山崎アカリ (2月14日(水)23時17分04秒)
アニト様、先輩奴隷の皆様、
このページを御覧になっている多くの皆様方、
アカリでございます。m(_ _)m
★アニト様
バレンタインの時節モノを・・と考えてみましたけど・・ダメです。
書けば書くほど地味〜になっちゃって、
どうにもこうにも・・難しいものです。
自分に正直に・・と思うとどうしてもリアルな方向へ流れていって・・
それに、男としての自分のダメダメだった部分が、
どんどん思い出されてきて、もう、恥かしくって恥かしくって・・
結構、悩みながら書いたのです。
お恥ずかしい限りですが、お目汚しに・・。
★久仁子様
「オナニー報告」と「先輩」がシンクロして
さらにハイパーな久仁子ワールドを繰り広げています。
“ダブル変態パワー”のシャワーを浴びてわたしも元気百倍、
頑張ってピンチを切り抜けましょう。
この山を越えたらイラストに取り掛かります。
ホントにホントにお待たせしてしまって申し訳ありません。
久仁子さんにいただいたパワーの幾分かでもお返しできれば、と
気合を入れて頑張りますので、どうかお許しください。
★由衣美様
しばらくご無沙汰・・と思っていたら大爆発。
あの・・申し訳ありませんが、
もう少し小分けにして書き込んでいただけると、
度々お目にかかれて嬉しいのですが・・。
繋いだ時に今日は誰が書き込んでるかなぁ、って言うのも
楽しみのひとつなのです。すみません、勝手な事を言って・・。
>井上鑑のバルトークをテーマにした歌
そんなのがあるんですか?
もう少し教えていただきたいのですけれど。
バルトークみたいな人は、わたしのタイプなのです。
ものすごく憧れてしまいます。
そう言う意味で、彼の曲をストーリーに組み込んだと言う面もあります。
もうひとつ、理由があるのですが、これは先のお楽しみ。
それはともかく・・ハアァぁ・・手に汗握るオナニー報告でした。
もう、心臓はバクバク、喉はカラカラ、冷や汗が背中を・・凄かったです。
やっぱりご主人様がいらっしゃると違いますね。
車のヘッドライトから由衣美さんをかばってくださるところでは・・
ジーン、と痺れてしまいました。
そして・・幻の第二作・・
プ・ププ・・プハ・・ア・アハハ・・ア〜ハハハハハ\(^o^)/!
大爆笑してしまいました。
由衣美さん・・こ・これ・・傑作ですよ、
以前仰ってたPFって・・アハハハ。
知り会いに教えちゃってイイですか?
馬鹿受けする事まちがいなし(^_^)。
★沙希様
ふと、思いだしました。
Topnotcn-6に「新・ナースの部屋〜看護関係者、集まれ!」
http://club21.org/cgi-bin/topn6/vroom.cgi?002と言う部屋があります。
ナースキャップの組み立て方、ここなら確実に分かるでしょう。
○ークラまで来てくれる人もいらっしゃるかもしれません。
★純子様
>そういえば、上村一夫のマンガで、「関東平野」っていう
残念、それは読んでいないのです。
今、手に入れるのは難しいでしょうねぇ。
純子さんの○ークラレポート、ぜひぜひお願いします、興味津々・・。
もうすぐ春・・お肌の手入れに気を使います。
冬場はどうしても乾燥肌になりやすく、
春になったらボロボロ・・じゃあなさけないですもの。
やっぱり暖かくするのが基本ですよね。
★柏木彩様
>嗜好、似てますか?
今回の書き込みを読んで、ますますそう感じました。
>女の子になってピアノを弾こうかと
なんてもう、わたしの好みそのものですし、芝居などにも惹かれます。
先日NHKで京劇の女形の後継者がいない、という
ドキュメンタリーをやっていましたが、
ああ、わたしが若かったら・・なあんて(^_^;)。
「覇王別姫」のコスプレにでも挑戦してみようか知ら。
う〜ん、イベント向けだわ。
以前、猿之助一座の市川笑美也が
TVで女形の所作のさわりを披露していました。
それでちょっと真似してみたら・・
ビリビリ!と電気が走って・・しばらく呆然としていたものです。
女性のジェンダーにはあらかじめ、
そう言うエロティックな装置が組み込まれているのではないでしょうか?
★数値フェチっ娘様
公式記録室リニューアル。
とてもすっきりして見やすくなりました。ご苦労様です。
今月三日、こんなにカウンターが延びていたんですね。凄いです。
“独り言”の方も無理のないペースで書き込みぉお願いします。
楽しみにしていますから。
★権太様
>そうゆう意味だったんですか。
>トランスのことかなと
>ホントに悩んじゃったりして分からなかったんですよ。
そう言う意味もありますよ(^o^)。
わたしはもうちょっとで自分をダメにするところでした。
もし音楽が無かったら・・まぁ神経症ぐらいにはなってたでしょうね。
それに気づいたのはもう、いい年になってから、やれやれです。
で、改めて女装はじめてみると
もう、とてもじゃないけど制服系は外出不可。く・くやしい・・
これを大幅に縮めて書くとああいう言い方になっちゃうのでした(^_^;)。
分かりにくかったですね、ごめんなさい。
★させ子様
うう・・凄いハンドルだわ・・と・とにかく・・
はじめまして、させ子さん。
山崎アカリですm(_ _)m。
初体験報告、とってもステキでした。
最近・・ですか・・おめでとうございます\(^o^)/。
どのあたりが空想なのか知ら?と
思わず想像をたくましくしてしまう、わたしです。
妹さんのお下がり?う〜ん、うらやましい・・
きっととってもスマートな方なんですね、憧れます。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
バレンタインです。
そこで何かお話を・・と思って書き出したのですが、
ものすごぉ〜く地味になっちゃいました。
エッチも無ければカタルシスも・・。
良いんでしょうか?こんなんで・・
でも、きっとハッピーなお話は誰かが書いて下さいます。
お願いします・・どなたか・・Help
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
「バレンタイン・バラード」

バサリ!
チョコレートの包みをベッドの上に投げ出した。
バレンタインなんていうお菓子屋の陰謀のせいで、
毎年、大層な量のチョコレートをいただくはめになる。
「バカバカしい・・。」
どうせ義理チョコなのだ。
会社の女どもはそれぞれ今ごろ、
本命にハート型の手作りチョコを渡している事だろう。
メッセージを添えて・・。
「ご苦労なこった。」
吐き捨てて炬燵にもぐり込む。
年末に彼女と別れた。
いいかげんマンネリだった・・
スキーに行き、海に行き、レストランに行ってドライブに行き、
ディズニーランドに行って、クリスマスにはホテルへ・・
けれども、年は越せなかった・・
結局、やる事はいつも同じ・・セックスして、それでおしまい。
愛が深まる、とかお互いの気持ちが高まる、とか・・
別にそういうことも無かった。
マニュアル通りのお付き合い、マニュアル通りの結末。
要するにお互い飽きてしまったのだ。
どうということの無い普通の娘だった。
趣味は読書、レコード鑑賞。
短大を出て就職し、三年目。
キャリアに燃えるわけでもなく、しかし仕事は無難にこなして・・。
「くそ!」
それはまったく自分にも当てはまる事だった。
私大を出て就職し、仕事も一通り覚えて大きなミスもない。
同僚とはそこそこ上手くやってるし、
上司の受けもマアマアだった。
絵に描いたような平凡な男がごく普通の女と、
マニュアルどおりに付き合って、
そして、気がついてしまった・・あまりの下らなさに。
ごろり、と寝転がる。
『いったい何なんだ・・俺は・・。』
何かが違う、どこか、間違ってる・・そのことだけはわかる・・
けれどもそれが何だか分からない。
ただもう、苛立たしかった。
とんとん、
何か、音がする。
とんとん。
「ああ!?」
音のする方に首を曲げた。
とんとん。
部屋の入口だった。
『ばっかじゃないのか?チャイム鳴らせよ・・!』
そう考えながらコタツから這い出す。
チラリ、と別れた彼女の面影が頭をよぎった。
もしかして・・。
ブル、ブルと頭を振る。
『未練だぞ、あの、惨めな夜を忘れたのか・・。』
「どなたですか・・。」
声を掛けながらドアへと向かった。
とんとん。
ああ、もう、何だって言うんだ!
ガチャリ!
「・・・・!」
驚きのあまり、声を失った。
「お・お前・・!」
一人の女が立っていた。
ふちなしのべレーのような帽子に栗色の肩までかかる髪。
うっすらと化粧した顔にはピンク色のルージュを引いて、
暖かそうなボアつきのコートを羽織り、
スカートからのぞいている足は厚手のトッキングに覆われて、
エナメルのブーツにすっぽりと収まっている。
しかし、それは見まちがえようもない同期の親友・・
入社以来、なぜか気が合い、飲みに行ったり、馬鹿話を交したり・・
その、山崎アキラだった。
真っ赤に上気した顔を上げ、潤んだ瞳でこちらを見つめている。
「シ・・シンジ・・これを・・。」
絞り出すような声で言って、ぐい、と包みを差し出した。
あっけにとられていると
なおも、ぐい、ぐいと目の前に突きつけて来る。
仕方なく受け取ると、サ、と身を翻し、駆け出した。
カンカンカン・・アパートの階段を駆け下りる音がする。
包みを抱えて戸口に立ち尽くし、呆然としていた。
何かの間違いじゃないのか?
確かに山崎は、線も細くて、顔だってやさしげだ・・
でも、性格は鼻っ柱が強くて、生意気で、上司にだって平気で楯つく。
それが・・まさか、あいつが・・!
フラフラと、コタツへ戻った。
包みの中身はあけなくたって大体分かる。
これはつまり、所謂、カミングアウト、て奴なんだろうか・・
それにしたってやり方ってもんがあるだろう?
いきなり人のうちに女の姿で現れて、チョコレートを押し付けて・・
待てよ、中に何か・・手紙でも入ってるかもしれない・・。
あの顔はどう見ても冗談、とかシャレ、って言う雰囲気じゃなかった。
下手な事をして首でもくくられちゃかなわない。
そうなったら寝覚めが悪い事は請け合いだった。
ガサガサと包装紙を開く。
不器用な、慣れない包み方。
コンビニで売ってるバレンタイングッズの方がまだ気が効いてる。
中からは白っぽい化粧箱・・
開くと、ああ、やっぱり・・
たくさんスの入ったチョコレート・・
その上に手紙が添えられてあった。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
親愛なる高橋信二様。
さぞ、驚かれた事と思います。
そしてこのような失礼に及んだ私をお許しください。
もう、私は自分を偽る事が出来ないのです。
子供時代から、私は自分の性別の違和感に苦しんでまいりました。
そして大学に入り、一人暮らしをするようになると
もう、矢もたてもたまらず、女装するようになったのです。
そして、それだけだ、と思っていたのです。
自分は女装はするけれども、その他は普通だ、当たり前の男だ、と・・
けれども・・しかし・・
日がたつにつれ、そうではない、
と言う事が明らかになってまいりました。
私には、どうしても女性を愛する事が出来ません。
胸のときめきを覚える相手はいつも、男性なのです。
無理をして、自分を偽って、女性とお付き合いした事もあります。
けれども、どうしても、愛する事が出来ない。
肉体関係のことではないのです。
心が、触れ合わない。想いを分け合う事が出来ない。
その経験はまるで拷問でした。
愛そうと努力すればするほど苦痛が増していくのです。
そして、ついには手ひどい裏切りをして、別れる・・その繰り返し。
もう、嫌なのです。
これ以上他人を傷つけるのは、そして自分を殺すのは。
入社以来、あなた様の事が気になって、
苦しく、辛く、一人、悶々としてまいりました。
そしてその想いは
もう、抑える事が出来ないまでに強くなってしまったのです。
あなたにだけは、私の真実を知っていただきたい。
あなたにだけは嘘をついていたく無い。
その想いが今日、私にこのような行動をとらせたのです。
愛してくれとは申しません。
軽蔑なさるならそれでも結構です。
ただ・・貴方にだけは本当の私を知っていただきたかった。
それだけなのです。
山崎アカリ

P.S.チョコレートはどのようになさってもかまいません。
捨てるなり、犬に食わせるなりしていただいて結構です。
料理には慣れないもので、不出来です。
とても本当の女性のようには参りません。
けれども一生懸命つくました。
私の想いを込めて、それだけは本当です。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
信二のアパートから走って帰った。
部屋に飛び込んだときには、喉はからからになり、
全身、汗びっしょりだった。
ブラの下、パッドと皮膚のあいでにべっとりと汗がたまって、
足はズキズキと痛んだ。
『なんて事・・なんて事をしてしまったんだ・・!』
後悔が津波のように押し寄せてくる。
もう、二度とまともに顔を見られない。
口を訊くことも出来ないだろう。
愛しているのに、好きなのに・・。
ベッドに体を投げ出して、嗚咽した。
涙があとからあとから湧き出て来て止まらない。
『これは罰だ・・。』
そう思った。
今まで付き合った女の子たち。
自分が男だということを確認しようとして、強引にアタックして・・
どうにもなら無くなって、捨てた。
そしてホッとするのだった。
「最低だ・・。」
嗚咽のあいだを縫ってうめくように呟く。
彼女らに何の罪があるって言うのだろう・・
結局弄んで捨てただけ・・そう言うことになる。
償いようもない罪・・。
だから報いが来た・・
当然だ、世の中は上手く出来てる。
「ク・ク・ク・・」
乾いた笑いが漏れる。
今、彼女たちの苦しみがわかる。
切り裂かれるような、五体をバラバラにされたような痛み。
愛してもむなしいと言うことがこんなに苦しいなんて・・!
トゥルルルル・・・トゥルルルル・・・
ああ、電話が鳴っている。
もう、何もかも、どうでもいい・・とても出る気がしなかった。
十回コール音を繰り返し、録音が代わって応答する。
「タダイマ・チカクニオリマセン・・ゴヨウノカタハ・・・。」
無機質な、機械の声。
「お〜い、生きてるかァ〜・・」
聞こえて来る声に飛び上がった。
「信二!」
慌てて電話に駆け寄った。
「シ・・シンジ・・さん・・。」
受話器を持つ手がブルブルと震えている。
「ちょっと出てこないか・・飲みに行こうぜ。」
「ど・どこへ・・・。」
「駅前のモツ焼きで良いだろ、オレ、金ねぇし、お前だって・・。」
「行く、すぐ行くからちょっと待ってて・・。」
「あ、言っとくけど女装はカンベンしといてくれ・・
あの店じゃ無理だぜ・・つまみだされっちまう。」
「わ・・分かった・・すぐ行くから・・。」
「先、行ってるよ・・どうせ時間かかるだろ・・
メイクちゃんと落して来いよ。」
プツリ!ッ〜、ッ〜・・。
電話は切れた。
洗面所に駆け込んだ。
涙でぐちゃぐちゃに崩れたメイクを急いで落とす。
クレンジングをぬぐって、フェイスウォッシュで洗って・・
すべてがもどかしかった。
----------------------------------------
店内には、煙がもうもうと立ち込めている。
アキラが入口に立って中をうかがっていると、
信二は手を上げて、ここだ、と合図した。
「へ〜い、らっしゃい!」
店員の声を背に受け、奥まった二人席へと足を運んで行く。
二人のような安月給のサラリーマンには、この店はぴったりだった。
会社帰りに立ち寄っては、上司の悪口や仲間の噂話で盛り上がったものだ。
「待った?」
「いや、まだ一杯めさ。」
信二はグ、とジョッキを傾けてから、
「おばちゃん、ホッピーもう一つ!」
「ハ〜ィ、ホッピ−一丁!」
店の名物おばちゃんは、陽気な声で注文を受けた。
「すまない・・迷惑だったよね・・。」
アキラは消え入りそうな声で、信二の様子をうかがう。
「まあな、ビックリはした・・ちょっと心臓に悪かったかな?」
そう、答えて信二はホッピ−のジョッキを傾けている。
「ごめん・・。」
アキラは俯いてしまった。
「はい、ホッピ−一丁!」
ゴトン、目の前にジョッキが置かれる。
「何だよ、あんた、若いもんが元気ないねぇ、しっかりしなよ!」
ドン、とおばちゃんに背中をどやされた。
「いて・・ど・どうも・・。」
ユサユサとお尻を振リ振り、立ち去っていく。
「ビックリしたよ・・お前があんなに可愛いなんて。」
信二はニヤ、と笑って言った。
「ェ!?」
「いや、見事な女振りだった。
知らない奴だったら男とは思えなかったろうな・・ホント、驚いたよ。」
「信二・・それって・・。」
「まぁ待て、話は最後まで聞け。」
この店の喧騒は、返って二人の会話をかき消してくれる。
誰もが自分の話に夢中で、人の話などに聞き耳は立てない。
ゴトン、と信二はカラになったジョッキを置いた。
「知ってのとおり、オレは去年、彼女と別れた。
幸いフリーってわけだ・・
だからってお前を抱こうって思うほど飢えちゃいない。」
「はい、盛り合わせお待ちィ〜!」
ドン、と目の前にモツ焼きが置かれる。
「ぁ、ホッピ−もう一丁。」
信二はハツの串を取ってかじりながら注文する。
「へ〜い。」
「そう、そうだよね・・やっぱり・・気持ち悪いよね・・オレ。」
「だからそうじゃねえって・・今日びそんなこと言ってる奴はアホだ。
それくらいの常識はオレにだってある。
だからってお前を抱きたいとはおもわねぇって言うだけだ。」
アキラが顔を上げた。
「いいんだよ、別に・・誰に迷惑をかけてるわけじゃない。
お前が女装して、女んなったって、それで困る奴はいない。」
「そう?」
「そうだとも。少しは気が楽になったか?」
「・・・。」
そうだとも言える。そうじゃないとも言えた。どっちつかずの答え・・。
おばちゃんがホッピ−を持ってきた。
「サンキュ!」
受け取って信二はグイ、とあおる。
「どうしたんだい、あんたら・・今日は元気ないねぇ・・ボソボソ二人で・・
いつもは課長の悪口やら何やら・・盛り上がってんのに・・
ダメだよぉ、若いもんがクスンでちゃあ。」
「ハハ・・バレンタインに男二人じゃあ、意気揚がんないっすよ。」
「そっかい、なんか悩みでもあんなら相談乗るよぉ。」
「ぁ・・いや・・また今度・・。」
「そっかい?」
ユッサユッサ・・小錦みたいな歩き方で、カウンターへと戻っていく。
信二はその後姿を見送って、ちょっとホッピーをあおって言った。
「お前の、あの手紙な・・結構、痛かったぞ。」
「ごめん、変な事書いて・・。」
「いや、そうじゃない・・
オレはな、前の彼女に結構、ひどい事をしてたんだ。それが分かった・・。」
「それなら僕なんて・・。」
「いや、俺だって、似たようなもんだ。
いろいろサービスしてみたが、肝心の事だけはしていなかった・・
なるほどな、想いを分け合う、か・・。」
信二は考える。
バカだった。どこに行く、何をする、そしてセックスをする・・
そんなことにばかり気をとられて、肝心の、愛するって事をしなかった。
相手の心を理解しようとしなかった・・
あの、クリスマスの夜、泣き出した彼女をどうする事も出来なかった。
こんなに努力してるのに、なにが不満なんだ・・
思えばひどい事を言ったもんだ。
「愛想つかされるわけだぜ・・。」
「え?」
「いや、こっちの事だ・・。」
喧騒はますます高くなり、信二は物思いにふけるように言った。
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二人は店を出て、そぞろ歩きに家に向かう。
まだまだ冷たい夜の空気が頬に心地よい。
時々、車が通る。
ヘッドライトの光が、連れ立って歩く二人の姿を時折照らし出し、
緩やかなテンポで時を刻んでいた。
アキラは今、ホッとしている。
信二に拒否されるんじゃないか、自分をすべて否定されるんじゃないかと、
それを・・そればかりを恐れていた。
けれど、そんなことは無かった。
これで明日も生きていける。そんな感じだった。
生きていさえすれば、望みはある。
“もしかしたらもしか”すると言う事だって無いとは限らない。
「お前、まだ諦めてねぇな・・
いいぜ、それで俺が落とせるって思うならやってみな。」
信二は苦笑して言った。
「ああ・・やってみる。」
「ま、オレを思い浮かべてオナニーするぐらいの事は許しといてやる、
そのあたりで手を打たないか?」
「・・ん。」
アキラは頷いた。
まぁ、こんなもんだろう・・そんなに何もかもうまく行くはずは無い。
「その意気だ。」
ようやくアキラの頬には微笑みが浮かんでいた。

END




アニト (2月14日(水)23時56分23秒)
山崎アカリさん、こんばんは。
バレンタイン・ストーリーをありがとう。
>書けば書くほど地味〜になっちゃって・・・
いえいえ、だからこそ物語を綴る意義があるのではないでしょうか?。
地味な部分も含めてアカリさんという人格が形成されているのだと
わたしを含め多くの人が、
いえ、アカリさん自身が再認識したのではないですか?。
だから物語を書くのっておもしろいんですよ。
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