私は21歳以上です。



 「駐車場」   その1   はじまり
                        作:サスガ


バイトを終えて帰路についた
バイト先のファミレスまでは家から歩いて5分程度で往復いつも歩いて出勤している
辺りはすっかり暗くなって人気も全くない

普段通りいつもの駐車場を通り過ぎようとした時だった
なにやら声が聞こえる…
空耳じゃない…小さいけど確かに聞こえる…

「ああっ!ああん!あっ…」

その声はとても艶めかしくてその声の主が何をしているかくらい容易に判断できるものだった
ただ、嬌声をあげている女性は一人ではないようだ
二人…いやもっと多い…

思わず僕はその現場を見たくなってあたりをきょろきょろとした
迷う間もない、声は駐車場から聞こえていた

僕はそっと身を潜め、どの車内で事が行われているかを探し始めた
すると駐車場の中央くらいの位置に停まっているワンボックスカーの灯かりがついているのが見えた
黒い大きい車だ、ここからでは何人かの女の人の頭部が見え隠れしたりするだけで
はっきりとその状況を見ることが出来ない

もっと近くで様子を見たくていてもたってもいられなくなった僕は
思い切ってワンボックスカーの隣の車の陰まで一気に駆け寄った
隠れた車の窓越しにそちらの様子を伺ってみる
やはり彼女たちはセックスをしていることは間違いない
思わず股間が熱くなってきたけど見つかるとどうなるかわからないからなんとか堪える…
ここからは彼女たちの相手をしている男の姿は全く見えない


そんなことを考えていたちょうどその時だった
僕がいる場所の向かい側の入り口から何人かの人が連れたってきた
その人たちも女の人のようだった

はっきりとはわからないけど人数は5〜6人くらい…
彼女たちは艶かしい声があがっているワンボックスカーのドアをコンコンと叩いている

「香織〜みんな連れて来たよぉ〜〜」
ちょっと酔いの入った話し方で車内の人間に語りかけている
どうやら彼女たちは車内の人間の友人のようだ

「はぁ〜〜ぃ遅かったじゃないの〜〜」
車内から返事が聞こえる

するとスライド式のドアがするりと開いてその中の景色が一気に僕の視界に飛び込んできた



車内では5〜6人の女性が男を貪っていた…
彼の姿はほとんど見えない
頭と下半身を女性に跨られ、他の女性が彼の乳首をチロチロと舌を這わせている

ドアが開いていることに気づいたのか
彼は顔に押し付けられている大きなヒップから必死に頭をひねりようやく声を発した

「もう出ない!!助けてくれっ!!んぐっんぐっ…」
彼の必死な訴えは一瞬で頭に乗っている女性の豊満なヒップに吸収された

「何いってんのぉ〜!まだ始まったばかりじゃないのよ〜!!」

「そうよー!!私たちなんて今来たばっかりなんだからそんな弱音吐かないの!!」

彼を全員掛かりで押さえつけさんざん罵っている途中でドアは閉ざされた
そして車のライトが点くと、そのまま夜の街へと走り去っていった



     投稿の目次

fc