山崎アカリ (1月15日(月)19時05分03秒)
アニト様、先輩奴隷の皆様、
このページを御覧になっている多くの皆様方、
アカリでございます。m(_ _)m
★アニト様
真、善、美・・そこから哲学や宗教や音楽が生まれました。
けれどもそれは、生きている人間とのかかわりを失ったら、
空疎な形式に堕ちてしまいます。
それらは広い意味でのエロスに満たされていなければなりません。
性愛はそれ自体、卑しいものでも卑俗なものでもありません、
卑しくて卑俗なセックスがあるだけです。
「自分だけ気持ちよけりゃいいや」なんて思ってるとそうなるのですね。
イラストの公開、ありがとうございました。
わたしの絵で久仁子さんの物語を飾れるなんて・・
本当に、こんな嬉しい事はありません。
わたし、もう、ものすごく盛り上がってしまって・・
完全女装の上・・やってしまいました・・・オ○ニー・・
ほんとにわたしったらもう・・(^_^;)。
★綾乃様
あけましておめでとうございます。
もう、成人の日も過ぎてしまいましたけれど。
成人式の会場で騒いで
知事に怒鳴りつけられてる若者のニュースをやってました。
「俺は子供だ〜〜!」って宣言してるみたいで笑っちゃいます。
特別に後一年、成人を延ばしてあげると良いですね。
日本は世界の中でもわたしたちに寛容なほうでしょう。
ありがたいことです。
でも、何でもかでもぶち壊したいって言う人も居るんですね・・
子供なんです。
>日本の事、みんなの未来の事をこんなに気に掛けてくださる方が
>いらっしゃるんですから、日本も安心ですよね。
あのう、わたしなんかが心配してもあんまり影響ないような気が・・
やっぱり総理あたりに頑張ってもらわないとね・・
パソコン使えるようになったのか知ら?森さん。
うぅ・・ページにそぐわないにも程がある挨拶になっちゃいまいましたf^^;)。
智くん、今度はチアガール・・う・うらやましい・・
いえ、智くんはそれどころじゃないんでしょうけど・・
綾乃さん、そう簡単に開放してあげるつもりは無いようです。
けれど、恥かしい思いをいっぱいすればするほど、
心に女の娘の“刻印”がしるされていくような感じがします。
それがたまりません。
★権太様
人生は重き荷を背負いて遠き道を・・なんちゃって(^_^;)。
生きる重荷を分け合うのは大変な事です。
自分本位の想いは捨てなくてはなりません。
それは個人、個人、と言われて育つ現代人には特に大変な事でしょう。
けれども、それを愛と言うのです。
ロックやパンクやそしてジャズ・・
それらは皆、実は所謂クラシック、
19世紀のヨーロッパ音楽と同じカテゴリに入るのですよ。
みんな“平均率”なんですから。
他にも音楽には色々とあるのですけれど、
それを貫いて流れているのは何でしょう?
何が「ああ、これは音楽だ。」と言わせるのでしょう?
高見沢先生は最初から自分の価値観、
自分の倫理観によってしか行動しません。
一般的道徳律に対峙し得るほどの体系を蔵している人が時に、
この世には居るのです。
自分の生き方を貫く、とはそういうことです。
そう言う人に魅入られていく感覚・・
惹かれてやまない自分が居るのです。
また、そんな人だからこそ、愛してくれるのかもしれません。
★久仁子様
>久仁子、ポッチャリ系なので・・・。
ごめんなさい、お会いした事が無いもので・・。
久仁子さんの物語を読みながら
わたしの頭の中を歩いているのはあんな少女なのです。
久仁子さんの物語がわたしの心のスクリーンに
投影した姿と思ってお許しください。
でも、つぎからはもう少し、ポッチャリ型にしますね(^o^)。
わたしもダイエットには苦労します。
毛の薄い体質は大変ありがたいのですけど、
これは太りやすい、と言う事でもあるのです。
でも、頑張らないと着れる服がなくなっちゃいますから、
やるっきゃない!のです。
今度、エアロビでもやって見ようかなと・・
レオタード買って・・エヘヘ・・(^_^;)。
そして待ちに待った「先輩」の続き・・ついに悟くんも、
久仁子さんの変態ワールドに染まっていくのでしょうか・・
葛西教授の事です、キッチリ調教してくれる事でしょう。
今度は久仁子さんが「先輩」なんですね・・イイナア。
★数値フェチっ娘様
あけましておめでとうございます。
いつも膨大なデータの集計、ご苦労様です。
今年もよろしくお願いします。
こんなにたくさんの方が
このページを毎日御覧になっていると言う事実に、
本当に緊張し、また感じてしまいます。
すばらしいことですね。
「失われた時の彼方へ」はここまでで大きな一区切りになりますので、
今度はまだ書いていない中篇にチャレンジしてみたいと思っています。
自分のお話にもイラストをつけたいですし・・
あんまり凝ったものにするのじゃあなく、
こんなキャラクターのイメージですよ、といった
あっさりしたものにしたいんですが・・
どうなることやら・・(^_^)。
★由衣美様
あけましておめでとうございます。
ぁ、由衣美さんも“お姉さま”なんて・・とっても嬉しいです。
今年もよろしくね、由衣美ちゃん(^o^)。
>彼らの未来を主体となって食い荒らしてしまった人たちに、
>それを反省する機能自体無いというのが、ちょっと悲しいですね。
わたし時々、TVを見ながら
「そ、それはあんたたちがァ!」なんて思わず言っちゃいます。
どう考えても今の大人は変です。大人らしくないのです。
それに引き換え若者はまだ、若者らしいのが救いですね。
>ゼロか無限大か、またはそれぞれの近似値ではなく、
>というか「人の価値」のパラメータ化ではなくて、
>体感・実感としての人と人との関係の大切さが、
>それぞれもっと解って欲しいなって思います。
白黒の2値化は困りますけど、
パラメーターもちゃんとしたものならあっても良いですよ。
けれどそれを補完するものが大切なんですね。
現代はものすごくその力が弱くなりつつあるのです。
なんでも数値化し、パラメーター化し、
早い話が値段をつけて、それ以外の価値は認めない。
一番、目の敵にされるのが“愛情”です。
数値化も値段をつけるのも不可能なので、
うっとうしくて堪らないらしい。
でも、愛の無い人生なんて、生きている価値があるのでしょうか?。
>それと…ちょっと遠い親戚におすし屋さんがいるんですけど、
>「ほんとうに良いネタだったら、サビ抜きでも美味いし、
>二カン目をそう注文する大人のお客さんには
>なおさら気が抜けない」そうです。
例えが良くなかったのか知ら・・
けれど他に適当なのを思いつかなかったんです。
差し障りのありそうなものばっかりで・・。
でも、そのお話、モーツァルトと似ていますね。
カラヤンが最高のオーケストラで、精魂傾けて指揮して・・
失敗したりするのです。
カラヤンのモーツァルトを推す人なんて見たことがありません、
凝れば凝るほどほどだめになる。恐ろしい音楽です。
究極の領域に突入すると、何でもそうなってしまうのでしょうね。
戦艦「初瀬」・・手元の日本海軍軍艦総覧によると
>何でそんな本持ってる!?わたし
・・日露開戦三ヶ月目に触雷して沈没・・
あらら、かわいそうな船・・
なんとまあ、当時の最新鋭艦じゃないですか。
「坂の上の雲」をちょっと引っ張りだして・・
戦死四九三人・・
「逆立った甲板から、人が滝のように滑り落ちた。」・・粛然。
それにしても・・イギリスって国債引き受けて戦艦を日本に売る・・
農協みたいな商売だわ。
「由衣美の(たぶん)幸せな一日」完結おめでとうございます。
河のように緩やかに流れる二人の時間・・
幸せと歓びの一杯つまった一日・・
それを一つ一つ愛しむかのように描写する細やかな筆致・・
その“今”を大切にする由衣美さんの心が
わたしにもひしひしと伝わってきて、
生きてる事の大切さ、愛しさを再確認できました。
ありがとうございます。そして、次回作をお待ちしております。
★まみ様
はじめまして、そしてあけましておめでとうございます。
山崎アカリと申します。
昨年の11月から書き込みをはじめました、ほんの駆け出しです。
よろしくお願いいたしますm(_ _)m。
お話・・どこまでがアミトくんの見せている幻で、
どこまでが現実なんでしょうか・・
とっても興味深々です。真由美さんって、なんかいいですね。
★やすこ様
はじめまして、そしてあけましておめでとうございます。
山崎アカリと申します。
ほんの駆け出しでございますが、よろしくお願いいたしますm(_ _)m。
「女装マゾファイル」読ませていただいておりますよ。
レオタードってステキです。
SFですか!ああ、先にやられてしまいました。
わたしも実は書いてみたいな、と思っていたのです。
お手軽な性転換薬、ホントにあったらいいですねぇ・・
健康のため、飲みすぎに注意しましょう、
なんて書いてあるかもしれませんけれど。
未来ですからどんな責めが出てくるか、想像もつきません。
とっても楽しみです。
★純子様
アドバイス、というほどの事では・・
あの方法は、アカリも思いますけど、
ものすごい量の言葉が必要になっちゃうのです。
ただ日本語は描写的語彙の多い言葉なので、
何とかならない事もないのですね。
空想の光景に近寄ってみたり、遠ざかってみたり・・
(作中の)アカリになってその身体感覚を確認したり・・
それが一緒になってどんな感じを呼び起こしてくるか、等など・・
それってものすごく気持ちの良い作業だったりするのです。
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唯奈様、少々お待たせしてしまいましたが、
やっと第一話を書き上げました。
まだ出だしですので設定などを語るのに忙しく、
物足りないですけれど、
これ以上お話を進めると、きっと長くなりすぎてしまいます。
エッチは次回のお楽しみ・・
ということで・・それでは。
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「女(装子)には向かない職業」 前編

「あいたたた・・。」
起き上がるなり、唯奈は頭を抱えた。
昨夜は新年恒例のパーティーで
ちょっと盛り上がりすぎてしまったのだ。
朝の五時まで遊んでた。
トゥルルルルル・・トゥルルルルル・・
電話の呼び出し音がこめかみにつき刺さる。
『アア・・もう・・・・やめてよ・・まだお昼前じゃないの・・。』
のろのろと、受話器に手を伸ばした。
ガチャ・・!
「アア・・はい・・。」
「唯奈、仕事よ。電話には3コール以内に出なさい。」
アリサ局長からだった。
「ア・ハ・・ファイ・・。」
「まだ寝ぼけてるようね・・
昨日は大層盛り上がってたらしいじゃない?
綾音から聞いたけど、翌日に持ち越す用じゃ捜査員失格ね。」
『ぁ・・しゃべってなあ・・。』
昨夜、というより今朝だけれども、綾音もずっと一緒だった。
「30分以内に出てきなさい。
でないと新年早々から貧乏する事になるわよ。」
「あ、それは・・ちょっと・・。」
正月早々給料を引かれてはたまらない。
唯奈は慌ててベッドから這いずりだし、シャワールームに飛び込んだ。
せっかくの21世紀の始まりにしては、最低だった。
----------------------------------------------------
カッカッカ・・
足音を響かせて渋谷の街を走る・・
たった30分ではメイクもろくに出来ない。
気になって仕方がないけれども、貧乏への恐怖が勝った。
事務所の入っている雑居ビルのエレベーターに飛び乗ってボタンを押す。
怪しげな街金融やらサルベージ屋、
売春の元締めなどが入居しているこのビルは、
そのおかげでセキュリティだけは万全だ。
でも、そのせいで玄関でますます時間を取られてしまった。
バタン!
事務所のドアを蹴飛ばすように開けて飛び込む。
「ハア!ハア!ハア!・・」
真冬と言うのに汗が滴る。
「アラぁ・・惜しかったわねぇ・・2分ほどタイムオーバーよ。」
アリサ局長はとってもウレシそうな笑顔で出迎えてくれた。
こういう場合、アリサはとことんイビリ倒す。
Sの血が騒ぐのかもしれない。
「ハア・・と・・。」
『まあ、それでお給料が少しでも助かればいいや・・。』
唯奈は覚悟を決めて目をつぶった。
「人探しよ。」
バサリ、案に相違してパサリ!とファイルを投げ出してアリサは言った。
「え!?」
てっきり何だかんだとネチネチやられるとばっかり思っていたので、
唯奈はいささか拍子抜けだった。
『よっぽど急ぎの仕事なんだろうか・・。』
投げ出されたファイルを手に取ってソファに掛ける。
アリサの横には綾音がぐったりと目の下にクマを作って座って・・
今朝までいっしょだったのだから、体調は同様のはずだった。
『裏切り者め・・アリサお姉さまにシメられて吐いたわね・・。』
睨みつけながらファイルを開く。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
M&K・Jリサーチ(代表取締役 前田 アニト
**********代表取締役 近藤 アリサ)
MISSION
●行方不明者の捜索
先年来続発する都内の女装っ子失踪事件を調査せよ。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
アリサはいつものように、クールに話を進めていく。
「このところの女装っ子失踪事件は知ってるわね・・
いろいろ噂になってるから耳には入ってることと思う・・。」
ファイルには失踪した女装っ娘の写真がクリップで留められている。
メイクしたのとスッピンの・・
「人によっては別人のように代わってしまうから、
手におえないってアニト様のところへ依頼が回ってきたらしいのよ。」
「て・・どこから?」
綾音が尋ねる。
「モチ、警視庁よ、紹介するわ。」
アリサは次の間に声をかけた。
「入って。」
カチャリ!
扉が開いてガッチリした長身の男が入ってきた。
「内海俊夫と申します。
け、警視庁とこちらとの連絡を担当させていただきます!」
『アハハ・・緊張しちゃってまあ・・でも、なかなかハンサムじゃないの。』
唯奈は軽く笑いかけてファイルに目を戻した。
「ン!?」
繰る手が止まった。
そしてデータのひとつに目を吸い寄せられる。
『これは・・この娘は・・!?』
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
高見沢明・女装名アカリ
年齢 25歳
身長 163cm
体重 47kg
特徴 丸顔 目の下にほくろ 盲腸の手術跡あり
   髪色 茶に脱色・・・
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
手が、わなわなと震えた。
『なんてことだ・・あのクリスマスの夜・・
二人で眺めた星空のような街の灯・・。』
パシ!
ファイルを閉じ、唯奈は立ち上がっていた。
「やります!やらせてください。この件は私に!」
-----------------------------------------
唯奈のスラリとした長身と美貌に、
道行く男たちは思わず振り返って見るが、放っておく。
本当は潜入捜査員としてはこんなに目だってはまずい。
周りの風景に目だたず溶け込めなくては・・
そんな考えが頭を掠めたが、
今、そんな心の余裕は持てなかった。
『一体あの夜の後、何があったのか・・
あれからまだ、ひと月と経ってはいない。』
焦りに似た感情が唯奈を突き動かす。
「す・すいません、一体どこへ・・?」
内海刑事はわけがわからないらしく、唯奈にたずねるが、
プライベートな話まで彼にしてやるつもりは唯奈には無かった。
『俊夫・・といったっけ。』
どっかで聞いた事のある名前のような気がしたが、
どうも少々頼りない。
新宿の南口から少し歩いて、
この間のシティホテル、そのラウンジで高見沢氏と会う。
「お手数をおかけします。」
高見沢雅史・・あの夜、唯奈とアカリを散々嬲り、弄び、
歓びの叫びを上げさせたその人は厳しい顔つきで腰を下ろした。
「生憎、こちらは地元ではないもので・・
私の手づるにも限りがあります・・
そんなわけで警視庁の友人にアニト氏の事を話しまして・・。」
「あ、あんたか!あんたが上を動かして・・
くそう!おれはおかげで連絡役に・・!」
「だまれ!」
高見沢は内海を一喝した。
「お前らが有能なら、こちらの手を煩わせなくても済んだんだ!
文句があるなら女装者の刑事でも雇うんだな!
それともあんたが変ってくれるのか?」
「え!?イ・いや・・それはこりごり・・」
「・・ン!?経験あるのか?」
「ア・いえ・・あの・・その・・。」
内海はたちまちしどろもどろになって・・ちょっと顔を赤らめた。
『フウン・・なんだ、経験ありなの・・
でもちょっといい男だから美人になるかもね。』
唯奈そんな事を考えながら横目でちらりと見る。
「どうしてもお力を借りなくてはなりません。
潜入捜査のプロ・・唯奈さん、お願いできますね。」
高見沢は唯奈に向き直って言う。
「はい。おまかせください。アカリさんはきっと助け出して見せます。」
「あれは何しろ好奇心旺盛で・・
ちょっと目を離すととんでもないところにもぐり込んでしまう・・
久しぶりの東京で少々、浮かれすぎていたようです。」
「何か、心当たりが?」
頷いて高見沢氏はカードを差し出した。
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秘密クラブ ディープ・パープル
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「どうやらこの店に行ったらしい・・
しかしここでふっつり足取りが途絶えてしまうのです。」
「おまかせください。」
カードをポケットに入れ、唯奈は立ち上がった。
「必ずアカリさんを取り戻して見せます。行くわよ!」
内海に声をかけ、唯奈はラウンジを出た。
「おい、どうするんだ!」
「もちろんこの店に行くのよ。エスコート宜しく。」
そう言って唯奈は彼の腕を取った。
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ズン!ド!ド!キイ〜〜ン!
耳がつぶれそうな大音量をスピーカーは吐き出していた。
暗い店内の中央ではドラッグ・クィーンが体をくねらせ、
怪しい視線を回りに投げかけている。
恐ろしく金のかかった内装、
テーブルにはアイレイ・モルトのトゥワイスアップが置かれてる・・
独特のヨードのような香り・・。
「お飲みなさい・・そんなに固くなってると怪しまれるわよ。」
唯奈は傍らの内海に囁きかける。
「ちょっとトイレに・・。」
完全に雰囲気に飲まれてしまっている。
唯奈は肩をすくめてトイレに向かう刑事を見送った。
と、目の前にカクテルが置かれる。
「何、頼んだ覚えは無いわよ。」
ウェイターを見上げると、
「あちらの方から。」
カウンターの初老の紳士が唯奈へ視線を送ってきた。
ツ、と立ち上がり、近づいてきた。
「いや、お美しい・・。」
「悪いけど連れがいるの、お相手はまた今度ね。」
軽く受け流す。
「ハハ・・それはあの若い刑事さんの事ですかな?」
「なぜ刑事と?」
「分かりますとも、あんなに警察の匂いをぷんぷんさせていてはね。
せめてポケットに手は突っ込む癖は直す事だ・・。」
「何者?あんた。」
「この店の支配人、とだけ申し上げておきましょう・・
何しろここはあくまで秘密の存在でしてね・・
顔や身分を知られたくない方もたくさんお見えになるのです。
そこに刑事さんが現れたとなると・・
何事かと心配にもなるというものです。
もっともあなたはそう言う方には見えませんが・・。」
「そう?どう見えるのかしら。」
「さて・・それが分からない。
相手の正体が知れない、というのは不気味なものです。
お聞かせ願えますか?」
「こっちこそ聞かせて欲しいわね・・この娘をどうしたのか。」
写真をテーブルの上にツイと差し出した。
「はて・・お知りあいで?」
「とぼけないで・・この店に来た事は分かってるのよ。」
男は薄く笑った。
「やれやれ・・やっぱりそういう御用でしたか・・
余計な詮索はためになりませんぞ。」
「おあいにく様、これが仕事なの。生活かかってるのよ。」
「それじゃあ仕方ありません、私も生活がかかっているのでネ、
お互い食っていくのは大変ですな・・。」
男はものすごい笑いを浮かべた。
紳士の仮面がスルリ!剥げ落ちて、邪悪な内面が剥き出しになる。
カチリ!音がした・・テーブルの下には・・小口径のベレッタ・・。
「おとなしくついて来い。連れの命が惜しかったらな!」
『ありゃま。内海刑事、あっさりトイレでつかまっちゃったんだわ・・。』
そんな事を考えつつ唯奈は素直に立ち上がった。
ウェイターが二人、するする、と近づいてきて後に立った。
身長180以上はある、身のこなしも格闘技をやっていそうな気配だった。
「それでは、ちょっとお付き合い願いますよ。」
男は銃をしまい、立ち上がって奥へと歩き出した。
ウェイター二人と男にはさまれて唯奈は店の中を抜けていく。
客たちはまったく無関心・・
こういうシチュエーションは良くある、という事だろう。
そういう店なのだ。
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地下へと続くエレベーターは果てしなく、と思えるほど降下して行く。
B2のランプが点灯しても止まらない・・
そして、扉が開くと、
「ようこそ、本当の、クラブ、ディープパープルへ。」
男は慇懃に、しかしいやらしい笑みを浮かべて言った。
「す、すまない・・唯奈さん。」
内海が縛り上げられ、転がされている。そして・・
「アカリさん!」
唯奈は思わず叫び声を上げていた。

続く




アニト (1月15日(月)23時45分52秒)
山崎アカリさん、こんばんは。
philosophiaは愛智の意味だと習いました。
独り善がりの考え、他者とのかかわりを持たない言動は
空疎な形式と言えるでしょうね。
誰もがイデアを持ちながら、それを確信できないところに
現代の病巣があるのかもしれません。
あはははは、やってしまいましたか、・・・オ○ニー。
また報告をお待ちしていますよ。
今度はハードボイルドタッチの物語、
多才なアカリさんに感服します。


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