理恵(12月4日(月)23時35分26秒)
◆みなさま◆
突然ですが、新しいお話です。
・・・理恵の「ウソ」の始まりです。
野坂したいなと思って書き始めたのですが、
すぐに破綻してます・・・文才が、ないわ。
おひとりおひとりに対して、
お話ししたいことはいっぱいあるのですが、
今は、一言だけ、
『空想デート』に集う、みなさんがいて、
理恵はとてもうれしく思っています。
自分を好きになれたのですから。
みなさんが大好きです。理恵でした。
『虹の欠片たち』その1 夜、独り

ひんやりとした廊下のわずか四、五歩で歩ける長さを、
自分が住む家であるのに、抜き足差し足で。
敷き板の、軽くきしむ音にも、咎められている気がしてならない。
ましてや、硝子戸を開けるときの、立て付けのあまりよくはない、
カラカラという、硝子のかすかな響きは、
罪悪感をことさらにかきたてる。
部屋の明かりは、決してつけはしない。
廊下の、薄暗い電灯の明かりのみ。
何、お目当てとしているものの在処は、
目を閉じていても承知している。
部屋に入って、すぐ左にあるのが衣装ダンス。
その手前、廊下に面した硝子戸の上の鴨居には、
フックに、ハンガーがかかっている。
いつもならば、この時間にはかけられているはずの紺色のセーラー服が、
今宵もまた、持ち主とともに、そこにはない。
タンスの右奥にあるのが、籐の衣装入れ。
三段重ねの、一番下から開けていく。
ここでも、音を立てぬように、両手を添えて、ゆっくりと。
まず、半分ほど引き出す。
「タンスの一番下から開けていくのが盗人の定番でね」
どこかで聞いた台詞が、いつも浮かんできて、
そのたび苦笑いをしてしまう。
ていねいにたたまれた、純白を基調とした、時折柄物の混じる、
ほとんどは少女めいたかわいらしいもの、
少しだけ大人っぽさを演出しているものとがあるパンティが、
持ち主の年齢を語っている。
そしてこちらは、拘束、いや校則に定められたとおりの、
無地の白いソックス。
持ち主の性格をそのまま反映して、縦列に並んでいる。
隅のほうに、数足だけ、学校以外用の、
しかしパンティとは違って、こちらは少女っぽいままのソックスもある。
女であるがゆえに、決して避けることのできない下着の汚れ、
また思春期の、埃っぽい学びの場でのソックスの汚れ、
そうした汚れをていねいに揉みほぐして、
生地の味わいを取り戻そうとした営みが、
完璧とは決してならないにしても、
細やかな、本当に細やかなグラデーションになって、
もはやそれは、彩りとなっていることを、
何度となく、明るい日のもとで、忍び込んだときに、知っている。
しかし、めざすものは、その、さらに奥にある白い箱である。
目立たぬように、パンティの下に隠してある、何の変哲もない紙箱。
きちんと整理されたパンティたちを乱さないよう、
そうっと、そうっと、しかし、慣れた手つきで取り出す。
ここでは開けない。自分の部屋に持ち帰るのだ。
真ん中の段。
やはり純白を基調とした、ブラジャーとスリップ、キャミソールなど、
よくよく見ればパンティと対になったものが、
几帳面に、同じ配列で、同じ場所に並んでいる。
めざす者の在処とて同じこと。
白い紙箱の、こちらは、ひとまわり大きなのを取り出す。
一番上には、セーラー服の替えリボンだの、ハンカチだの、
また、背伸びをしたい年頃の少女の、
ささやかな小遣いを貯めて買ったであろう、
決して高価ではないが、持ち主の品の良さを感じさせる、
いくばくかの装身具。
取り出すのは、金色のネックレスと、これもまた金色のイヤリング。
もちろん、イミテーションではあるが、実はこれを見立てたのは、
誰あろう、たった今、衣装入れを物色しているこの人物に他ならなかった。
 * * * *  
自室に帰り、硝子戸を閉める。
曇り硝子なのであるから、廊下からは見えるはずなどないのであるが、
これから己のとる行いに対する罪悪感が、そうさせるのか、
閉めたばかりの硝子戸を、再びそっと開けてみる。
家にいるのは己ひとり。
廊下の向こうには、高い塀を巡らした庭が、
塀の向こうは、すぐ崖になっている。
よほどの酔狂者でもなければ、こちらから覗かれることはないだろう。
反対の方向には窓があるが、
こちらとて窓には鍵をかけ、カーテンも引いている。
窓の向こうには、道を隔てて田圃がひろがっている。
春まだ浅いこの季節、風の吹きすさぶ稲株の上で、
開くあてのないカーテンを見続ける者が、あれば、あれ。
となれば、あたりに人の住む家はなし。
「坂の上」といわれる、この家に、今は己のみ。
そう、安心できる。
それでも、何度も深呼吸をするのは、
もはや、覗かれるかもという不安からではなく、
これから己が過ごす時間に対する、
胸のときめきをおさえきれないからに違いない。
ボタンを外すのももどかしく、パジャマの上着を脱ぎ捨てる。
下は、パンツもろともだ。
乱暴にまとめて、部屋の押入に放り込む。
「男用」の服を、着続けなければならない苦痛を、
八つ当たりしているかのようだ。
暖房器具を片づけてしまった部屋は、まだまだ肌寒いが、
一糸まとわぬ姿を、壁にかけている姿見に映してみれば、
鳥肌のひとつとしてたっていない、若い男の姿がある。
髪の毛は、風呂から上がって、まだ乾ききっていないが、
まつわりつくほどではない、男にしては、細やかな髪質であるのを、
耳の下数センチの長さできれいに整えられている、ストレートヘア。
元々あまり濃くはないひげはもちろん、脇の下から、腕、足、
そして、生えていれば、ようやく生えそろった状態であろう陰毛も、
すべてきれいに剃り上げている。
前髪に指を差し入れ、ゆっくりとかき上げてみる。
くっきりとした、それでもむさ苦しさは、まるでない、
ほんの少しだけ、剃刀を入れただけで、
十分すぎるほどのはかなさと、
わかる者にだけはわかる芯の強さを演出する、
自慢の眉毛がそこにはあった。
身体の線形もまた、骨の太りきらない、
華奢なつくりを、あちらこちらに残したままの、
これもまた本人が、密かに誇っている、横一文字に走る鎖骨をはじめ、
その年になっても、第2次性徴を発現しつくしていない、
未分化の様相を残しつつ、贅肉の全くついていない、
あるべきものがあり、あるはずのないものがなければ、
そうであって欲しかったと、物心ついてから久しく願い続けている、
「女」に近いものがそこにはあった。
しかし、女には決してない、その部分が、厳然としてあった。
ことさらに「男」であった。
隆として屹立していた。
てかてかと、切っ先が輝いているかのような、若い「オス」がいた。
第2次性徴を、その部分だけがことさらに発現していた。





アニト(12月5日(火)23時41分44秒)
理恵さん、こんばんは。
『空想デート』における「文才」とは、
文章を上手に書くことではなく、
「書きたいと思う気持ち」だと考えていただければいいですよ。
書き続けることで自分の文体が見え、
新しい表現にチャレンジすることで自然と文章は磨かれていくものです。
ほら、日本家屋の描写はもう理恵さんのものになっています。
理恵さん独自の文体を見つけてみてください、このフレーズのように。
わたしも「みなさんが大好きです」




理恵(12月7日(木)23時44分23秒)
◆みなさま◆
このお話は、理恵の中にいるひとりの少女が語ってくました。
さまざまな少女たちの欠片が散らばっていて、
ある時、ほんの小さなきっかけで、血と肉を得た少女が、
訥々と紡ぎはじめる物語・・・になるはずです
・・・こうでも書いて、逃げ道を断っておかないと(汗)。
でも、この発想って、「ブゥードゥチャイル」ですね。
もうひとつ。
「悲しいロマンス」は、続けます。
理恵が、理恵になることができた大切なお話なのですもの。
どんどんおしゃべりになっていますね、私。
みなさんが大好きです。理恵でした。
『虹の欠片たち』その2 トライアングル、沈黙
己の裸体を見るたびに、
悲しみの深い霧に包まれていく心持ちが、
少年の表情に何時も憂愁を帯びさせていた。
ただ、いまは悦びを伺うことができる。
たとえ、禁じられた行いをとろうとしているが故に、
暮れかけた海に、曇天から一条だけ射した日差しがつくる、
輪郭の定まらない円の中、儚げにきらめく波頭のようではあるものの。
件の箱は、傷をつけないようにとの配慮と、
そして色のバランスも考えたのであろう、
先に用意してあった黒い、柔らかなツイード地の布におおわれた、
勉強机の上に並べて置かれてある。
ネックレスとイヤリングもその傍らに、
同じ生地の、こちらは、たたまれてある上に、置かれている。
両手を添えて、まずは小さなほうから、丁寧にふたを開ける。
続いて大きなほう。
ふたを布の上に置く。
白い箱の中に、虹が架かっていた。
手前から、紫、藍、青、緑、黄、橙、そして赤・・・
「今日は緑」
独りつぶやいて、見れば確かに、虹には緑の色が欠けていた。
「それじゃ、私は黄」
小さな箱から取り出されたのは、レースを多用して、
美しく飾られた、しかしその美しさは、
決して己自身のためでも、また愛する者を歓ばせるためでも、ない、
春をひさぐことを強いられている女たちが、
狡猾な廊主から、前借りというかたちで、買わされている、
それの美しさを持つ、それであるが故に、
本来の持ち主が、わざわざ別の箱に入れて保管しているに相違ない、
黄色いシルクの、パンティ、ガーター、ストッキングであった。
手にしたものを、やはりこちらも黒いツイード地の布で覆われている、
部屋の主の年格好から考えれば、不釣り合いな、大きな座卓の上に、
ひとつひとつ形を整えながら、並べていく。
続けて大きな箱からは、もちろんこちらも黄色の、
ひとつそろいで販売されていたのであろう、
キャミソールとペティコート。
並べる。
それから、二度手間になるにもかかわらず、
大小の箱にふたをかぶせる。
几帳面すぎる性格故のことでもあるし、
紫、藍、青、橙、赤・・・
緑と黄が抜けて、グラデーションのバランスを欠いた、
もはや「娼婦の下着」にすぎない、
虹を視界から隠してしまいたかったからでもある。
そう、今夜家を空けている、虹の本来の持ち主が、
セーラー服の下に隠しているのは、
黒い布地の上に並べられ、それらは、まるで闇の中に
引き込まれていこうとしているようにも見える、
黄色い、パンティ、ガーター、ストッキング、
キャミソール、ペティコートと、
同様の装飾を施された、緑のそれらなのだ。
少年は、知っている。
虹の持ち主が、今夜出かけている先も、出かけた先の主の顔も、
名前も、仕事も、そして性癖までも。
もちろん、今日は緑の、虹の一色が、
それらに施された装飾本来の目的のためにあることも。
耳から下がるイヤリングの重みには、
虹の持ち主が強いられている屈辱を思い、
しかし、今少し成長がすすめば、窮屈になるであろうネックレスには、
己自身もまた、虹の持ち主の屈辱を受けてみたいという背徳を思い、
裸体のままの少年は、
座卓のそばに膝を右側に流して腰掛け、
細い右手の一差し指で、そこに並べたひとつひとつの肌触りを、
繰り返し、繰り返し、なぞり続ける。
つられて動く頭にあわせて、
小さなトライアングルがふたつ並んでいるデザインのイヤリングは、
かすかにチャラリという音を奏でるが、
あとは、物音ひとつするではなく、
虹の持ち主が家を空ける夜、少年が過ごす、
何時もと変わらぬ、一人きりの時間が流れていく。
ふと、指が止まった。イヤリングも沈黙した。
目に映ったのが、その年頃にありがちな、
アイドルタレントやらなんやらのものでもない、
何の変哲もない、メモを書き込むスペースだけはある、
これもまた性格を反映したのであろう、
あれやこれやの予定が、きちんきちんと色分けして書き込まれている、
壁に掛けられた、カレンダー。
その中に、赤い丸をつけた日。
明日だった。
長い睫が、大粒の涙を、ゆっくりと目尻に流していった。
切れ長の目尻に、たまるかと思う間もなく、
ぽつぽつとツイードの上に水たまりを作りだしていく、
もう止まらない、後から後からあふれ出していく、
涙、涙、涙・・・
今日だけは、虹の持ち主と一緒の時間を過ごしたかった。
その思いを、知ってか知らずか、いや、間違いなく知っていただろう、
知っていて欲しい、そうあって欲しいと心から願っていた、
虹の持ち主は、家を空けている。
「黄を、虹の一色を、身にまとってみよう」。
いつもならば、決して踏み越えてはならないと己に命じていた、
でも、今日だけは、そう思う、
己を抑えきれなくなって、仕方がなくなった。





アニト(12月8日(金)00時18分15秒)
理恵さん、こんばんは。
「悲しいロマンス」とはまったく趣が違う
この『虹の欠片たち』がすこし見えてきたような気がします。
それにしても理恵さんの巧みな色彩感覚といい、
音感にすぐれた人がいたりと、
文章にはいろいろな表現方法、そして個性があるものですね。
おしゃべりさん、大歓迎ですよ。




理恵(12月8日(金)22時07分56秒)
◆みなさま◆
こんばんは。
TO アニト様
今日は、この時間です。少しは大丈夫でしょうか。
でも、理恵は、残業が伸びました<仕事しなさい。
TO みずき様
みずき様のお城で拘束されている理恵は・・・
勝手に入っていった理恵ですものね。仕方ありません。
いつまでも、ひとり下半身を熱くさせているのがお似合いです。
TO アカリ様 
いつまでもわいせつな夫婦=幸せそうなカップル。
理恵もこんな幸せなお話を書きたいのです。
どんなお話になることやらわかりませんが<「悲しいロマンス」は?
TO 由衣美様
お褒めいただきありがとうございます。
とてもうれしく思います。
「切なくて淫ら」、大切にします。
TO 数値フェチっ娘様
公式データ復活おめでとうございます。
お忙しい日々が続いたのでしょうね。ご自愛下さいませ。
TO 綾乃様
「悲しいロマンス」は続けますと書き込んだのですが、
そうしたら・・・
TO ひろよ様
あ・・・、あ・・・、あ・・・
 * * * *
「悲しいロマンス」は、少し軌道修正して、もういちど書き始めます。
それとも、少し、長めに書きためてからの方がいいのかしら。
うーん、ぎっちょんちょん
みなさんが大好きです。理恵でした。
『虹の欠片たち』その3 姿見は解き放つ
虹の持ち主が帰宅した、その翌朝、
出入りのクリーニング業者が、中身が見えないように、
わざわざ紙袋に入れて届けに来る、その中身は、
家を空けた夜、すべてを剥ぎ取られてしまうのであろう、虹の一色だ。
持ち主は、とくに着替えを持つでなく出かけているのであるから、
朝、帰宅した際に、身にまとっているのは、セーラー服の上下と、
素足にはいた、こちらも虹の一色に合わせた、
セーラー服とのバランスを大きく崩している、
エナメルのハイヒールのみということになる。
帰ってくるや否や、風呂場に駆け込み、
長い間出てこない、虹の持ち主のため、
少年は、朝早く起き、風呂を沸かしておくようになっていた。
考えてみれば、重ねられていく屈辱の夜を「知っているよ」と
言っているが如き仕業であるのだが、
まだ男女の営みを知ってはいない少年にして、
虹の持ち主が、初めて家を空けた翌朝の、
家の前に止められた黒塗りの車の、ドアが閉まる音を聞き、
思わず、階段を駆け下りて、玄関に入ってきた、
虹の持ち主の、いつもならば、微風にさらさらとそよがせている、
そのきらめきを飽きず眺めていたい黒髪の、
汗と脂を吸ってボサボサに寝乱れたのと、
朝のまぶしい光の中で見るならば、
惨めさを倍にしてさらしている崩れた化粧と、
その下の能面が如き表情の喪失と、
下着をつけていないことがみてとれる青白い脾腹と、
素足にはいた、その日は紫であったハイヒールと、
そして夏物のセーラー服から伸びた華奢な手首に、
くっきりと刻まれた、縄の痕とに、
そのような仕打ちをしたあげくに、下着も与えず、化粧も落とさせず、
もちろん身を清めることさえ許さない男の、酷い心根に、
心を凍りつかせてから、
何もいわずに風呂場へ駆け込み、シャワーを一杯に開いて浴びている、
その水音にかすかに混じる、
その朝まで聞いたことのないすすり泣く声を耳にしてから、
ふたりの中で始まった、暗黙の行為なのである。
だから、目の前にある、虹の一色を、
今日の今日まで身にまとうことがなかったのは、
汗や、今日もまた、堅くみなぎらせた先端に、
早くも浮かばせている透明な露などで、汚してしまうことを、
また、一度身にまとってしまえば、
どうしても着崩れをさせてしまうことを、
結果として、虹の持ち主に、己の行為がばれてしまうことを、
さらには、虹の持ち主に、己の性癖を知られることを恐れていたから。
ただ今日が違うのは、明日、この家から、
見知らぬ都会へ、二度と帰ることはないであろう、旅立ちをするのだ。
虹の持ち主と会うことも、許されないであろうことも、
己の中では承知している。
生まれた時から、住み慣れたこの家自体、
少年に続いて虹の持ち主が引っ越しをすれば、
取り壊されることになっている。
少年の旅立ちは、事情を知らぬ者にしてみれば「美談」であり、
少し事情を知る、この家を「坂の上」と呼ぶ者にしてみれば、
「体のいい、邪魔者の追い出し」であった。
そして、もうひとつ、別の思惑を持つ者もいたのだが・・・
涙が止まった。
しかし、心にあふれる思いは、
すでに堰を切って、止めどもなくあふれ出していく。
もう、止まらない。止めようとする気も、ない。
数刻前、少年を映していた姿見に、
黄色い下着を身につけた、少女娼婦が映っていた。
シルクの肌触りは心地よく、
しかし今は、それが、かえって悲しみをかきたてる。
この身体が本当に少女であれば、どれほどうれしいであろうか、
たとえ、虹の持ち主と同じく、
辛く惨めな夜を重ねることを強いられたとしても、
それでもいい、ふたり一緒であれば、
どれほど辛く惨めであろうと、それだけでいい、
ずっと、ずっと、そばにいたい、
化粧によって、さらに引き立てられた、真の女であったならば、
少年をして、そう確信させるだけの、美しさがそこにはあった。
気づけば、姿見に映るペティコートに、
真の女ではないことを、思い知らせる、
不自然な盛り上がりの、その頂に、染みがひろがっていた。
ていねいに、ていねいに拭いておいたはずの、
そして、テッィシュペーパーで、覆っておいたはずの、
己自身が、いつの間にか、パンティからはみ出し、
新たな先走りを滲ませているのであった。
しまったと思う後悔も、その年頃にはふさわしからぬ自制心さえも、
もう、どこかに雲散霧消していた。
座卓の上にひろげられた黒のツイード地、
その上で、黄色いシルクがひたすらに、
ただひたすらに快楽を求めてうごめいていた。
もはや、見る人とてない姿見には、ペティコートごと、
己自身とその下にある垂れ袋をつかみ、しごき続ける細い、
両手が映し出されているのみ。
誰ひとりいない家の中に、声変わりをし損ねた少年の、
誰憚らぬ思いを込めた、大きく響き渡る、
「亜衣・・・亜衣・・・亜衣・・亜衣、亜衣・・亜衣・・・・・
亜衣、亜衣、亜衣、亜衣、亜衣、亜衣亜衣亜衣亜衣亜・・・衣、
亜、衣、亜・・衣、亜衣・・・・」と。
姿見は、ペティコートの、両手の先に、先ほどとは違う染みの、
どんどん大きくなっていくのを、映している。
夜が、再び部屋を支配した。





アニト(12月8日(金)23時47分25秒)
理恵さん、こんばんは。
時間はそれほど気にしなくていいですよ。
数値フェチっ娘さんも書いていましたが、
「アニトさんもアタフタとされて」いただけですから。
むしろ書き込みの多さに喜び、
ニコニコと笑いながらレスを書いていたくらいです。
時間も物語の長さも理恵さんの思うままでかまいません。
まさに理恵さんならではの粘着質な物語ですね。
読む側の想像力を試されているようで、読み応えがあります。


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