとすれば、
そこには演技指導も含まれてるって言うことになりそうだった。
それくらい、オバチャンの驚きっぷりは堂に入っている。
「へえェ・・！声まで変っちゃって・・そんなものなの？」
そう言われても、わたしは別に、それほど意識した事は無い。
確かに、♂モードの時よりは高い声でしゃべってはいるけれども、
それは意識的にそうしている、と言うより、自然にそうなる、て言う感じに近い。
いわば、“スイッチが切り替わる”のだ。
大体、女言葉を使うときは高い声になって、それは女装しているからそうなるので・・
とまあ、そういうわけ。まだまだ未熟ですけれど、ね。
「じゃあ、ともかく丈を採るから試着室へ・・。」
そう、促され、カーテンの中へ押し込まれる。
クルリ、と振り返ってみると、目の前には大きな鏡があって・・
そんなにビックリするほどか知ら？・・
そこには大してイケてない、中年のオバサンモドキが居るだけだった。
『まあ、いいわ、せっかくあんなに驚いてくれたんだもの。
一応、何とかなってるって思うことにしましょう。』
そんな事を考えながらスカートを脱ぎ、パンツに穿き替えた。
「良いですかあ～？」
「あ、ハ・・ハイ。」
カーテンが開かれると、マチ針を用意したオバチャンは手早く、パンツの裾に留めた。
「あ、ほんのちょっとですみますねぇ・・いいわぁ・・。」
何が良いんだろ？まあ、よけいな詮索はせずにおきましょう。
実際、11号はちょっとでも油断すると着れなくなってしまうから・・
このスーツはたまたまピッタリだったけど、骨格上、着られないものも多い。
結局、肋骨の形の問題に行き着いてしまうから、
ＮＨさんの中には下の骨を取ってしまう人も居るそうな・・
ブルブル・・わたしにはとてもそんな恐ろしい事は出来ません。
オバチャンはまだ、
「信じられない、信じられない・・。」
と口の中で呟いている。
と、その時、若くてスラ、とした店員さんが近寄ってきた。
「信じられないって、何が？」
オバチャンは慌てて、ちょっとわたしの方を伺うように見る。
わたしが目顔で頷くと、ゴニョゴニョゴニョ・・若い店員さんに耳打ちした。
一瞬、エ!?、という顔をしたオネエチャンだったが、
すぐ持ち直し、しげしげとわたしを眺めると、
「ねぇねぇ、ちょっと・・これなんかいかがかしら？きっと、似合うと思うわぁ～。」
そう言って、ピンクのワンピースを取り出してきた。
『た、確かに・・ちょっと、ステキ・・。』
「ちょっと試着してみません？きっと、ステキですよぉ～。」
「あ・・ハ・・ハイ・・。」
本当の事を言って、そんなにデパートで買い物なんかしていたらサイフの方が待たない。
けれども、このシチュエーションに乗るな、という方が無理だ。
「あの、何号ですか？」
「11号です。」
「う～ん、このデザインだと、ちょっとキツイかも・・。」
ともかく試着してみる・・やっぱりちょっと・・。
「よろしいですか～？」
「あ、ちょっと待って・・。」
ともかくワンピースに身体を押し込む。
「いいですよぉ。」
シャ！
カーテンを引き開けると・・。
「まあ！」
「ステキ・・。」
オバチャンと、オネエチャンのダブルアタックが待っていた。
予測していたけれど、二人掛りで責められると、
どうしても、その気になって来てしまう。
実際、よく似合うような気が・・でも、残念ながらサイズが合わない。
どうしても上半身がキツキツだし、ウェストの位置も高すぎた。
「あの、わたしも似あう、と思うんですけど・・やっぱり、サイズが・・。」
破いたりしないように、そろっと腕を持ち上げて見せた。
「ああ、そうねぇ・・。」
「上の号数、ある？」
「他のお店に聞いてみようか？」
『おお、しつこい。見上げた商魂・・なかなかのものだわ。』
とか何とか思いつつも、
「とりあえず、今日は丈の直しだけお願いします。
また、パンツを取りに伺う時にでも・・。」
とかなんとか・・その場を切り抜けた。
絶好の獲物を逃したネコみたいに、わたしを見送っている二人に手を振って、
エスカレーターへと向かう。
各フロアを少し見て回った。
♂モードではあんまりゆっくりと見て回れないので、
色んな商品の売り場がどこにあるか、確認の意味もこめて・・
ああ、イイ気持ち・・なんともいえない気分です。
キレイな服や、優しいアクセサリーを見て回っているだけで、
ホッとするのはなぜでしょう？
一応、緊張はしてるのですが、男で歩き回っているよりはずいぶんとマシです。
まあ、そんな調子でフラフラしていると、パンストの特売に行き当たった。
さっき着替た時、太股辺りに伝線を見つけていたので、手にとってレジに並ぶ。
こうして純女さんたちと一緒に並んでお買い物をするなんて、
半年前のわたしからは考えられなかった。
でも、今は・・オバチャンとオネエチャンのおかげで
勢いがついちゃったのかも知れない。
「あちらのレジにどうぞ。」
案内係の中年のおじさんに促され、レジにパンストを差し出した。
「あのぅ、袋は・・？」
「いえ、バッグがありますから。」
こんなものまで包装してもらっては申し訳ない。
パンストをバッグにしまい、商品を眺めながら、店伝いに、ＪＲの乗り場へと向かう。
確かに、わたしは調子に乗っていた。
売り場のオバチャンやオネエチャン、整理係の中年のおじさん・・
みんなの反応がわたしに自信を与えてくれていた、だから・・。
「電車に乗って、渋谷に行こう。」
わたしは店を出て、切符売り場へと向かった。
「渋谷編」につづく

アニト (5月27日（日）11時15分21秒)
山﨑アカリさん、こんばんは。
書き込みをいただいていたのに挨拶が遅れて申し訳ありませんでした。
週後半はちょっとばかりハードな日々を過ごしていました。
アカリさんが書くように、楽しく遊ぶためにはやるべきことを行ってこそですからね。
えっ、どんな遊びをしたのかですって？、・・・内緒内緒。
アカリさんも冒険をしてしまいましたか。
お化粧の仕方、ショッピングの際の対応などなど、
参考になった人も多いことでしょう。
続きを楽しみにしています。

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