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リトルウィッチ☆パルフェ 〜魅入られた魔法屋さん〜
暴れ猫 著


 「これ、なんの花だろう?」

 木の幹に絡み付く茎。目の高さに咲いている花。

 「なんかの材料に使えるかな?」

 がさがさと草を掻き分けてその花に近づく。

 「サケマスなら知ってるかな?」

 夜の月明かりがその花を華麗に照らす。改めて少女は自分の持ち物を見た。

 「これくらいなら持って帰れるよね」

 少女の視線が荷物にある時、音もなく花はゆっくりと動く。月明かりを受けていた花はその少女を見つめる。獲物を狙うが如く・・・・・

 

 「パルフェ〜、パルフェ〜。起きろ、時間だぞ」

 「んん〜・・・・・・」

 瞼をゆっくり上げると黒猫が掛け布団の上に乗り、覗き込んでいる。

 「起きたかぁ?」

 「あとごふん〜」

 パルフェは掛け布団を頭までかぶると瞼を閉じる。

 「こらぁ!」

 黒猫は自分も布団に潜り込むとパジャマの上に行き、掛け布団を跳ね上げた。

 「早く起きて出かける準備しないとぉ!」

 黒猫のにくきゅうがパルフェのおでこを踏む。その時下の部屋からカランカラン、と誰かが扉を開けた音が鳴り響いてきた。

 「誰か来たよぉ〜」

 眠そうな顔で黒猫をみる。

 「俺はもう行くからきちんと起きてこいよ」

 「分かったよ、サケマス」

 「いいか、ヨルガオが後四本あればいいから必ずとってくるんだぞ。依頼された日まで後少しなんだから」

 サケマスと呼ばれた黒猫はポン、と床に着地するとパルフェの上半身が起きあがったのを確認してからタタタタ〜と走っていった。

 仕方なくパルフェも起きると外出用の服に着替える。カーテンを開けると日はかなり落ち、空を真っ赤に燃やしていた。

 

 黒猫魔法店。パルフェと先ほどの黒猫とで経営している店。弱冠14歳でありながら両親は他界し、残されたのは使い魔のサケマス、黒猫魔法店、そして膨大な借金であった。借金返済の為に学校には行かず、サケマスと共に店を運営していた。パルフェはこの店を手放したくなかった。母親との思い出の場所だったから・・・・・。

 

 軽くご飯を食べると着替えて、一階に降りる。階段の下の本棚から一冊の本を取り出すとヨルガオの項を開いた。ヨルガオ、それは夜になると蕾が開く性質のある花。花びらの部分がぽぅっと光り、蛍が小さい身体を寄せ合い光り輝くかのように淡い緑の花が咲いているかのよう。

 夜にしか咲かない故にどのような環境で育つか分からず、なぜか昼間には絶対見つかった事のない花である。幾人かが栽培できないかと目論んだが、摘み取った時点で状態が変わるらしく、栽培に成功したという話もなかった。

 結局自然に任せ、咲いているところを摘み取るしかないのである。

 「見つかるかなぁ?」

 花の形を頭に入れたパルフェは、採取用の籠を手に取るとサケマスに一言言い家を出た。

 

 「さて、頑張って探すぞぉ」

 街から二時間の所にあるクラベルの滝。唯一のヨルガオの生息地である。日も暮れ、手元にあるランタンだけが足元を照らす。

 無論簡単には見つからない。二時間が過ぎ三時間が過ぎ、見つかったものはハーブス、モスコス、タンピポ、エンリンゴ。これらの材料はまだ在庫が残っているものばかりである。

 「疲れたぁ」

 川岸で手ごろな石を見つけると、少しばかり休憩を取る。

 「このまま帰ったらサケマスに怒られちゃうよ」

 まさにトホホな気分であった。探索を始めてからすでに4時間はとうに過ぎていた。

 「あ・・・お月様」

 水面に月の形が映っている。夜空を見上げるともう後数日で満月になるのか、やや丸みを帯びた月が大地を照らしていた。

 「・・・・・」

 パルフェはじっとランタンを見つめる。

 「ヨルガオ・・・・・光が嫌い・・・・」

 しばらく考え、ランタンを手に取ると火を消した。辺りが闇に覆われる。しかしそれも一瞬で、空から降り注ぐ月明かりと水面の反射で辺りを彩る。

 「わぁ・・・・綺麗」

 ランタンの光が作り出す世界とはまったく別の世界に変わる。どこに隠れていたのか、蛍でさえも優雅に辺りを飛び始めた。

 5分か10分か位すると別の発見があった。暗く闇に染まる森の中にいくつかの光の花が咲く。人工的な光が消え警戒を解いたのか、ヨルガオが一斉に咲き始めたのだった。

 「こんな近くにあったのぉ?」

 ざっと見ただけで4つの光がある。もっと奥にまで行けばさらに見つかるであろう。

 「もう時間だしね」

 確認できる光の数は要求された数と一致する。時間もすでに深夜の11時をとうに過ぎている。

 すばやく採取すると帰途についた。

 

 「あれ?」

 帰り道の途中で一つの光に目が止まる。赤い花びらであった。ヨルガオとは形は似ているが光る色が違う。さらに決定的に違うのは木の幹に幾つもの茎を伸ばし絡み付いていることである。

 「なんだろ?ヨルガオじゃないしねぇ?」

 かさかさと草を掻き分けて近づく。またもや違和感を感じる。普通の植物なら太陽や月を見るかのように花びらが展開されるが、この花は別のものでも見るのか、山道の方を見ている。

 「ん〜・・・・」

 今まで調合材料としても使ったことのない花であるし、ましてや聞いたこともない。

 「サケマスなら知ってるかな?」

 母から譲り受けた使い魔の知識ならきっと知ってるに違いない。そう考えたパルフェはこの花も採取対象に加えた。採取籠を見る。まだまだ余裕だ。それもそのはずで、ヨルガオ以外は全部無視したからだった。

 「お持ち帰りけってぇい」

 木の幹から花を引き剥がそうと茎をつかんだ時であった。

 「!」

 パルフェの腰になにかが巻きつく。「何?」と見るとその花と同じ色の茎が巻き付いていた。

 「なっ!」

 茎をつかんだ手にも茎が巻き付いてくる。そして足にも。

 「なにこれぇ!!・・・・・ひぃ!!」

 その花を見て戦慄を覚える。花は山道ではなくパルフェをじっと見ていた。

 

 「やだぁ!放してぇ!!」

 夜の森のやや開けた場所にパルフェはいた。いや、連れてこられた。パルフェを拘束した花がそのままこの場所まで連れてきたのだ。森の木の枝は避けるようになく、月明かりが大地に投射されている。そしてその中にもう二つの赤い光があった。

 どさっ。茎の拘束が解け、パルフェは地面に投げ出された。顔だけ上げて状況を見て体が強張る。三つの花がじっとパルフェを見ているからだ。まるで獲物を狙うかの如く。

 (逃げなきゃ)

 そう考えたが、行動は花のほうが早かった。立ちあがる寸前に足に茎が絡みついた。

 (あっ!!)

 足に気を取られている瞬間を狙い、首にも巻き付いてくる。首に巻きついた茎を剥ごうと両手で茎をつかむと、別の茎が手首に巻きつきぎりぎりと締め上げた。強靭な締め付けの痛みに手を放すとすかさず万歳の格好のように両手を宙に持っていく。

 「ひぁ!!」

 腰にも巻き付いてくる。そのまま空中に吊るされた。これで溺れた人のように空中でもがく事しか出来なくなった。

 「やぁ!!」

 まだ余っている茎が服の中に侵入を始めた。裾から侵入した茎はお腹をなでながら上昇する。まだ膨らみ足りない乳房に遭遇すると下から突き上げるように茎の先端で押し上げる。襟から侵入した茎は裾から侵入した茎と共同で乳房を愛撫する。袖から侵入した茎はまだ薄い桃色に彩るふくらみの頂点に巻きついた。

 胸の部分を中心に服がもぞもぞと動いている。その下では幾つもの茎が小さなふくらみ二つを楽しんでいる。そこには鋭い枝先でつつかれるような痛みはない。

 「な・・・なに・・・なんなの?」

 服の上からでは分からない茎の変化があった。明らかにその乳首は温かい何かに包まれている。

 「あ・・・・ああ・・・・」

 赤子が母乳を吸うかのようにパルフェの乳首は吸われ始めた。恐怖に慄くパルフェ自身には分からない身体の変化。愛撫により子を成す準備を整え始めた身体の変化が乳首に現われた証拠であり、乳がより吸いやすくなるように硬くなり始めたのだった。

 「だめっ、吸っちゃやだよぉ」

 まだ成長期にあるパルフェの身体は敏感で快感よりも痛みを感知する。人同士であれば行為の意味することを理解しそれなりの行動をするが、この花にそれを求めることは出来ない。この花の真意は分からないが人でない以上手加減はない。

 「痛い、痛いってばぁ!!」

 他の茎は小さい乳房に巻きつきむにむにと蠢く。

 「吸ったっておっぱいでないんだからぁ!!」

 人間の言葉が理解できるとは思わない。しかしパルフェは乳首を吸う茎に叫んだ。

 「!?」

 暖かい何か液体のようなものが乳首に放たれたのを感じた。その液体はツーっと胸の膨らみを伝い腹に流れる。そよ風が吹くと冷たくひんやりとした感覚が走った。

 服の上からでは分からない。それがよりいっそう恐怖を与える。さらに悪夢が眼下に現われた。

 首に巻き付いている茎がもぞもぞと動き出す。それは蛇が蛙を睨みつけるかのように先端がパルフェの顔の前に現われる。

 「ひぃ!」

 細い先端はむくむくと太くなる。鋭い先端は丸みを帯び、その形はパルフェの記憶の一つと一致した。男性器。

 魔法学院とて全ての授業が魔法がらみではない。高等科は確かにほぼ魔法習得の為の知識の勉強は多いが、その下の小等科では日常での知識、人としての道徳なども学ぶ。もちろん性教育も含む。

 教科書に載る簡単な絵でしか見たことはないが、人としての遺伝子の記憶か、それが男の生殖器と同じ形をしている事をパルフェに分からせる。

 「んぐぅ!!」

 叫びを上げる一瞬を突いて、開いた口にその茎が滑り込んできた。すかさず茎は前後に動き出す。

 ずりゅ、ずりゅ、ずちゅ、ずちゅ。

 「ぐぅ・・!うぐっ!・・ううっ!・・ぐぅ!・・」

 茎の先端は熱く、自らを舌に擦り付けてくる。先端には小さな穴が開いて、透明な液体を少量ながら流していた。遠慮することなく喉の奥まで突き入れられる茎。その度に吐き気を催し、涙が浮かぶ。

 硬く突起した乳首も茎に絡められ、噛まれているかの様に鋭い痛みを感じる。噛まれ、吸われ、引っ張られ、痛くとも乳首だけは嬉しそうに硬度を増すだけだった。

 (力がでない)

 口の中の茎を外に追い出そうと歯を立ててもものとせず、ただ前後の動きを早め粘液の分泌量を多くするだけであった。茎先を舌に押しつけてくるのを避けようと逃げ回れば、行動範囲の小さい舌は逆に亀頭を舐める愛撫にしかならなかった。

 「ぐふぅぅぅ!!」

 一定の速さで動いていた茎が舌の上で止まる。ぶるぶるっと震えると生暖かい粘液が一斉噴射を始めた。

 びゅる!びゅる!びゅるっ!!

 甘い味が口いっぱいに広がった。パルフェはとっさに喉を閉めて液体を飲まない様にする。すると茎は喉を開かせようと奥へと侵入し始めた。

 吐き気を我慢するかのように両拳をぎゅっと握りその時を待つ。閉じられた部分に茎が到達する。力をこめて強引に茎先を突き進める。

 ・・・・・・・吐き気は来なかった。完全に茎先は食道にまで到達しているのに、である。

 それは少しづつ垂らしていた先行粘液にあった。麻酔効果を持った粘液を先に吸収させる事により、異物を喉の奥に含んでも嘔吐感覚を無くしたのだった。

 強引に喉を開かれ、口中に解き放った粘液は意思とは関係無く飲み込むことになった。食道にまで茎先を入れたソレは、もう一度体を震わせて純度100%の粘液を吐き出す。

 「んぷっ」

 茎先が外気に触れる。透明な粘液の糸が茎先とパルフェの口とを結んでいる。

 息苦しさから開放されそれでも恐怖がパルフェを支配しているが、身体が熱くなった自分に変わりつつある事に感づいた。

 「んっ・・・」

 愛撫を一度足りとも止めない胸にある茎。ふくらみにも突起にも痛みは感じない。むしろもっと触って欲しいくらいにまで高ぶっている。

 甘い香りが周囲に微かに立ち込めていた。どこかで嗅いだ事のある香り。

 「ちょこれー・・・・と・・・」

 魅惑のチョコレート。以前150個の依頼をされて以来少しづつなら今も作っている。それを食べると異性がその気になるという代物だが、それと同じ香りである事に気づく。

 「この香り・・・・口の中にも・・・」

 口の中で吐き出された粘液と同じ香り。強引に飲まされた粘液はまさに媚薬と同じ効果をもたらしていた。魅惑のチョコレートは食べたことは無いが、「その気になる」ということがどんな事かはうすうすと分かっていた。今の状況がそうなのであろう。

 その媚薬は口中を犯されている間も何度か乳房にかけられていた。乳首にいたっては媚薬に「漬かっていた」という方なのかもしれない。だからこそ最初と変わらず乱暴な愛撫でも、今は痛みも無く気持ち良いと感じているのである。

 小さい膨らみのカーブを伝い白い肌を滑り落ちた粘液は、そのままスカートに染み込み、さらに下着にまで到達していた。

 「あんっ」

 身体中を弄る茎はすでに茎とは言えなかった。植物のような冷たさはない。肌をはう感触も人の手の様に優しく暖かかった。まさに触手。

 先端を丸くした茎がスカートの中に潜り込む。粘液に濡れた下着はくっきりとその幼い性器のスジを見せていた。丸い先端で下着越しにそのスジをなぞる。

 「ハァ!!」

 気持ち良い。今まで一度も自分でいじったことは無い。だからこそ初めて知ったその快感は強く鋭かった。胸を触られるよりも強い快感が稲妻となり、身体中に響き渡る。

 茎はその先端を強く押しつけて往復するかと思えばその場で止まり、ブルブルと振えて振動を性器に送る。

 媚薬粘液で分からないが、パルフェ自身もすでに愛液というものを分泌していた。幼いとは言えすでに生理はある。今パルフェ自身に対して行われている行為がどういうことなのかを身体の方が理解し、次なる行為に対する準備を進めているのである。

 何本かの茎が太ももにも絡み付き、太ももの内側にも粘液を擦り付ける。性器をなぞる茎も粘液を滲ませながら往復する。下着に含みきれない粘液が細い足を滑り落ちていく。

 三つの花のうちの一つが動き出した。その花はゆっくりとパルフェの顔の前にくると花びらの中心点が開いた。今までの茎と同じ形をしているが、赤黒い物が約15センチほど姿をあらわした。その中心点には小さい穴が開いている。その棒がゆっくりと粘液を滴らせてパルフェの口に近づく。パルフェは抵抗せずに口をあけ、その棒を口に含んだ。一度根元まで飲み込んだ。甘い花粉の匂いが香り、赤く光る花びらが熱く火照ったパルフェの顔を照らす。

 茎と違うのは、棒自体が茎よりも熱く、まるで血が通っているかのように脈打っていることであった。

 ぬちゅ、ぬちゅ、にちゅ、にちゅ。

 前後に動き出す棒。パルフェもそれに応じ、前後に頭を揺らす。吐き気が無い故にそのストロークは根元まで一気に飲み込んでいる。口の中では舌は逃げることなく、その暖かい棒の先端を舐めまわす。

 「!」

 それに乗じて下着越しの茎も下着の中に潜り込んだ。前から後ろに、先端を腰の部分まで伸ばすと前後に動き出す。産毛しか生えてない幼い性器はヒクヒクと蠢き、竿の部分にそのワレメを押しつける。

 何本かの茎が下着に絡みつくと、下着を下ろし始めた。下着のゴムが太ももに感じた時、片方のゴムの感覚が消えた。茎が下着を引き千切ったのだった。ゴムを失った下着はパサッと太ももを束縛する茎にかぶさる。

 竿を濡らしたのは粘液か愛液か、滑る様に動く。ブルブルっと震えるとさっと性器から離れ、その先端を性器に押しつけた。

 ぶぴゅっ!ぶぴゅっ!ぶるっ!

 再び媚薬が解き放たれる。しかも今度はその先端を性器に押しつけて。性器を受け入れたことの無いパルフェのソコではあったが、巧みな愛撫と度重なる媚薬放射に愛液を滲ませていた。媚薬はその僅かな隙間を愛液を押し返して膣の中へと浸透しる。

 媚薬を吐き出した茎が離れ、別の茎がその先端を縦スジに押しつける。そのままスジをなぞる往復。そのスジよりも少し上に細い茎が忍び寄る。薄い肉を掻き分けると度重なる愛撫に充血した豆が現われた。細い茎がその豆を何重にも巻き付いた。そのまま細かく振える。

 「んんんっ!!」

 下半身から伝わってくる快感に、パルフェは舌を動かせなかった。口の中で舌を立てるので精一杯であった。そこに棒が当たり、先端からやや真中辺りまでを舌先でなぞる。赤黒い棒の先端から何やら苦い味のする粘液を流し始めている。動きも速くなってきた。

 快感が高みに昇り、性器をなぞる茎の速度も増す。豆に巻きつく細い茎の振動も徐々に大きくなる。そしていきなり振動を止めると、ぎゅっと豆を締め上げた。

 「!!!」

 頭の中が白くフラッシュする。身体中が硬直し、足のつま先までピーンと伸びた。

 なれば口中の棒も根元まで入り、大きく震えた。

 どぴゅ!どぴゅ!どぴゅぅ!!

 粘液を一気に吐き出す。どろっと垂れるのではなく、水鉄砲にように喉の奥まで粘液が飛ぶ。反射的に喉の奥を閉じ、吐き出された粘液を飲み込まない様にした。何度かに分けて粘液を吐き出すと最後は勢いを無くし、舌先にその粘液が落ちた。

 えび反りになっていた身体もぐったりと力を失い、支えを茎に渡す。そして口の中に放たれた粘液が苦いことに気づいた。

 ゆっくりと口の中から棒が引抜かれた。パルフェは苦い液体を飲み込めず、それに合わせて吐き出した。白く濁った液体であった。よくよく見れば服すら白い液体で汚れていた。見れば他の二つの花も同じような赤黒い棒を出し、その先端からは同じく白い液体が糸を引いていた。

 白い。ネバネバしている。

 

 「この白い液体が精液というものです。この中には何億という精子が含まれており、この精子が卵子と結びつくことを受精といい、子宮の内壁に着盤して初めて妊娠が完了します」

 

 「いやぁぁぁぁぁ!!!」

 性教育の時の先生の言葉が蘇る。全身から血の気が引く。パルフェは悟った。

 この植物達が何の為にこのような事をしているのかを。

 今まで感じていた快感が嘘の様に消える。茎の束縛から逃れようと必死にもがく。しかし地に足がついていない以上体を揺することしか出来ない。

 「ひぁ!!」

 細い茎が豆から離れると、代わって太い茎が先端に大きく穴を開けて豆を飲み込んだ。クニクニと豆を揉む。

 「いやぁ!」

 必死に腰を揺するが、豆を飲み込んだ茎は離れる気配が無い。むしろ標的の動きを封じる術を知っているこの植物にとって、僅かな抵抗でしかない。茎が一斉に動き出す。

 口中に侵入し、乳首を吸い、乳房に巻きつき、腹に茎先を這わせ、豆を揉む。一番敏感な所にとどめと言わんばかりの媚薬を吹きかけた。同時に再び口の中にも媚薬が放たれ、強引に飲み込まされる。

 必死にもがいても身体中に力が出ない。茎が一斉に愛撫に走る為、快感の方が身体を支配してしまう。

 足首、太ももを縛る茎が動き出す。ぐぐっとパルフェの足を開かせた。その足の間に花が割り込む。生殖器の先端が縦スジに当たる。パルフェはもはや逃れられないと諦めてぐっと目を閉じた。そして・・・・・

 

 「パルフェちゃんは何人子供が欲しい?」

 「あっ、あたし?ん〜とねぇ・・・ひみつ☆・・・フローレは?」

 「うふふふ。じゃあ私も秘密」

 「あ〜ずるい〜!」

 ぱこ〜ん!

 「痛い!」

 「あんたねぇ、昼間っからそんな話してんじゃないわよ」

 「レネットぉ〜、痛い(涙)」

 

 痛みは無かった。太い異物が侵入してきたと同時に何かが破れるような感覚が走り、そしてその先端が子宮を押し上げるとそのまま停止する。何も受け入れたことの無い小さな性器。無残にもその花を散らしたのは得体の知れない巨大な植物であった。

 涙が頬を伝う。花を散らされた悲しみか、それでも感じてしまう自分の情けなさか・・・・・。

 狭い膣壁は、幼いが故に射精を促す為のザラザラは無い。きついだけの肉壁である。性器の侵入を捉えた身体はその壁が傷つくことが無いように愛液の分泌の量を増やす。

 それを待っていたのか、奥まで突き入れ止まっていた生殖器が動き出した。本来なら痛いだけのものが、媚薬によって打ち消され快感のみが沸き起こる。

 足の間から見える花びらが前後に動くことにより、絶望を噛み締める。何よりも他の二つの花が順番待ちとでも言うように、腰の上から突き刺している花を見ていることにあった。

 ぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ・・・・・。

 卑猥な音が辺りに立ち込める。

 「もういやぁ・・・・やめて・・・・」

 無論理解はされぬであろう。しかし言わずにはいられない。

 生殖器が打ちこまれる度に腰が浮き、小さな乳房がフルフルと揺れる。塗りたくられた媚薬が月明かりに照らされ、テカテカと光る。

 「あぅ・・ぅあ・・はぁ・・・・ゃぁ・・・」

 悔しくも口から漏れるのは熱みを帯びた声であった。一定の間隔で子宮にまで到達する突き上げに合わせ、声が漏れてしまう。

 ずん・・・・ずん・・・・ずん・・・・ずん・・・・。

 「ぁぁ・・・・ん・・・・ふぁ・・・・ぁん・・・・」

 生殖器からあふれ出る粘液が逃げ場所も無く子宮の壁に打ちつけられる。圧迫されたその液体は子宮口から子宮内に入るしかない。

 「そん・・・なぁ・・・・」

 突き入れが早くなってきた。心なしかその生殖器がより太くなってきた感じがする。膣壁はザラザラがないぶん生殖器を強く締め付け、亀頭部分を擦りあげる。繁殖時期にしか表に出すことの無い生殖器。生殖行為の経験が少ない植物にとって、鍛えられていないだけ強く擦るだけで十分である。

 にちゃ!にちゃ!ぬちゃ!ぬちゃ!

 突如動きが早くなる。射精まじかの生殖器がぴくぴくと震え始めた。

 「いやぁぁぁ!!やめてぇ!!」

 その豹変にパルフェは力を振り絞り、生殖器を外に出そうと腰を浮かす。無駄であると分かっていても。

 気持ち良いという感覚が一瞬にしてなくなる。人以外の命を宿してしまうかもしれないという恐怖の方が強く表に出たからだ。

 「中は駄目・・・・・」

 ずん!ずん!ずん!ずん!

 「中は嫌・・・・・・」

 ぬちゅ!ぬちゅ!ぬちゅ!ぬちゅ!

 音も突き上げも強くなる。そして強く深いストロークが突如終わりを告げる。

 「!!!」

 生殖器の先端が子宮壁に押しつけられた。びくびくびくっと大きく震える。パルフェはとっさに腰を上げて、放出する場所を子宮から遠ざけた。避けることの出来ない膣内射精への最後の反抗。

 なれば生殖器は寸前に遠ざかった分の長さを伸ばし、亀頭を子宮口に密着させる。

 ドクン!!

 クワッと先端の穴が開き、白濁色の液体を放つ。

 ドクン!!

 子宮口に密着しているが故に逃げ場の無い命の種。

 ドクン!!

 生殖器と膣壁を強引に掻き分け外に逃げ出す精液。

 どく・・・どく・・・。

 僅かな逃げ場所として子宮内に流れ込む精液。

 「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 絶望の悲鳴。突き入れが止まり大きく揺れたのが分かった。そして圧迫感。膣内でこの植物の生殖器が震える度に圧迫感が増す。隙間のない幼い性器の中で種を容赦なく膣奥に叩きつけている証拠。

 「離れてぇ!」

 射精はすでに終えている。が、その生殖器は今だパルフェの体内に入ったままである。栓となり放たれた精液が外に出ないようにしているのだ。

 射精を受けた身としては一刻も早く離れて欲しかった。今の体勢なら重力によって、そして狭いのが手伝い精液は外に排出されるであろう。

 「なっ!!」

 その考えは打ち消された。腰、両足を束縛している茎がお腹よりも高く上げられた。空中まんぐり返しといったところか。

 水は低きに流れる。流動体もそれに然り。パルフェの性器は頭よりも高い所に

 担ぎ上げられた。膣壁の圧迫だけでどれだけ外に追いやることが出来るであろうか。

 二、三突き入れて棒の中に残る精液を搾り出すとようやく生殖器が引き抜かれた。先端は赤く染まり、ピンク色に染まった糸を引いていた。

 精液は溢れてこない。膣が狭すぎたのである。奥に溜まった精液が外に出ようとも、中間から入り口にかけての密閉度が高く外に追い出すことが出来ない。

 「なんで・・・なんでよぉ」

 外に出ることも出来ず圧迫される精液は、重力に引かれ子宮に流れ込むしかない。

 そうしている間にも次の花が生殖器から粘液を垂らしつつ、パルフェの花に近づく。

 「くぅ!」

 浅く何度か先端だけを出し入れすると、一気に根元までおしべを挿し込んだ。

 すかさず激しく動き出す。その動きはまさに射精寸前のスピードと同等であった。

 雌の匂いを嗅ぎ、その物が種を宿す存在だと確信しているが故である。愛撫だとかそういった習慣はない。己が種を吐き出す時までの最短距離を目指しているに過ぎないのだ。

 血と愛液、一体目の花の粘液そして己の分泌液。それらが重なりスムーズに抽送できる。

 「あんっ!はぁ!あふぅ!あぁ!」

 性行為に反応して一回り大きくなった乳房。突かれる度に揺れるふくらみに茎が巻きつき、むにむにと揉む。張りのある若い肌は弾力に満ち、巻きつき締めてくる茎を押し返す。吸ってくれと言わんばかりに硬い乳首も茎も弄ばれ、押して乳房の中に陥没させてみれば、食らいつきどこまで伸びるか引っ張りもする。最初は痛かっただけの乳いじりも、女としての目覚めか心地よさだけがあった。

 胸だけではない。首、肩、腹、腰、腕、太もも、脹脛、足のつま先至る所に茎が這い、官能を与える。媚薬を与えつつ、細部に渡って愛撫を繰り返す。並みの女なら抵抗さえ忘れ、その快楽に身を委ねるであろう。それで尚パルフェが抵抗する気力を失わないのはただ一つ。妊娠への拒絶。

 ずちゃずちゃずちゃずちゃずちゃずちゃ!!

 蜜壷から卑猥な音がよりいっそう早く大きくなる。

 「あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!」

 高みに昇っていく少女。血の気が引いていても下半身からの快楽は強く、拒絶精神のみによりすがる。

 「だめっ!だめっ!だめぇぇぇぇぇ!!」

 頭の中に白い爆発が起こる。膣がきゅっと締まり、侵入物を締め上げた。

 ビクビクビクビク!!

 締め上げられいっそう狭くなった膣壁を強引に広げ、亀頭が擦り上げられる。子宮壁に亀頭を押し付けて大きく生殖器を震わせた。

 ドプ!!ドプ!!ドプ!!ドプ!!

 熱く焼けるような白いマグマ。命を与えし生き物が泳ぐ生命の液体。放たれた量は多く、膣奥に溜める許容範囲を超える。小さな子宮口だけでは到底受け入れられるものではなかった。

 じゅる!じゅるるる!!

 生殖器と膣壁の間を抜け、勢い良く外に噴出す精液。花びらに跳ね返り、パルフェの下腹部に降りかかった。

 「いやぁぁぁぁ!!」

 見えなければ夢で片付けることが出来たであろう。しかし自らの性器から噴出した白濁色の液体を目の前にし、下腹部でその温かさを知り膣内射精の現実をまざまざと見せつけられた。

 そんな彼女の恐怖を知ってか知らずしてか、三体目の花が生殖器をパルフェの花に突き入れた。含みきれない精液がぶぴゅっと音を立てて腹を流れた。

 その花も射精への最短距離を目指し激しく抽送する。するとすでに射精を終えた花は再び生殖器を脈動させ、パルフェの両手の平にそれを擦り寄らせた。

 「いや!」

 生殖器から離れようとするが、茎が手の甲に沿い握らせる。なれば生殖器を前後に動かし始める。手の平を放そうにも膣壁を擦られ、体中をくまなく愛撫され、茎が手の甲の反発を押さえ太刀打ちが出来ない。

 生殖器は膣奥で亀頭を擦らんと、根元まで押し入れると円を描く。手の平を押さえる茎も、握る花の生殖器に合わせて前後に動かされる。

 パルフェは抵抗を止めた。否、抵抗する体力もなくなった。その繁殖行為がどれだけ続くかは分からない。一刻も早く終わるのを待つことしか出来ないのだから。

 蜜壷の生殖器の円運動が終わった。抵抗を止めて分かる侵入物の動き。射精寸前の脈動がそこにある。

 両手がぐっと持ちあがった。手の平から伝わる熱さ、脈動。射精に向けて二本の生殖器がパルフェの顔に向けられた。

 しゅこ、しゅこ、しゅこ、しゅこ・・・・・。

 ぬちゅ!ぬちゅ!ぬちゅ!ずちゅ!

 びゅるる!!びゅるるる!!どぷっ!どぷっ!

 手の平の生殖器が震え、爆発した。顔を背ける時間すらなかった。白濁液は空中に二つの白い弧を描き髪に、瞼に、顔に、鼻に、唇に化粧を施す。ねっとりとした液体は湯気を上げゆっくりと滴り落ちていく。

 (来る!)

 膣内で一際深く突き入れた生殖器が一回大きくしなるのが分かった。

 「赤ちゃんなんて・・・・・欲しくない・・・・・」

 ドクン!!ドクン!!ドク、ドク、ドク・・・・・。

 されたくない三度目の膣内射精。種がじわっと広がっていくのが分かる。子宮にむけて注がれる濃厚な樹液。無数の精子が解き放たれ、卵を目指し泳ぎ始める。子を成すには幼すぎる子宮。それでもすでに何億とも数え切れない精子達が泳ぎ、卵を探していた。新たな命となる為に。

 入りきらない精液は逆流し、下腹部を伝い滴り落ちていく。それを掬い、身体中に塗りたくる茎。

 受精するかしないかはこの花にも分からない。だからこそとにかく大量の精を対象の体内に放つ必要があった。確実な受精を目指し入れ替わり立ち代りパルフェを犯しぬく。

 

 二週間後、パルフェの姿は魔法学院の図書館にあった。新たな魔法薬を作る為の勉強である。

 あの時の惨劇は誰にも話さなかった。常識からしても、人と植物では到底妊娠など起こりえないと考えたからだ。しかし現実は違った。一週間前から何かが違う。あの植物の種が体内で発芽したのを悟った。

 人以外の命を宿したなど到底人に相談は出来ない。意を決し見つからぬ様に産むしか選択肢はないのだ。

 そして今作ろうとしているのは避妊薬。二度とこの惨劇を繰り返さない為に・・・・・。

 

 終

 


解説

 初めまして。初投稿の暴れ猫です。

 GWは暇だった・・・・・というのもありますが、いろんな作家様の作品を読み、自分も書きたくなったというのが正直な所です。

 

 駄文とはいえお読みくださり光栄です。

 


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